これぞ本場イタリアのグランフォンドピナレロの聖地トレヴィーゾを満喫 「ラ・ピナ サイクリングマラソン」に4000人が参加

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 イタリア・トレヴィーゾで7月13日、スポーツサイクルブランド「ピナレロ」が主催するグランフォンドイベント「ラ・ピナ サイクリングマラソン」が開催された。今年で18回目のイベントには、日本からのオフィシャルツアー参加者17人を含め、アメリカやイギリスなど世界各地から4000人が参加。イタリアののどかな田舎道や、標高914mのプラデラデゴ山などを駆け抜け、サイクリングの醍醐味を楽しんだ。3つのコースのうち距離が最も長く、獲得標高も3000mを超えるグランフォンドコースに挑戦した参加者らの表情を追った。(トレヴィーゾ 柄沢亜希)

美しいイタリアの風景の中を走る参加者ら美しいイタリアの風景の中を走る参加者ら

おしゃべりやジョークで笑顔 イタリア流の楽しみ方

 朝、トレヴィーゾ旧市街の城壁内に並んだスタートの列は、先頭にピナレロ創業者ジョバンニ・ピナレロ氏の長男で現社長のファウスト・ピナレロ氏とともに、2012年ツール・ド・フランスの覇者、ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、チーム スカイ)や、1990年代にツール総合5連覇を成し遂げたミゲル・インデュライン氏の姿も。初めて参加をするというウィギンスは、「イギリスにはこんなに大きなサイクリングイベントはない」と目を丸くしながらコメントした。

地元テレビの取材を受けるファウスト・ピナレロ社長地元テレビの取材を受けるファウスト・ピナレロ社長
ずらりと並んだ参加者ら。ブレーキを確認中のブラッドリー・ウィギンス(チーム スカイ)とその隣に並ぶミゲル・インデュライン(右)ずらりと並んだ参加者ら。ブレーキを確認中のブラッドリー・ウィギンス(チーム スカイ)とその隣に並ぶミゲル・インデュライン(右)
40歳で急逝した元大会ディレクター、故アンドレア・ピナレロさんの息子ジョバンニくん(手前)もセレモニーに参加40歳で急逝した元大会ディレクター、故アンドレア・ピナレロさんの息子ジョバンニくん(手前)もセレモニーに参加
ブラッドリー・ウィギンス選手(チーム スカイ)ブラッドリー・ウィギンス選手(チーム スカイ)
隊列を組んで走る参加者隊列を組んで走る参加者

 スタートが切られると、コースに繰り出す参加者の列が延々と10分近く続いた。街を出て道幅が狭くなると渋滞が起こったが、そこで怒ることもなくおしゃべりを楽しんでしまうのがイタリア流だ。

途切れることのないスタートの列途切れることのないスタートの列
道幅が細くなると渋滞が起こった道幅が細くなると渋滞が起こった

 取材のクルマからあいさつをする記者に写真撮影をせがんだり、クルマを押す素振りをみせたりと茶目っ気も忘れない。女性ライダーの1人は、「あら、車輪が4つなんておかしいわよ!」と記者らを冷やかし、笑顔を振りまいた。

記者の乗るクルマを押す真似をしてみせる男性記者の乗るクルマを押す真似をしてみせる男性
古城の前を通過する参加者古城の前を通過する参加者

 大会では、約169kmのグランフォンド、約118kmのメディオフォンド、また地元のグルメを食べ歩く約35kmのグルメフォンドの3つのコースが設定された。レース志向の本格ライドから、おいしい食べ物を満喫するファンライドまで、様々な楽しみ方ができるのが特徴だ。女性ライダーは、今年はグルメフォンド・メディオフォンドを中心に多くの参加者が楽しんでいた。

 また、グランフォンドとメディオフォンドは分岐地点で変更が可能。参加者はその時のタイムやコンデイションに応じてコースを“調整”することができるありがたい仕組みだ。

ゼッケンやチップが配布された参加者向けに封筒には高低差・コース図がプリントされていたゼッケンやチップが配布された参加者向けに封筒には高低差・コース図がプリントされていた
街を離れると緑が美しい風景が広がった街を離れると緑が美しい風景が広がった

萩原麻由子のチームメイトも参加

 あたりにプロセッコ畑が広がるコースはすがすがしく、参加者らは軽快にペダルを回した。ただし、日本と異なるのは路面状況だ。コースを進んでいくにしたがって、右に左に立ち止まってパンク修理をしたり、ホイール交換のためサポートカーを待ったりする姿が多く見られた。

まだまだ余裕の参加者まだまだ余裕の参加者
路面が荒れていることを表す看板路面が荒れていることを表す看板
パンクなどのメカトラにタイプするモトも出動していたパンクなどのメカトラにタイプするモトも出動していた

 途中、ロード全日本チャンピオンの萩原麻由子と同じプロ・ロードレースチーム「ウィグル・ホンダ」に所属するロシェル・ギルモア(オーストラリア)を発見。現在イタリアで暮らすギルモアは、ピナレロとの縁もあり、ラ・ピナ サイクリングマラソンには仲間とともによく参加するのだという。

ロシェル・ギルモア選手(ウィグル・ホンダ)ロシェル・ギルモア選手(ウィグル・ホンダ)
全日本ロードレース選手権を制した萩原麻由子(2014年6月29日撮影)全日本ロードレース選手権を制した萩原麻由子(2014年6月29日撮影)

 先の全日本選手権でタイムトライアル、ロードとダブルで女王の座に輝いた萩原について尋ねてみると、「きょうの今頃は(10日間のステージレース)『ジロ・ローザ』の最終ステージを走っているころね。マユコはこのレースの第3ステージで3位に入ったのよ! 最近はレースで結果を出しているし、最初は英語がまったくダメで通訳をつけてたけれど、今では通訳なしで少しずつ話せるようになっている。マユコはすごくよくやっているわ」と賞賛した。なお、萩原はジロ・ローザを最終的に総合19位で終えている。

レース志向もチャレンジャーも、思い思いに挑戦

 プラデラデゴ山は、細く曲がりくねる道が木々を縫うように敷かれ、日本の山道を連想させる風景が続いた。しかし頂上まで残り3kmを過ぎると雰囲気がガラリと変わり、参加者の表情も険しくなった。とどめとばかりに勾配「10%」の標識も登場。それでも、頂上あたりに設置されたエイドステーションでは、「きつかった」よりも「よかったよ」という声が多く聞かれた。

過酷な上り坂をひたすら上っていく過酷な上り坂をひたすら上っていく
木漏れ日がきもちいい道木漏れ日がきもちいい道
プラデラデゴ山の山頂まであと2kmプラデラデゴ山の山頂まであと2km
プラデラデゴ山を上った場所にあるエイドステーションプラデラデゴ山を上った場所にあるエイドステーション
そろいの蛍光イエローのジャージを着て仲間と4度目の参加そろいの蛍光イエローのジャージを着て仲間と4度目の参加
スポーツドリンクも陽気なおじさんが注げばワイン風スポーツドリンクも陽気なおじさんが注げばワイン風
標高832mのトンバ峠の頂上標高832mのトンバ峠の頂上

 コースの116km地点に現れる2回目の山岳、標高832mのトンバ峠の上りでは、先を見通せる長い直線基調にもかかわらず、蛇行しながら必死の形相でペダルを踏む参加者が多かった。頂上では360度の見晴らしが広がっていた。

トンバ峠の頂上に広がる美しいパノラマトンバ峠の頂上に広がる美しいパノラマ
手際よくパンク修理をしていたイギリス人男性手際よくパンク修理をしていたイギリス人男性

 ここで、手際よくパンク修理をしていたイギリス人男性が取材中の記者に対し、「何度も参加しているけれどパンクしたのは初めてだよ」とこぼしながら、チューブやコップを捨ててくれるようにと渡してきた。急いで山を下っていく男性の背中を見送りながら、イベントとはいえ、自己タイムに挑戦しているライダーも多くいることをひしひしと感じた。

 ゴール後、その男性が記者に声をかけ、「さっきはごめん。ものすごく集中してたんだ」と詫びてきた。「毎年仲間と来ていて、今年は10回目。ガールフレンドがさっきゴールしてきたんだけど、タイムアウトになっていないといいな」と、こんどはリラックスした表情で話してくれた。

モンテロの丘を越え最後のエイドステーションには、ビールやプロセッコも登場モンテロの丘を越え最後のエイドステーションには、ビールやプロセッコも登場
プロセッコをボトルに入れてもらう参加者プロセッコをボトルに入れてもらう参加者
モンテロの丘を越え最後のエイドステーションには、ビールやプロセッコも登場モンテロの丘を越え最後のエイドステーションには、ビールやプロセッコも登場
ゴールのアーチへと向かうゴールのアーチへと向かう
ゴールラインで“スプリントごっこ”ゴールラインで“スプリントごっこ”

 日本から参加した秦啓次郎さんは、途中で道を間違えて不安になったというが「地元のおじさんライダーが声かけてくれて最後は楽しく帰って来られた」と満面の笑み。プラデラデゴ山については「あんな坂は初めて。日本の道路だったら、あれほど難易度のある作り方はしない」と驚きつつ、達成感に満たされているようだった。

下り坂を前にエイドステーションでもらった紙切れをお腹に入れて「温かかった」と秦さん下り坂を前にエイドステーションでもらった紙切れをお腹に入れて「温かかった」と秦さん
仮設ブースでのマッサージ場仮設ブースでのマッサージ場
ゴール後の一杯とこの笑顔ゴール後の一杯とこの笑顔

<取材協力 ピナレロジャパン> 

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