ツール・ド・フランス2014 第7ステージトレンティンが集団スプリントを制して勝利 終盤攻めたサガンは僅差で敗れ2位

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 ツール・ド・フランス第7ステージは12日、エペルネからナンシーまでの234.5kmで行われた。終盤の2つ続いた丘で絞られた集団でのゴールスプリントとなり、ポイント賞ジャージを着るペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール)を僅差の争いで下したマッテーオ・トレンティン(イタリア、オメガファルマ・クイックステップ)が優勝した。総合首位は変わらずヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム)がキープ。新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー)は93位でゴールした。

僅差のゴールスプリントを制したのは、中央のマッテーオ・トレンティン(イタリア、オメガファルマ・クイックステップ)僅差のゴールスプリントを制したのは、中央のマッテーオ・トレンティン(イタリア、オメガファルマ・クイックステップ)

 今大会2番目に長いこの日のステージは全体的に平坦ながら、残り20kmから4級山岳が2つ連続してからゴールするというもの。単純なスプリント争いとはならない、終盤の波乱が予想されるステージだ。

 レースはスタート直後のアタックが決まり、6人の逃げ集団が形成された。アレクサンドル・ピショ(フランス、チーム ヨーロッパカー)、マシューブッシュ(アメリカ、トレック ファクトリーレーシング)、ニコラ・エデ(フランス、コフィディス ソリュシオンクレディ)、マルティン・エルミガー(スイス、イアム サイクリング)、バルトシュ・フザルスキー(ポーランド、チーム ネットアップ・エンデューラ)、アントニー・ドゥラプラス(フランス、ブルターニュ・セシェ アンヴィロヌマン)からなるグループは、この中で最も経験のあるエルミガーが統率する形だ。

序盤に形成された6人の逃げ集団序盤に形成された6人の逃げ集団

 一方メーン集団は、この日のステージで勝利を狙う、サガン擁するキャノンデールが一貫してコントロール。タイム差も序盤で4分程度まで開いたものの、その後は2分から1分程度に常時コントロールされた。

 雨の予報でどんよりとした曇り空の中スタートしたが、幸いにしては雨は降らなかった。ここまでの数日悪天候に祟られ、落車などでダメージを負った選手が多いプロトンは、第一次世界大戦のモニュメントが多く残るこの日のコースを、淡々と落ち着いたペースで距離を重ねた。

 残り100kmを切ってからは、横風を警戒してか、徐々に集団前方の密度が高くなるが、ペースを作るのは変わらずキャノンデール。差が1分程度まで縮まったところで、逃げ集団ではエデが一度アタックを試みたが、これはすぐに吸収された。

 残り50kmを切ってから、先頭ではエルミガーがアタック。フザルスキーのみがこれに付き、逃げは2人となった。2人は再度ペースアップし、40秒ほどに縮められた差を一時は1分強まで戻したが、勝負どころに向けて加速するメーン集団に、残り20kmで吸収された。

 ここからは2つ連続する4級山岳の丘。まず最初の上り口ではトマ・ヴォクレール(フランス、チーム ヨーロッパカー)がアタック。このペースアップに、早くもマルセル・キッテル(ドイツ、チーム ジャイアント・シマノ)やアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)といった純粋スプリンター達は、集団から遅れ始める。

落車に巻き込まれたヴァンガードレン。チームメートの自転車に乗り換え再スタート落車に巻き込まれたヴァンガードレン。チームメートの自転車に乗り換え再スタート

 ヴォクレールが吸収された後、丘の頂上目前でBMCのエース、ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ)が集団内で絡まれ落車。すぐに起き上がり集団を追ったが、スピードが上がったメーン集団には追い付くことができず、タイムを失うことになってしまった。

 終盤2つ目の山岳上り口では、今度はシリル・ゴティエ(フランス、チーム ヨーロッパカー)がアタックするが、集団も簡単には逃がさない。サガンらステージを狙う選手だけでなく、ニバリやアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)といった総合上位勢も、集団前方で動きをチェックしている。

 上り頂上目前で、不意を突くような形で集団から飛び出したのは、グレッヒ・ヴァンアーヴェルマート(アメリカ、BMC レーシングチーム)だ。これにサガンだけが反応。残り5.5kmの頂上で、2秒程度の微妙な差が生まれるが、後ろを少し見たサガンは加速。集団からの逃げ切りを図る。

 得意の下りを攻めて集団との差を若干広げたサガン、そしてヴァンアーヴェルマートだったが、猛追する集団は何とか残り1kmで2人をキャッチ。急カーブが続く市街地を抜けて勝負はゴールスプリント争いとなった。

狭い市街地での終盤、落車もいくつか発生した。地面に叩き付けられたポール・ヴォス(ドイツ、チーム ネットアップ・エンデューラ)狭い市街地での終盤、落車もいくつか発生した。地面に叩き付けられたポール・ヴォス(ドイツ、チーム ネットアップ・エンデューラ)

 集団先頭をリードアウトするのは、ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ)。その後ろにトレンティン、トム・ドゥムラン(オランダ、チーム ジャイアント・シマノ)、サガンの順でスプリントを開始。先頭に出てからタイミングを計ってスプリントを始めたトレンティンに、サガンが猛烈な追い込みを見せる。

 ゴールライン上、サガンがトレンティンを差しきったかのようにも見え、トレンティンはサガンを祝福するが、当のサガンはやや浮かない表情。写真判定の結果、トレンティンの勝利がコールされた。

 惜しくも2位に敗れたサガン。「なかなか勝てないね」と話しつつも、ポイント賞争いではライバルにさらに差を付け、マイヨヴェールは安泰。個人総合でも3位に付け、新人賞ジャージもキープしている。

 トレンティンは昨年の第14ステージに続く、ツール通算2勝目。今年はツール・ド・スイスでもステージ優勝を挙げるなど、順調にキャリアを重ねている。オメガファルマは今大会、早々にチームリーダーのカヴェンディッシュを失うなど不運が続いていたが、待ちに待った初勝利。「今日のチームの仕事は完璧。勝ったのは自分だが、チームの勝利だ」とトレンティンは喜びを語った。

マイヨジョーヌを着て走るニバリ。この日も手堅く首位をキープしたマイヨジョーヌを着て走るニバリ。この日も手堅く首位をキープした

 続く第8ステージでは、いよいよ上り頂上ゴールが登場。トンブレーヌからジェラールメール・ラ・モズレに至るコースは、161kmと若干短めの設定ながら、終盤に2級山岳を続けて上り、最後に3級山岳を上ってゴール。最後は距離1.8kmと短めながら、平均10.3%の急勾配。総合上位を狙う選手たちの、最初の本格的なバトルが見られるだろう。

(文 米山一輝/写真 砂田弓弦)

第7ステージ結果
1 マッテーオ・トレンティン(イタリア、オメガファルマ・クイックステップ) 5時間18分39秒
2 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール) +0秒
3 トニー・ガロパン(フランス、ロット・ベリソル) +0秒
4 トム・ドゥムラン(中国、チーム ジャイアント・シマノ) +0秒
5 サイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +0秒
6 ダニエル・オス(フランス、BMC レーシングチーム) +0秒
7 シリル・ゴティエ(フランス、チーム ヨーロッパカー) +0秒
8 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、イアム サイクリング) +0秒
9 セップ・ヴァンマルク(ベルギー、ベルキン プロサイクリングチーム) +0秒
10 グレッヒ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMC レーシングチーム) +0秒
93 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +3分39秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) 29時間57分4秒
2 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム) +2秒
3 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール) +44秒
4 ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ) +50秒
5 ユルヘン・ヴァンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル) +1分45秒
6 トニー・ガロパン(フランス、ロット・ベリソル) +1分45秒
7 リッチー・ポート(オーストラリア、チーム スカイ) +1分54秒
8 アンドルー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ) +2分5秒
9 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +2分11秒
10 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +2分11秒
111 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +35分32秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール) 259 pts
2 ブライアン・コカール(フランス、チーム ヨーロッパカー) 146 pts
3 マルセル・キッテル(ドイツ、チーム ジャイアント・シマノ) 137 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 シリル・ルモワーヌ(フランス、コフィディス ソリュシオンクレディ) 6 pts
2 ブレル・カドリ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) 5 pts
3 イェンス・フォイクト(ドイツ、トレック ファクトリーレーシング) 4 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール) 29時間57分48秒
2 ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ) +6秒
3 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +1分27秒

チーム総合
1 アスタナ プロチーム 89時間52分20秒
2 ベルキン プロサイクリングチーム +4分18秒
3 チーム スカイ +6分31秒

敢闘賞
マルティン・エルミガー(スイス、イアム サイクリング)

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