ツール・ド・フランス2014チームプレゼンテーションに1万人が喝采 全22チーム198人が登場、“地元” スカイに大歓声

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 第101回ツール・ド・フランスのチームプレゼンテーションが7月3日、今大会の開幕地であるイングランド・ヨークシャー地方のリーズで開催された。出場する全22チーム198人が紹介され、ディフェンディングチャンピオンのクリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)ら注目選手が今大会の目標や意気込みを語った。会場となったリーズアリーナに訪れた1万人の観客も大いに盛り上がり、ツールに臨む選手たちに声援を送った。

入場とともに大きな歓声を受けたクリストファー・フルーム(AP)入場とともに大きな歓声を受けたクリストファー・フルーム(AP)
1万人の観客が詰めかけたリーズ・アリーナ(柄沢亜希撮影)1万人の観客が詰めかけたリーズ・アリーナ(柄沢亜希撮影)
会場の外でも選手たちを見ることができた(柄沢亜希撮影)会場の外でも選手たちを見ることができた(柄沢亜希撮影)
会場へ向かう選手らに、沿道からは歓声と拍手が送られていた(柄沢亜希撮影)会場へ向かう選手らに、沿道からは歓声と拍手が送られていた(柄沢亜希撮影)

イギリスのファンはコンタドールを警戒?

 チーム紹介はチーム カチューシャからスタート。注目は昨年総合3位のホアキン・ロドリゲス(スペイン)だ。ロドリゲスは今年のジロ・デ・イタリアで落車によりリタイア。けがから回復して臨むツールでは「総合よりも山岳ステージでの勝利、山岳賞を狙う」という。

優勝候補の1人、アルベルト・コンタドールが入場(ロイター)優勝候補の1人、アルベルト・コンタドールが入場(ロイター)

 フルームの最大のライバルであるアルベルト・コンタドール(スペイン)擁するティンコフ・サクソが登場すると、歓声と拍手のなかにわずかにブーイングが混じった。イギリスのファンがコンタドールに脅威を感じているからだろうか。

 インタビュアーから「あなたの大会になるのではないですか?」と質問されたコンタドールは「そうだといいけれど、フルームがいるからね。でも自分もコンディションがいいし、とてもハードにトレーニングを積んできた」と、控えめながらも好調さをアピールした。

紹介を受けるティンコフ・サクソの選手たち(ロイター)紹介を受けるティンコフ・サクソの選手たち(ロイター)

 トレック ファクトリーレーシングは、総合エースのフランク・シュレク(ルクセンブルク)、パヴェ(石畳)の第5ステージでの活躍が期待されるファビアン・カンチェッラーラ(スイス)、17回目の出場となる42歳のイェンス・フォイクト(ドイツ)らが注目選手。カンチェッラーラはイギリスで行われる3ステージに言及し「イギリスで走れる3日間を楽しみにしている。コースプロフィールを見ただけではわからないと思うけれど、厳しいコースだ」と話した。

カヴェンディッシュにとって「最高の開幕地」

 ランプレ・メリダは、世界チャンピオンのジャージ「マイヨアルカンシェル」を着るルイ・コスタ(ポルトガル)と、最年長で2013年のブエルタ・ア・エスパーニャを制したクリストファー・ホーナー(アメリカ)という2人の”王者”を擁する。総合エースを務めるコスタは「このジャージで勝利することは何にも代えがたいこと。総合優勝を狙ううえでは、トリッキーな第1週で気を抜いてはいけない」とコメント。「スタートに立ててうれしい」と言うホーナーがアシストとしてコスタを支える。

イギリスのファンの歓声に応えるマーク・カヴェンディッシュ(ロイター)イギリスのファンの歓声に応えるマーク・カヴェンディッシュ(ロイター)

 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス)擁するオメガファルマ・クイックステップはイギリスでも人気のチームだ。TTスペシャリストのトニー・マルティン(ドイツ)は、第20ステージまでTTがないことについて「それまではカヴェンディッシュをアシストするよ」と語り、ファンから喝采を浴びた。

 カヴェンディッシュは英国開催について「事前に下見に来たときから声援を受けていた。自分にとって最高の開幕地だよ」と語って会場を沸かせた。第1ステージでマイヨジョーヌ獲得のチャンスがあることについては、「もちろん勝ちを狙っていく。サポートしてくれるのは世界最強チームの1つだからね」とアピールした。

大観衆の盛り上がりで“ロックスター気分”に

チーム ヨーロッパカーの中心選手、トマ・ヴォクレール(右)が観客にアピール(飯島美和撮影​)チーム ヨーロッパカーの中心選手、トマ・ヴォクレール(右)が観客にアピール(飯島美和撮影 )

 チーム ヨーロッパカーは、8人のフランス人に新城幸也を加えた編成で登場。トマ・ヴォクレールは総合首位の証であるマイヨジョーヌに初めて袖を通した2004年大会の話題を振られ「昔のことだからあまり覚えていないけれど、当時のような活躍をしたいね」とコメント。彼の個性的なキャラクターはイギリスでも愛されているようで、会場から大きな声援が送られた。

 新城の広報担当を務める飯島美和さんが配信する「Teamユキヤ通信」によれば、新城は自身5回目となるツールのチームプレゼンテーションについて次のように感想を語った。

 「スタジアムの大観衆の盛り上がりを見て『あぁ、ツールが始まるなぁ』という気持ちになった。観客のノリがさすがイギリスという感じで、ロックスターになった気分(笑)」

舞台から笑顔で手を振る新城幸也(飯島美和撮影)舞台から笑顔で手を振る新城幸也(飯島美和撮影)

「マイヨヴェールをもう1枚持ち帰りたい」

 ロット・ベリソルの総合リーダー、ユルヘン・ヴァンデンブロック(ベルギー)は「ポディウム(表彰台)を狙っていく」と宣言。2011年ブエルタからの9大会連続グランツール完走がかかったアダム・ハンセン(オーストラリア)は、その驚異的な体力やスタミナの秘訣について「拷問に強い体なんだろうね」と、“鉄人”ならではの答えで笑いを誘った。エーススプリンターのアンドレ・グライペル(ドイツ)は「パリまで辿り付けるかが心配だよ」とおどけながらも、名だたるスプリンターと繰り広げる勝負を楽しみにしているようだ。

 チーム ジャイアント・シマノはマルセル・キッテル(ドイツ)がエースを務め、ジョン・デゲンコルプ(同)は主にアシストに回る。昨年4勝を挙げたスプリンターのキッテルは「調子はすごくいい」と話し、デゲンコルプは「チャンスがあれば、小集団でのスプリントでステージ優勝を狙いたい」と語った。さらに中国人としてツール・ド・フランス初出場、アジア人として初の3大ツール出場を果たすチェン・ジは「次の世代のアジア人選手に希望を与える走りをしたい」と語った。

 キャノンデールのエーススプリンター、ペテル・サガン(スロバキア)は入場すると、前輪を軸に180°ターンを決め、サングラスを客席に投げ入れるなど派手なパフォーマンスを披露。3年連続となるポイント賞獲得を目標に据えており「マイヨヴェールをもう1枚持ち帰りたいね」とコメントした。さらにアメリカンコミック「X-MEN」のキャラクター、ウルヴァリンがペイントされたスペシャルバイクを紹介した。髪型もウルヴァリン風にセットされていて、ファンサービスに余念がないサガンらしさを発揮した。

総合争いの本命たち

 ガーミン・シャープでは、ツール前哨戦のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネで総合優勝したアンドルー・タランスキー(アメリカ)が注目を集める存在だ。「フルームとコンタドールに勝てますか?」と聞かれると「ロードレースは何でも起こり得る。どんな結果が待っているかわからないよ」とはぐらかすように回答。総合優勝を視野に入れつつ、「総合5位以内には入って、できれば9人全員で完走したい」と具体的な目標も語った。

会場へと向かうヴィンチェンツォ・ニバリ。イタリアチャンピオンジャージが目を引く(砂田弓弦撮影)会場へと向かうヴィンチェンツォ・ニバリ。イタリアチャンピオンジャージが目を引く(砂田弓弦撮影)

 アスタナ プロチームは昨年のジロ王者、ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア)が総合優勝争いに絡めるかどうかが注目される。今シーズンは好調とはいえない結果が続いたが、6月28日のイタリア選手権でようやく勝利を挙げ、この日はイタリアチャンピオンジャージで登場した。「今シーズンはツールに集中し、各ステージを入念に研究してきた。上りでも下りでも、皆さんを驚かせるような走りを披露するので期待していて欲しい」と決意を表明した。

 モビスター チームはアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)の単独エース体制。「34歳になったけれど、今までにないコンディションで迎えることができた」と好調さをアピールした。「山岳が多く、あなた向きですね」とマイクを向けられると、「僕のために作られたツールかもしれない」と答え、総合優勝への意欲を見せた。

最高のパフォーマンスを約束

 最後はチーム スカイが登場。前回の総合優勝者フルーム擁するイギリス籍のチームがスタンディングオベーションで迎えられた。春のクラシックレースでエースを務めることもあるゲラント・トーマス(イギリス)は、パヴェステージについて「フルームを前の方で安全に走らせることが重要だ」とアシストに回ると答えた。

プレゼンテーションで最も注目を集めたチーム スカイ(ロイター)プレゼンテーションで最も注目を集めたチーム スカイ(ロイター)

 インタビュアーから「7月27日にパリでマイヨジョーヌを着るあなたの姿を見られますか?」と問いかけられたフルームは、「チームには最高メンバーがそろっているので、最高のパフォーマンスを約束する」と誓い、プレゼンテーションを締めくくった。

 全22チームが紹介される間には2度のブレイクがはさまれ、ヨークシャー出身のシンガーソングライター、アリスター・グリフィンさんがグランデパール公式ソング「The Road」を披露した。ほかにも、出演者が自転車と全身に電飾を施した幻想的なパフォーマンスなどがプレゼンテーションを彩った。

(文 平澤尚威)

会場の外でガンのチャリティーを案内する女性たち(柄沢亜希撮影)会場の外でガンのチャリティーを案内する女性たち(柄沢亜希撮影)
マーク・カヴェンディッシュとブラッドリー・ウィギンスのお面をつけた男性たち(柄沢亜希撮影)マーク・カヴェンディッシュとブラッドリー・ウィギンスのお面をつけた男性たち(柄沢亜希撮影)

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