ツール・ド・フランス2014 第1ステージキッテルが混戦のスプリント制しマイヨジョーヌ獲得 カヴェンディッシュはゴール手前で無念の落車

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 第101回ツール・ド・フランスが7月5日、英国ヨークシャー地方のリーズで開幕した。第1ステージはマルセル・キッテル(ドイツ、チーム ジャイアント・シマノ)が混戦となったスプリント勝負を制してマイヨジョーヌを獲得した。母国開催で勝利を期待されたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ)は、ゴール200m手前で落車。日本人として唯一出場の新城幸也(チーム ヨーロッパカー)は90位でゴールしている。

第1ステージを制したマルセル・キッテル(砂田弓弦撮影)第1ステージを制したマルセル・キッテル(砂田弓弦撮影)
「がんばります」とスタートラインへ向かう新城幸也(柄沢亜希撮影)「がんばります」とスタートラインへ向かう新城幸也(柄沢亜希撮影)

 リーズからハロゲートまでの190kmで行われた平坦ステージは、17kmのパレード走行でスタートした。向かったのはイギリス王家に縁ある大邸宅、ヘアウッドハウス。そこでは英国のウィリアム王子とその妻、キャサリン妃がプロトン(集団)を待っていた。選手たちは足を止め、ヘルメットを外してオープニングセレモニーに参列。クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)らイギリスの中心選手や、アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)らスター選手たちはウィリアム王子とキャサリン妃と言葉を交わし歓迎を受けた。

 セレモニーを終えたプロトンは0km地点へ向けて再びパレード。先頭では総合優勝候補のフルームとコンタドールが談笑する場面も見られ、和やかなムードだ。

 0km地点でついにアクチュアルスタートが切られると、直後に3人がアタック。42歳で17回目のツール出場、今シーズン限りで引退を表明しているイェンス・フォイクト(ドイツ、トレック ファクトリーレーシング)、逃げでアピールしたいプロコンチネンタルチームのニコラ・エデ(フランス、コフィディス ソリュシオンクレディ)、ブノワ・ジャリエ(フランス、ブルターニュ・セシェ アンヴィロヌマン)によるファーストアタックがあっさりと決まった。

逃げ続けて山岳賞と敢闘賞を獲得したイェンス・フォイクト(砂田弓弦撮影)逃げ続けて山岳賞と敢闘賞を獲得したイェンス・フォイクト(砂田弓弦撮影)

 最初の山岳ポイントは68km地点で、3人での競り合いを制したジャリエが1位で4級山岳を通過した。続く77km地点の中間ポイントではフォイクトがアタックし、エデとジャリエはこれを容認。しかしこれが2人にとっては誤算だった。フォイクトは中間ポイント狙いと見せかけ、通過した後もスピードを緩めずにそのままエスケープ。遅れをとった2人は泡を食って追いかけるが、42歳の独走に追いつくことはできなかった。

 メーン集団ではポイント賞ジャージのマイヨヴェール獲得を狙うスプリンターたちが着順を競い、ブライアン・コカール(フランス、チーム ヨーロッパカー)、アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)、ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール)、カヴェンディッシュの順に通過した。

 この後に登場した2つの3級山岳は、多くのファンが詰め掛けまるで超級山岳のような盛り上がりを見せた。

沿道に集まった大勢の観客(砂田弓弦撮影)沿道に集まった大勢の観客(砂田弓弦撮影)

 フォイクトはこの2つを1位通過して山岳賞と敢闘賞を手中に収め、残り60kmでメーン集団に吸収された。ここからはゴールに向けロット・ベリソルが主に集団をコントロールし、総合系のチームも危険回避のために集団前方に集まった。

 オメガファルマ・クイックステップ、チーム ジャイアント・シマノ、コフィディス ソリュシオンクレディなどのトレインが主導権争いを続ける中、コースは残り2kmから上り基調へ。ここでファビアン・カンチェッラーラ(スイス、トレック ファクトリーレーシング)が単騎で勝負に出た。上りでアタックを仕掛けると、集団を引き離しロングスパート。残り350mからスプリントを開始した。

ゴール前で落車したマーク・カヴェンディッシュ。右腕をかばいながらゴール(砂田弓弦撮影)ゴール前で落車したマーク・カヴェンディッシュ。右腕をかばいながらゴール(砂田弓弦撮影)

 このアタックを追うため、集団は混戦状態に陥った。オメガファルマ・クイックステップトレインは力尽き、ジャイアント・シマノが3人で追撃態勢に。スプリントに備えるキッテルに先んじようと、サガン、カヴェンディッシュ、サイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)が加速。位置取りのため体をぶつけ合いながら競り合っていたカヴェンディッシュとサイモン・ゲランスは、バイクがもつれて落車。「母国でマイヨジョーヌ着用」というイギリス国民の期待を背負ったカヴェンディッシュの夢はここで終わった。

 キッテルとサガン、コカール、ラムーナス・ナヴァルダウスカス(リトアニア、ガーミン・シャープ)の4人がこのアクシデントをすり抜け、カンチェッラーラをかわしてスプリントへ。この勝負をスプリント力に勝るキッテルが制圧した。スプリンターチームのエースとしての使命を成し遂げたキッテルは、涙を流しながらチームメートと抱き合い喜びを分かち合った。

チームメートと抱き合って喜ぶマルセル・キッテル(柄沢亜希撮影)チームメートと抱き合って喜ぶマルセル・キッテル(柄沢亜希撮影)
キャサリン妃からマイヨ・ジョーヌを授与されたマルセル・キッテル(砂田弓弦撮影)キャサリン妃からマイヨ・ジョーヌを授与されたマルセル・キッテル(砂田弓弦撮影)

 キッテルは2年連続で初日にステージ優勝を挙げてマイヨジョーヌを獲得。表彰式ではキャサリン妃からマイヨジョーヌを授与された。

 キッテルはレースを振り返って「クラッシュがなければカベンディッシュが優勝していただろう。ぼくらはラッキーだった。きょうはスプリンターにとっていいステージだったと思う。速すぎるということもなかった」とコメントした。

 カヴェンディッシュは落車のあとは右肩のあたりを押さえて仰向けに倒れ込んだ。3分ほど経ってなんとかバイクに乗ると、右腕を動かさないようにゆっくりと、観衆の拍手と声援に包まれながらゴールした。ゲランスも2分ほど遅れてゴールしており、いずれも救済措置によりタイム差はついていない。

 新城幸也はタイム差なしの90位でゴール。エーススプリンターであるコカールの位置取りのために働き、アシストとしての役目を果たした。

(文 平澤尚威/写真 砂田弓弦・柄沢亜希)

第1ステージ結果
1 マルセル・キッテル(ドイツ、チーム ジャイアント・シマノ) 4時間44分7秒
2 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール) +0秒
3 ラムーナス・ナヴァルダウスカス(リトアニア、ガーミン・シャープ) +0秒
4 ブライアン・コカール(フランス、チーム ヨーロッパカー) +0秒
5 マイケル・ロジャース(オーストラリア、ティンコフ・サクソ) +0秒
6 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) +0秒
7 アレクサンドル・クリツォフ(ノルウェー、チーム カチューシャ) +0秒
8 セップ・ヴァンマルク(ベルギー、ベルキン プロサイクリングチーム) +0秒
9 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター チーム) +0秒
10 ミヒャエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ) +0秒
90 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +0秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 マルセル・キッテル(ドイツ、チーム ジャイアント・シマノ) 4時間44分7秒
2 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール) +0秒
3 ラムーナス・ナヴァルダウスカス(リトアニア、ガーミン・シャープ) +0秒
4 ブライアン・コカール(フランス、チーム ヨーロッパカー) +0秒
5 マイケル・ロジャース(オーストラリア、ティンコフ・サクソ) +0秒
6 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) +0秒
7 アレクサンドル・クリツォフ(ノルウェー、チーム カチューシャ) +0秒
8 セップ・ヴァンマルク(ベルギー、ベルキン プロサイクリングチーム) +0秒
9 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター チーム) +0秒
10 ミヒャエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ) +0秒
90 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +0秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 マルセル・キッテル(ドイツ、チーム ジャイアント・シマノ) 45pts
2 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール) 45pts
3 ブライアン・コカール(フランス、チーム ヨーロッパカー) 39pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 イェンス・フォイクト(ドイツ、トレック ファクトリーレーシング) 4pts
2 ブノワ・ジャリエ(フランス、ブルターニュ・セシェ アンヴィロヌマン) 1pts
3 ニコラ・エデ(フランス、コフィディス ソリュシオンクレディ) 1pts

新人賞(マイヨブラン)
1 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール) 4時間44分7秒
2 ブライアン・コカール(フランス、チーム ヨーロッパカー) +0秒
3 アントニー・ドゥラプラス(フランス、ブルターニュ・セシェ アンヴィロヌマン) +0秒

チーム総合
1 チーム スカイ 14時間12分21秒
2 チーム ネットアップ・エンデューラ +0秒
3 ベルキン プロサイクリングチーム +0秒

敢闘賞
イェンス・フォイクト(ドイツ、トレック ファクトリーレーシング)

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