ツール・ド・フランス2014 第2ステージニバリがラスト2kmを独走し念願のツール初勝利 マイヨジョーヌも獲得

  • 一覧

 ツール・ド・フランス第2ステージが7月6日、イギリスのヨークからシェフィールドまでの201kmで行われ、総合優勝候補の一角と目されるヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム)がラスト2kmから独走を決め、ツールでは自身初となるステージ優勝を挙げてマイヨジョーヌを獲得した。日本の新城幸也(チーム ヨーロッパカー)は終盤までエースをアシストし7分5秒遅れの75位でゴールしている。

第2ステージを制したヴィンチェンツォ・ニバリ(砂田弓弦撮影)第2ステージを制したヴィンチェンツォ・ニバリ(砂田弓弦撮影)
マイヨジョーヌを着てスタートに立つマルセル・キッテル(砂田弓弦撮影)マイヨジョーヌを着てスタートに立つマルセル・キッテル(砂田弓弦撮影)

 9つのカテゴリー山岳が設定された中級山岳ステージ。アップダウンが絶えず繰り返され、勾配の厳しい石畳の坂も登場するトリッキーなコースだ。ピュアスプリンターのマルセル・キッテル(ドイツ、チーム ジャイアント・シマノ)はマイヨジョーヌを手放す覚悟ができているようでリラックスムード。ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール)のように上り坂もこなせるスプリンターや、厳しいコースのワンデーレースを得意とするクラシックレーサーが有利と見られていた。

 スタート直後にアタックが決まり、7人が逃げに乗った。全員に山岳賞獲得のチャンスがあるなか、シリル・ルモワーヌ(フランス、コフィディス ソリュシオンクレディ)が6ポイントを稼ぎ、この日のレース終了時点で山岳賞リーダーに立った。

7人のエスケープグループ(砂田弓弦撮影)7人のエスケープグループ(砂田弓弦撮影)

 沿道には前日と同じように大観衆が詰めかけ、大きく身を乗り出した観客が選手とぶつかる場面も見られた。カテゴリー山岳には観客が集中し、道幅が狭くなったことで集団では落車が続出した。

 この日カテゴリーが最も高い2級山岳で、逃げ集団のルモワーヌらがメーン集団に吸収されるなかブレル・カドリ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル)が粘り強く逃げ続けた。カドリはメーン集団から飛び出したトマ・ヴォクレール(フランス、チーム ヨーロッパカー)らの追走を受けるも、これを振り切り山頂をトップ通過。その後も25kmほど単独で逃げ、敢闘賞を獲得した。

ブレル・カドリ(左)とトマ・ヴォクレールの争い(砂田弓弦撮影)ブレル・カドリ(左)とトマ・ヴォクレールの争い(砂田弓弦撮影)

 残り20km、8つ目の山岳で新城がエースのピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー)を引き連れて集団前方に姿を見せた。このアシストを受けたローランは、山頂をトップ通過するとそのままアタック。ステージ優勝とマイヨジョーヌを目指し積極的に逃げ切りを図ったが、サガンの勝利を狙うキャノンデールの引きによって吸収された。

勾配の厳しい石畳の坂区間。クラシックレースのような厳しいコースだ(柄沢亜希撮影)勾配の厳しい石畳の坂区間。クラシックレースのような厳しいコースだ(柄沢亜希撮影)

 最後の上りは残り5km地点を頂上とする4級山岳で、登坂距離800mながら勾配は平均10%超。アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)が自ら先頭を引き、さらにライバルの調子をうかがうようにアタックを繰り出した。これにクリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)がカウンターアタックで応戦。総合優勝候補“2強”の走りでペースが上がり、集団は20人ほどに絞られた。

 山岳を下り終えると、残るは平坦路。こうなるとスプリント力があるサガンやグレッヒ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMC レーシングチーム)が有利。サガンを軸にアタック合戦が繰り広げられた。しかし残り2kmで一気に飛び出したのはニバリ。サガンが他の選手のアタックをつぶして一呼吸置いたタイミングを見計らったかのようなアタックで、ニバリの動きには誰も反応できなかった。

 ニバリに独走状態に持ち込まれた集団は一時、牽制状態に。残り1kmからようやく追い上げるも、すでに大きな差がついていた。ニバリは後方を振り返って逃げ切りを確信すると、胸に大きく描かれたトリコロールを誇らしげに指差しながら、待望のツール初勝利を飾った。集団に2秒の差をつけ、こちらも自身初となるマイヨジョーヌを獲得した。

ステージ優勝を挙げ、初めてマイヨジョーヌに袖を通したヴィンチェンツォ・ニバリ(砂田弓弦撮影)ステージ優勝を挙げ、初めてマイヨジョーヌに袖を通したヴィンチェンツォ・ニバリ(砂田弓弦撮影)

 ニバリは今年のツール出場を早くから宣言していたが、今シーズンは成績が振るわない状況が続いていた。しかし6月28日にイタリア選手権を制し、ツール本番でも早々に結果を残したことで、不安やプレッシャーは払拭されただろう。第2ステージにして手にしたマイヨジョーヌをどこまで守れるのか、今後のステージに注目だ。

(文 平澤尚威/写真 砂田弓弦、柄沢亜希)

第2ステージ結果
1 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) 5時間8分36秒
2 グレッヒ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMC レーシングチーム) +2秒
3 ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ) +2秒
4 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール) +2秒
5 トニー・ガロパン(フランス、ロット・ベリソル) +2秒
6 ミヒャエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ) +2秒
7 アンドルー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ) +2秒
8 バウケ・モレマ(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +2秒
9 ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMC レーシングチーム) +2秒
10 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +2秒
75 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +7分5秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) 9時間56分26秒
2 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール) +2秒
3 グレッヒ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMC レーシングチーム) +2秒
4 ミヒャエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ) +2秒
5 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) +2秒
6 バウケ・モレマ(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム)+2秒
7 ユルヘン・ヴァンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル) +2秒
8 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) +2秒
9 ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMC レーシングチーム) +2秒
10 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム) +2秒
75 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +7分5秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール) 69pts
2 ブライアン・コカール(フランス、チーム ヨーロッパカー) 47pts
3 マルセル・キッテル(ドイツ、チーム ジャイアント・シマノ) 45pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1シリル・ルモワーヌ(フランス、コフィディス ソリュシオンクレディ) 6pts
2 ブレル・カドリ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) 5pts
3 イェンス・フォイクト(ドイツ、トレック ファクトリーレーシング) 4pts

新人賞(マイヨブラン)
1 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール) 9時間52分45秒
2 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +0秒
3 ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ) +0秒

チーム総合
1 チーム スカイ 29時間38分15秒
2 アスタナ プロチーム +12秒
3 BMC レーシングチーム +14秒

敢闘賞
ブレル・カドリ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル)

この記事のコメント

利用規約順守の上ご投稿ください。

関連記事

この記事のタグ

ツール・ド・フランス2014 ツール2014・レース詳報

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載