ツール・ド・フランス2014 第3ステージキッテルが「パーフェクト」なスプリントで今大会2勝目 大観衆のロンドンを魅了

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 ツール・ド・フランスは第3ステージが7月7日に行われ、スプリントを制したマルセル・キッテル(ドイツ、チーム ジャイアント・シマノ)が今大会2勝目を挙げた。総合首位の証、マイヨジョーヌはヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム)がキープ。スプリンターのブライアン・コカール(フランス、チーム ヨーロッパカー)をアシストした新城幸也は38秒遅れの97位でゴールした。ツールはイギリスでの3日間を終えフランスへと渡る。

ロンドンの時計台、ビッグベン横を通過するプロトン(砂田弓弦撮影)ロンドンの時計台、ビッグベン横を通過するプロトン(砂田弓弦撮影)

 イギリスでの最終日はケンブリッジから首都ロンドンへ向かう155kmの平坦ステージ。カテゴリー山岳がないスプリンター向けのコースで、ゴール地点は2012年ロンドン五輪と同じく、バッキンガム宮殿とトラファルガー広場とを結ぶ道路「The Mall(ザ・マル)」に設定された。

 レースが本格スタートした直後、最初にアタックしたヤン・バルタ(チェコ、チーム ネットアップ・エンデューラ)、ジャンマルク・ビドー(フランス、ブルターニュ・セシェ アンヴィロヌマン)の2人が逃げに成功。メーン集団はマイヨジョーヌのニバリを擁するアスタナ プロチームを中心に、スプリンターで勝利を狙うロット・ベリソルやチーム ジャイアント・シマノがコントロールした。

マイヨジョーヌを着て走るヴィンチェンツォ・ニバリ(砂田弓弦撮影)マイヨジョーヌを着て走るヴィンチェンツォ・ニバリ(砂田弓弦撮影)
逃げたジャンマルク・ビドー(手前)とヤン・バルタ(砂田弓弦撮影)逃げたジャンマルク・ビドー(手前)とヤン・バルタ(砂田弓弦撮影)

 スタートから108kmの中間スプリント地点では、ポイント賞を争う選手たちがメーン集団での先頭通過を争った。トレインを組んだのは、ポイント賞争い首位のペテル・サガン(スロバキア)のリードを広げたいキャノンデールと、同2位につけるコカールのチーム ヨーロッパカー。チーム ヨーロッパカーは新城幸也らが牽引し、巧みなスプリントを見せたコカールがサガンを抑え集団先頭を取った。

 この争いのなかには第1ステージではポイント獲得に積極的だったアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)の姿はなく、ステージ優勝に狙いを定めたようだ。トップスプリンターのマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ)も第2ステージ開始前にリタイアしており、マイヨヴェールを争う選手は早くも絞られてきている。

沿道には驚くほど多くの観客が集まった(砂田弓弦撮影)沿道には驚くほど多くの観客が集まった(砂田弓弦撮影)

 先行する2人は、コースのほとんどに及ぶ150km近くを逃げ続けたが、ビドーが先に脱落し、バルタも残り6kmで吸収された。ここからはスプリント勝負を狙うチームと総合エースを守るチームが集団前方で位置取り。沿道に詰めかけたロンドンの大観衆からは、絶え間ない歓声がプロトンに注がれた。

 この主導権争いで、ジャイアント・シマノが圧倒的な強さを見せた。残り3.5kmからは他チームにほとんど先頭を譲らず有利に展開。ザ・マルのストレートに突入すると、万全のリードアウトからキッテルがスプリントを開始。誰も寄せ付けないスピードで今大会2勝目を飾った。

今大会2勝目を挙げたマルセル・キッテル(砂田弓弦撮影)今大会2勝目を挙げたマルセル・キッテル(砂田弓弦撮影)

 会心の勝利を飾ったキッテルはレース後、「パーフェクトなタイミングをひたすら待って飛び出した」とコメント。ステージ4勝を挙げた昨年のツールも含め、この日が「一番よくできたスプリント」と振り返った。また、ロンドンでのゴールについては「すごかった。誰もが僕らを見ていて(ツール最終日の)パリ・シャンゼリゼのようだった」とコメント。今後のステージについても「チームのモチベーションは高い」と意気込みを見せた。

ビッグベンの前で、選手に大歓声を送る観客たち(柄沢亜希撮影)ビッグベンの前で、選手に大歓声を送る観客たち(柄沢亜希撮影)

 2位以下はサガン、マーク・レンショー(オーストラリア、オメガファルマ・クイックステップ)、コカールと続いた。ニバリはタイム差なしでゴール。一方、集団が分断されたことでピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー)、フランク・シュレク(ルクセンブルク、トレック ファクトリーレーシング)ら一部チームの総合エースが1分5秒のタイムを失った。

 ツールの一行は大観衆の熱狂に包まれたイギリスを離れ、フランスの北岸へと移動する。翌日の第4ステージは、ル・トゥケ=パリ=プラージュからリール・メトロポールまでの163.5kmで行われる平坦ステージ。フランス本国へ戻る最初のステージながら、一部でベルギー国内を通過するコースだ。

(文 平澤尚威/写真 砂田弓弦、柄沢亜希)

第3ステージ結果
1 マルセル・キッテル(ドイツ、チーム ジャイアント・シマノ) 3時間38分30秒
2 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール) +0秒
3 マーク・レンショー(オーストラリア、オメガファルマ・クイックステップ) +0秒
4 ブライアン・コカール(フランス、チーム ヨーロッパカー) +0秒
5 アレクサンドル・クリツォフ(ノルウェー、チーム カチューシャ) +0秒
6 ダニー・ファンポッペル(オランダ、トレック ファクトリーレーシング) +0秒
7 ハインリッヒ・ハウスラー(オーストラリア、イアム サイクリング) +0秒
8 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター チーム) +0秒
9 ロマン・フェイユー(フランス、ブルターニュ・セシェ アンヴィロヌマン) +0秒
10 ダニエル・オス(フランス、BMC レーシングチーム) +0秒
97 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +38秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) 13時間31分13秒
2 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール) +2秒
3 ミヒャエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ) +2秒
4 グレッヒ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMC レーシングチーム) +2秒
5 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) +2秒
6 バウケ・モレマ(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム)+2秒
7 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) +2秒
8 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +2秒
9 ユルヘン・ヴァンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル) +2秒
10 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +2秒
74 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +7分43秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール) 117pts
2 マルセル・キッテル(ドイツ、チーム ジャイアント・シマノ) 90pts
3 ブライアン・コカール(フランス、チーム ヨーロッパカー) 88pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1シリル・ルモワーヌ(フランス、コフィディス ソリュシオンクレディ) 6pts
2 ブレル・カドリ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) 5pts
3 イェンス・フォイクト(ドイツ、トレック ファクトリーレーシング) 4pts

新人賞(マイヨブラン)
1 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール) 13時間31分15秒
2 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +0秒
3 ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ) +0秒

チーム総合
1 チーム スカイ 40時間33分45秒
2 アスタナ プロチーム +12秒
3 BMC レーシングチーム +14秒

敢闘賞
ヤン・バルタ(チェコ、チーム ネットアップ・エンデューラ)

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