ポルトガルの自転車専門誌編集長が特別寄稿トレックの新型ロードバイク「エモンダ」の走りを体感 弾むように上る超軽量マシン
TREK(トレック)が7月1日に発表した超軽量ロードバイク「Émonda」(エモンダ)。記者は、そのワールドプレミアとなる発表会に出席したものの、身長159cmに適したバイクの手配が難しく、翌日の試乗会でライドの機会を得られなかった。そこで、メディア仲間であるポルトガルの自転車専門誌「Bike Magazine」「Ciclismo a fundo」のカルロス・ピント(Carlos Pinto)編集長に試乗記の寄稿を依頼し、快く応じてもらった。以下、ピント編集長によるファースト・インプレッションをお届けする。(編集・柄沢亜希)



◇ ◇
上りで本領を発揮 高速巡航も得意
エモンダは、とても軽量で反応がいい。上り坂では特にその本領を発揮し、急勾配でも軽さやフレームの剛性ゆえ弾むように上ることができた。


エアロダイナミクスを目指したモデルでないにもかかわらず、驚くほどの高速巡航が可能だ。その上、鋭角コーナーやスイッチバックでは滑らかに曲がることができた。
エモンダの「E2ジオメトリー」は個々のライダーに適した乗り心地を提供するため、イギリス・ヨークシャー地方の厳しくも美しい道を楽しみながら走ることができた。
特に気に入った新型ブレーキ

特に気に入ったのは、ボントレガーの新型ブレーキのパワーだ。優れた制動力を持つだけではなく、微妙な速度調整にも効果的。実際、ライド中、リーズからハロゲートへの下りで時速100kmに達した場面もあったのだが、もしブレーキを信頼していなかったらここまでのトップスピードは出せなかったはずだ。

一方で、個人的には、新しくなったハンドルバーとステムのセットはあまり歓迎できなかった――身長192cmの筆者のように大きな手のライダーにとってスリムすぎるからだ。ライド時のバーテープがとても薄手だったということもあるかもしれないが…。


エモンダは快適性を追求したバイクというよりも、ヒルクライマー向き。軽さでエモンダにはかなわないものの、トレックにはもっと快適な「ドマーネ」というバイクがあることを追記しておく。
<取材協力 トレック・ジャパン>