ツール・ド・フランス2014 第8ステージカドリが130kmを逃げ切りツール初勝利 頂上ゴールでコンタドールがライバルとの差を詰める

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 ツール・ド・フランス第8ステージが12日に行われ、逃げに乗ったブレル・カドリ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル)が終盤の山岳で独走しツール初勝利を飾った。また総合優勝候補の一角、アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)が頂上ゴールに向けてアタックし、ライバルたちにタイム差をつけて2位でゴール。ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム)はコンタドールから3秒遅れたが、マイヨジョーヌを守っている。新城幸也(チーム ヨーロッパカー)は20分32秒遅れの163位だった。

逃げ切りで自身初のステージ優勝を挙げたブレル・カドリ逃げ切りで自身初のステージ優勝を挙げたブレル・カドリ

 ヴォージュ山脈での3連戦の初日は、トンブレーヌからジェラールメール・ラ・モズレーヌまで161kmの中級山岳ステージ。終盤まで平坦基調で、残り30kmから2級山岳が2つ続き、3級山岳の頂上ゴールとなるコースで争われた。

 スタートから30kmを過ぎてシルヴァン・シャヴァネル(フランス、イアム サイクリング)とニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファルマ・クイックステップ)のアタックが成功。これにカドリら3人が合流して5人の逃げ集団を形成した。

逃げている間、冗談を言い合うシルヴァン・シャヴァネルとニキ・テルプストラ。2人は昨年までチームメートだった逃げている間、冗談を言い合うシルヴァン・シャヴァネルとニキ・テルプストラ。2人は昨年までチームメートだった
メカトラブルで立ち止まったイェンス・フォイクトメカトラブルで立ち止まったイェンス・フォイクト

 メーン集団では、ポイント賞争いで2位につけるブライアン・コカール(フランス、チーム ヨーロッパカー)が中間ポイントを狙って集団先頭で通過。しかし同首位のペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール)もこの集団の3番手で無難に通過しており、サガンの独走態勢は変わっていない。

 アスタナ プロチームがコントロールしていたメーン集団だったが、終盤が近づくにつれさまざまなチームが前方に姿を見せ始めた。そのなかでも山岳が近づくとティンコフ・サクソがトレインを組んで猛然とペースアップ。コンタドールが上りで攻撃に出る作戦であることを示した。

 残り30km、1つ目の山岳に入った逃げ集団からシャヴァネルがアタックすると、これをカドリが追いかけ、残る3人は脱落。カドリはシャヴァネルを上りでパスし、独走で逃げ切りを目指した。局所的に降る雨、濡れた路面、時おり立ち込める霧などコース環境は悪条件が重なったが、カ鳥はメーン集団に対し4分ほどのリードを保って2つの2級山岳を越えていった。

終盤の上りでのシルヴァン・シャヴァネル。観客も応援に熱が入る終盤の上りでのシルヴァン・シャヴァネル。観客も応援に熱が入る

 最後の3級山岳は1.8kmながら平均勾配が10%を超える、今大会初めての頂上ゴール。その厳しい上りで、シャヴァネルがメーン集団に吸収されるなか、カドリは最後まで失速しなかった。晴れやかな笑顔とともに、フランスチームのフランス人選手が、ツールで念願のステージ優勝を挙げた。

 カドリにとっては、昨年3月にワンデーレースのローマ・マキシマを制して以来の勝利。昨年のツールではチームメートのクリストフ・リブロンが逃げ切り、フランス人として唯一のステージ優勝を挙げていた。カドリもそれに続きたいという思いで逃げに乗り、見事に成就させた。これは今大会でもフランス人としての初勝利だ。さらに山岳賞争いで2位につけていたカドリはこの日の山岳をすべて1位で通過してトップに浮上。この日の敢闘賞も獲得した。

ゴール前でのアルベルト・コンタドール(左)とヴィンチェンツォ・ニバリ。頂上ゴールで3秒の差がついたゴール前でのアルベルト・コンタドール(左)とヴィンチェンツォ・ニバリ。頂上ゴールで3秒の差がついた

 一方、メーン集団ではティンコフ・サクソの強烈な引きで人数が絞られた後、残り1kmでコンタドールがアタック。個人総合首位のニバリがぴったりマークし、リッチー・ポート(オーストラリア、チーム スカイ)も粘ったが、その他の選手は一気に引き離された。ニバリもゴール直前でわずかに遅れ、コンタドールは3秒ではあるがマイヨジョーヌとの差を詰めることに成功した。短い上りで差がついたことは、今後の各チームの戦略に影響しそうだ。

 そのほかユルヘン・ヴァンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル)やミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ)が1分以上、アンドルー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)が落車によるメカトラブルで2分以上遅れるなど、総合上位の順位や顔ぶれが入れ替わっている。

 翌日の第9ステージはジェラールメールからミュルーズまでの170kmで行われる。序盤から山岳が連続するコースだが、6つ目の山岳を上りきるとそこから20kmの下り、さらにラスト20kmはほぼ平坦路というコースレイアウトだ。

(文 平澤尚威/写真 砂田弓弦)

第8ステージ結果
1 ブレル・カドリ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) 3時間49分28秒
2 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) +2分17秒
3 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) +2分20秒
4 リッチー・ポート(オーストラリア、チーム スカイ) +2分24秒
5 ティボー・ピノ(フランス、モビスター チーム) +2分28秒
6 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +2分28秒
7 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +2分36秒
8 ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMC レーシングチーム) +2分40秒
9 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +2分48秒
10 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、イアム サイクリング) +2分54秒
163 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +20分32秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) 33時間48分52秒
2 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム) +1分44秒
3 リッチー・ポート(オーストラリア、チーム スカイ) +1分58秒
4 ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ) +2分26秒
5 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +2分27秒
6 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) +2分34秒
7 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +2分39秒
8 ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ) +2分52秒
9 バウケ・モレマ(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +3分2秒
10 ユルヘン・ヴァンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル) +3分2秒
123 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +53分44秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール) 267 pts
2 ブライアン・コカール(フランス、チーム ヨーロッパカー) 156 pts
3 マルセル・キッテル(ドイツ、チーム ジャイアント・シマノ) 146 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 ブレル・カドリ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) 17 pts
2 シリル・ルモワーヌ(フランス、コフィディス ソリュシオンクレディ) 6 pts
3 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、イアム サイクリング) 6 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ) 33時間51分18秒
2 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +13秒
3 ティボー・ピノ(フランス、モビスター チーム) +1分6秒

チーム総合
1 アスタナ プロチーム 101時間30分53秒
2 ベルキン プロサイクリングチーム +5分23秒
3 チーム スカイ +5分31秒

敢闘賞
ブレル・カドリ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル)

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