ツール開幕地で発表会を開催キャニオン「エアロードCF SLX」登場 モビスター、カチューシャがツール・ド・フランスへ投入

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 ドイツのバイクブランド「Canyon」(キャニオン)が7月3日、ツール・ド・フランスの開幕地となる英ヨークシャー地方のリーズで、新型エアロロードバイク「AEROAD(エアロード)CF SLX」のプレス発表会を開催した。5日に開幕するツールでは、キャニオンをチームバイクとするUCIプロチーム「モビスター チーム」と「チーム カチューシャ」が、このエアロードCF SLXを使用する。チームカラーをまとったバイクもお披露目された。また発表前夜のパーティーには、チーム カチューシャのホアキン・ロドリゲス(スペイン)が会場に姿を見せ、ジャーナリストらの質問に応じた。(リーズ 柄沢亜希)

「モビスター チーム」カラーのキャニオン エアロード CF SLX(柄沢亜希撮影)「モビスター チーム」カラーのキャニオン エアロード CF SLX(柄沢亜希撮影)

シンプルで質実剛健 キャニオンのアイデンティティーを凝縮

 2年以上の開発期間を経て発表されたエアロードCF SLX。名前の由来となっているエアロダイナミクスの追求は、さまざまなパーツの細部にまで試みられている。

風洞実験を行うキャニオンの開発スタッフ風洞実験を行うキャニオンの開発スタッフ
風洞実験でエアロ効果が検証されるエアロード CF SLX風洞実験でエアロ効果が検証されるエアロード CF SLX

 一方で、バイク全体ではシンプルな構造を意識し、剛性や重量、快適性などの面でも一切の妥協を許さなかったという。まさに、質実剛健なキャニオンらしいアイデンティティが凝縮された一品だ。さらにデザイン面では、優れたプロダクトデザインに贈られる国際的な権威「レッド・ドット・デザイン賞」の受賞を果たした。

キャニオン エアロード CF SLXキャニオン エアロード CF SLX
キャニオン エアロード CF SLXキャニオン エアロード CF SLX
キャニオン エアロード CF SLXのフレームキャニオン エアロード CF SLXのフレーム
シートチューブとシートステーの接合部分(柄沢亜希撮影)シートチューブとシートステーの接合部分(柄沢亜希撮影)

 スリムなトップチューブに対し、しっかりとした印象のダウンチューブは、BBまわりが特に頑丈につくられている。開発担当者が「靴で言えばヒールの役割」と表現したダウンチューブは、空力性能に影響をおよぼす部分であると同時にエアロードCF SLXの高剛性を担っている。

 空気抵抗を押さえるため、リアホイールに沿うようにデザインされたシートチューブは、チェーンステイ部分でそのデザインを完全に分断するように見える。その理由は「太いままシートポストに至ることは、デザイン面でも重量面でもプラスにならないから」という。

 2週間前に初めてエアロードCF SLXを受け取ったというロドリゲスは、「ヒルクライム時にダンシングを続けても揺るがず、乗りやすい。ツール・ド・フランスのあいだはこのバイクをずっと使う予定だ」と話した。

正式な発表会の前夜にお披露目に立ち会ったチーム カチューシャのホアキン・ロドリゲス(柄沢亜希撮影)正式な発表会の前夜にお披露目に立ち会ったチーム カチューシャのホアキン・ロドリゲス(柄沢亜希撮影)
「チーム カチューシャ」カラーのキャニオン エアロード CF SLX(柄沢亜希撮影)「チーム カチューシャ」カラーのキャニオン エアロード CF SLX(柄沢亜希撮影)
新しいエアロードCF SLXでトレーニングするホアキン・ロドリゲス ©Canyon Bicycles / Tino Pohlmann新しいエアロードCF SLXでトレーニングするホアキン・ロドリゲス ©Canyon Bicycles / Tino Pohlmann

 ※ホアキン・ロドリゲスは5月のジロ・デ・イタリアで落車した後、回復に努めてきた。専属マッサージャーのジェイミー・エルナンデス氏によると、ツール・ド・フランスに向けて「最高ではないが上々」というコンディション。ロドリゲス自身は、「あまり思うようにトレーニングをできていないので、ツールの最初の週はコンディションを整えるために使いたい」とコメントした。

新ハンドルバーを開発 ブレーキはダイレクトマウント方式

 エアロードCF SLXの開発にあたって特に注力されたパーツは、ハンドルバー「エアロコックピットCF」。空気抵抗を極限まで低減させるためにふさわしい表面加工、各種ケーブル配線方法、バーテープ位置の段差などが配慮されている。

ステムと一体成型されたハンドルバー「エアロコックピットCF」。ホアキン・ロドリゲスは、フラットな上面で腕を休められることがお気に入りという(柄沢亜希撮影)ステムと一体成型されたハンドルバー「エアロコックピットCF」。ホアキン・ロドリゲスは、フラットな上面で腕を休められることがお気に入りという(柄沢亜希撮影)

 ロドリゲスに使用感を聞いてみると、このハンドルバーが特に「お気に入り」で、「高速走行時に(バーテープより内側の)平らな面に腕を休めることができるんだ」と実際の使用方法も紹介してくれた。

ハンドルセット「エアロコックピットCF」をアッセンブルした状態ハンドルセット「エアロコックピットCF」をアッセンブルした状態
ケーブルの取り回しなど随所に工夫が施されているケーブルの取り回しなど随所に工夫が施されている
ステムをステアリングコラムに連結する部分は、気流を逃がす後端が平らに仕上げられている(柄沢亜希撮影)ステムをステアリングコラムに連結する部分は、気流を逃がす後端が平らに仕上げられている(柄沢亜希撮影)
キャニオン「エアロードCF SLX」の特徴的な空気の流れを示す開発担当者(柄沢亜希撮影)キャニオン「エアロードCF SLX」の特徴的な空気の流れを示す開発担当者(柄沢亜希撮影)

 ステムをステアリングコラムに連結する部分は、気流を逃がす後端が平らに仕上げられている。開発担当者は「この形状にはもっとも神経を使った。計算にパソコンを駆使しすぎて、CPUの放熱がひどかった」とエピソードを披露し、会場を沸かせていた。

 ブレーキには、前後ともにシマノのダイレクト・マウントブレーキを使用。リアブレーキの位置は、レース中に走り続ける選手のバイクに対し、メカニックがチームカーから整備作業をしやすいよう、BB周りではなくチェーンステイ裏に装着されている。

フォークにダイレクトマウントされるフロントブレーキフォークにダイレクトマウントされるフロントブレーキ
こちらはチーム カチューシャ仕様マシンのリアブレーキ。レースで走行中の整備も考慮し、BB周りではなくシートステーに装着されるこちらはチーム カチューシャ仕様マシンのリアブレーキ。レースで走行中の整備も考慮し、BB周りではなくシートステーに装着される

◇         ◇

 キャニオンのバイクはインターネットを通じた直売方式で世界各国へ展開している。日本で購入する場合、小売店を介さないことからアフターサービスに制約があり、ユーザー自身がメンテナンスやトラブル対処に積極的になる必要もあるだろう。

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