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はらぺこサイクルキッチン<16>“健康志向”な南アフリカのスーパーマーケットにびっくり 遠征先での菜食生活は工夫が必要

by 池田清子 / Sayako IKEDA
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南アフリカの旬の食材を使用。玉ねぎのスプラウト(新芽)は、ほんのり玉ねぎの香りが。薬味のようにも使える便利なスーパーフード南アフリカの旬の食材を使用。玉ねぎのスプラウト(新芽)は、ほんのり玉ねぎの香りが。薬味のようにも使える便利なスーパーフード

 夫婦そろって出場した「ヒルクライム・イン・おんたけ」の翌日。夫の池田祐樹が唯一の日本代表選手として「MTBマラソン世界選手権」に出場するため、私たちは今年の会場である南アフリカのピーターマリッツバーグへと出発しました。

 今回は私たちが初めて訪れた南アフリカでの食事情、そしてレースに向けて引き続き実践しているアスリートのための「プラントベースダイエット」(肉・魚・乳製品を摂らない菜食生活)についてレポートします。

初めて持参したのはA5サイズの体重計

 まずは恒例となってきました、日本から持参した食材とキッチンツールのご紹介です。

 今回は全ての宿でキッチンを使えるため、自炊することを前提に必要なものをチョイス。食材は愛用の玄米、味噌、たくさんの海草類(昆布・のり)、干し芋、黒ごま。キッチンツールは愛用の包丁、菜箸、箸、タッパー、米や雑穀を洗うためのザル(豆腐が入っていた容器を再利用)。アミノ酸が豊富な昆布は料理のほか、空腹を満たすスナック代わりにもなります。

乾物は日持ちがするうえ、保管も容易。軽くてクッション材にもなります乾物は日持ちがするうえ、保管も容易。軽くてクッション材にもなります

 そして食関連とは少し異なりますが、今回初めて持参したのは体重計。自宅では最新式の体重計で体脂肪率や筋肉量を毎日計測しています。遠征に持って行くには少々難しかったので、遠征用にA5サイズの体重計を購入。体重の数値だけがアスリートのコンディションを示す訳ではありませんが、体調管理の指針として継続して計測したいという祐樹さんの希望でした。

初経験のベジタリアン向け機内食

 機内食もベジタリアンミールをチョイスしました。航空券を購入する際に選択できることもありますが、私たちは残念ながらその選択ができなかったため搭乗手続きの際に聞いてみました。航空会社にもよるかと思いますが、「積み込みの関係で24時間前までにオーダーしてください。まだ在庫があれば対応します」と言われました。

 オーダーしてみた結果、運良くベジタリアンミールが運ばれてきました。初めての経験!どんなものだろうとワクワクしながら開けると、通常の「ビーフ or チキン」より個人的には好きな味付けと食材。ベジタリアンのみならず、乳製品を摂取しないビーガンにも対応している食事でした。デザートも通常とは異なり、南アフリカ製・砂糖不使用のフルーツバー。原料はアプリコットとリンゴが約90%。買って帰りたいほどのおいしさでした。

大豆・マッシュポテト・ほうれん草の炒め物大豆・マッシュポテト・ほうれん草の炒め物
ラタトゥイユ・ライス・スチームした人参とインゲン。サラダやフルーツ、デザートラタトゥイユ・ライス・スチームした人参とインゲン。サラダやフルーツ、デザート

“ベジタリアン向け”など一目でわかるマーク

南アフリカ資本のスーパーマーケット南アフリカ資本のスーパーマーケット

 現地に着いてまず向かったのは、食材調達のためのスーパーマーケット。最初に入ったのはベルギーでもお世話になったヨーロッパ資本のマーケットでした。清潔で広々とした店内には、豊富なラインナップがそろっていました。デリ(総菜)コーナーも充実。野菜だけで作ったカレーや炒め物もありました。

 次に発見したスーパーマーケットは南アフリカ資本のお店。ここで驚いたのは自社製品の多さでした。その製品には「ベジタリアン可(乳製品は含まれている)」「ビーガン可(乳製品も含まれていない)」「グルテンフリー」などが一目で分かるマークがついていました。パッケージも無骨でかっこ良く、店内を端から端までじっくりと観察。こういったスーパーマーケットに出会うことで食材の幅も広がりますし、現地での息抜きになります。

南アフリカ製品の健康食品が気に入ったコーリー・ウォレス選手。特にココナッツオイルは“加熱しても必須脂肪酸であるオメガ3が変化しない”ため欠かせないのだそう南アフリカ製品の健康食品が気に入ったコーリー・ウォレス選手。特にココナッツオイルは“加熱しても必須脂肪酸であるオメガ3が変化しない”ため欠かせないのだそう

 現地の食材に興味津々な私たちは健康食品を扱うヘルスフードストアにも足を運びました。そこでも南アフリカブランドを見つけましたよ。いま話題の「スーパーフード」と呼ばれる食材を扱う「Nature’s Choice」。種類が豊富で、なかには「これは何だろう」というような初めて見聞きする製品も。これほど多くの製品がそろっているとは、もしかしたら日本以上に進んでいるかも? 日本でも取り上げられることが徐々に多くなってきた「スーパーフード」。私にとっては未知な部分もあって感心するばかりでした。

 宿に戻ると、一緒に滞在しているカナダのCory Wallace(コーリー・ウォレス)選手が食事中でした。そこでテーブルに並んだものに思わず注目。「Nature’s Choice」の製品を早速購入しているではないですか! コーリー選手は「この製品は価格がカナダの半分くらいなのにも関わらず、製品のクオリティーもいいよ」とのこと。グルテンフリーのオートミール、ライスミルクパウダー、天然甘味料のステビア、ココナッツオイルなどをそろえていました。特にココナッツオイルがとても美味しかったです。

コーリー選手のとある日の朝食風景コーリー選手のとある日の朝食風景
コーリー選手の朝食。ポン煎餅にココナッツオイル、アボカドとゆで卵。塩コショウを振ったものコーリー選手の朝食。ポン煎餅にココナッツオイル、アボカドとゆで卵。塩コショウを振ったもの

激しい気温差… 南アフリカは真冬

 ベルギーとドイツで体験した海外遠征でのフィード。もちろん、今回の世界選手権でもありました。南アフリカは日本と同じ左側通行で道も比較的広々としていたので、以前よりは気持ちに余裕をもって臨むことができました。

地平線の向こうに沈む、美しい南アフリカの夕日地平線の向こうに沈む、美しい南アフリカの夕日
日本から持参のカーナビゲーションがここでも活躍。座標を頼りに目的地へ日本から持参のカーナビゲーションがここでも活躍。座標を頼りに目的地へ

 予行演習で看板をたよりに場所を確認し、駐車場所などもなんとなく想定。あいにくの雨で気温がかなり冷え込みました。季節は真冬のため、晴れていても朝晩の気温差は激しく、体温調節に注意が必要でした。

この日の気温は10℃以下。寒い!ちなみにここは私有地のため、レース当日は受付時にもらうリストバンドを付けていなければ入れない警戒態勢でしたこの日の気温は10℃以下。寒い!ちなみにここは私有地のため、レース当日は受付時にもらうリストバンドを付けていなければ入れない警戒態勢でした
ここが最後のフィード場所。フィードする側も歩いて激坂を上ってこなければならない。時間との勝負!ここが最後のフィード場所。フィードする側も歩いて激坂を上ってこなければならない。時間との勝負!

“はらぺこ” in 南アフリカ

ズッキーニの一種の野菜とかぼちゃをオーブンでベイク。日本では珍しい形状なので、食べる前からワクワクズッキーニの一種の野菜とかぼちゃをオーブンでベイク。日本では珍しい形状なので、食べる前からワクワク

 南アフリカでも私のモットーである「現地で旬の食材を使う。珍しい食材にも挑戦する」を実行。玉ねぎのスプラウト(新芽)はほのかに玉ねぎの味がしました。

 また、小振りなズッキーニの一種の野菜を発見。見た目はカップケーキのように可愛らしく、味はズッキーニとそっくり。かぼちゃとともにベイクしていただきました。

持参したキッチンツールも大活躍。キッチン付き宿は落ち着きます持参したキッチンツールも大活躍。キッチン付き宿は落ち着きます
ネパール代表選手が宿に遊びに来てくれました。バナナやリンゴ、パイナップルを火にかけシナモンを振ったスイーツを作りましたネパール代表選手が宿に遊びに来てくれました。バナナやリンゴ、パイナップルを火にかけシナモンを振ったスイーツを作りました

プラントベースダイエットで若返り?

 プラントベースダイエットを実践する祐樹さんの体調はヒルクライムレースから大きな変化もなく良好。エネルギーが出ない、疲れやすいといったことはありませんでした。

 しかし日本で使用頻度の高かった豆腐がここでは手に入らず、たんぱく質源は主にアボカドやナッツ、キヌア、豆でした。さらに、たんぱく質を入れているつもりでも身体を酷使している祐樹さんからすれば「もっと必要」とのこと。

トレーニングから帰って来た祐樹さん。少し若返って見えるのは食事のせい? それとも南アフリカの魅力的な大地のおかげ!?トレーニングから帰って来た祐樹さん。少し若返って見えるのは食事のせい? それとも南アフリカの魅力的な大地のおかげ!?

 普通の食事量ではアスリートにとっては不足しがちなたんぱく質。糖質は割と目で見て分かり易いのですが、運動量が多い日は、特にたんぱく質にフォーカスしなければと再認識しました。もちろんビタミンや鉄分などのバランスも重要ですが。体重と一緒に必要な筋肉まで落ちてしまっては元も子もありませんね。

 そんななか、一つの変化が。祐樹さんの顔が若返っているような? SNSにアップした写真にもそんなコメントがつきました。肌も油っぽくなくなり、かといって乾燥しているわけでもなく艶やかになっていました。

順位アップも…世界の壁はやはり厚い!

 MTBマラソン世界選手権は51位という結果でした。昨年の87位と比較すれば、順位は上がっていますが、世界の壁はやはり厚い。池田祐樹選手の、そして私の食に関する成長と挑戦はまだまだ続きます。

ゴールは目前。世界中の国旗が並ぶゴールは目前。世界中の国旗が並ぶ
開会式では各国の選手が順番に登壇開会式では各国の選手が順番に登壇
迫力あるアフリカンダンスが開会式で披露され会場が盛り上がった迫力あるアフリカンダンスが開会式で披露され会場が盛り上がった
レースにて。フィードを行う私とドリンク&ジェルを受け取る祐樹さんレースにて。フィードを行う私とドリンク&ジェルを受け取る祐樹さん

 レースを終えて南アフリカから飛んだのは、春の遠征から約3カ月ぶりとなるアメリカです。プラントベースをスタートして約6週間。滞在先のコロラド州ブリッケンリッジは標高約3000m。身体の変化、パフォーマンスへの影響は? アメリカで出会った新たな食材とは? 血管を強くする食材が意外なところに! お楽しみに!

池田清子池田清子(いけだ・さやこ)

アスリートフード研究家。モデル事務所でのマネージャー経験を生かし2013年夏よりトピーク・エルゴンレーシングチームUSA所属ライダー、池田祐樹選手のマネージメントを開始、同秋結婚。平行して「アスリートフードマイスター」の資格を取得。アスリートのパフォーマンス向上や減量など、目的に合わせたメニューを日々研究している。ブログ「Sayako’s kitchen」にて情報配信中。

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