超軽量バイク「エモンダ」発表会で直撃石畳ステージを「狙う」とカンチェッラーラ TREKチームにツール開幕直前インタビュー

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 トレックがロードバイクの新たなラインナップ「Émonda」(エモンダ)のプレゼンテーションを世界のサイクル・ジャーナリストやディーラー向けに開催した7月2日、「ツール・ド・フランス」参戦を目前にしたUCIプロチーム「トレック ファクトリーレーシング」の選手らが会場に姿を見せた。世界最強レーサーの一人で、パヴェ(石畳)ステージでの走りが注目されるファビアン・カンチェッラーラ、42歳の大ベテランで今季限りの引退を表明しているイェンス・フォイクト、さらにチームのリエゾン(広報担当)、アンドリュー・ロッシュさんに話を聞いた。(英ハロゲート 柄沢亜希)

自らのスマートフォンに収める写真のために、人差し指で「エモンダSLR」を持ってみせるファビアン・カンチェッラーラ(柄沢亜希撮影)自らのスマートフォンに収める写真のために、人差し指で「エモンダSLR」を持ってみせるファビアン・カンチェッラーラ(柄沢亜希撮影)

「僕がホビーライダーならエモンダSLRを選ぶね」

 パヴェが登場する7月9日の第5ステージに、カンチェッラーラはどのように臨むのか?

パヴェ(石畳)のステージを「狙う」と宣言したファビアン・カンチェッラーラ(柄沢亜希撮影)パヴェ(石畳)のステージを「狙う」と宣言したファビアン・カンチェッラーラ(柄沢亜希撮影)

 「もちろん狙っていく。それは、たとえばクライマーが山岳ステージを狙っていくのと同じで、そういったチャンスはツールを走る選手に平等に訪れる」
 
当然のようにステージ優勝を狙うと宣言し、そしてこうおどけてみせた。

 「僕にとっては石畳よりも山岳のほうが大変だよ。得意分野は人それぞれだね」

 新たに登場した“超軽量バイク”エモンダSLRを、今年3月の時点ですでに試乗していたというカンチェッラーラは、「とてつもなく軽く、坂を上っていてバイクの存在すら忘れてしまうくらい。なんといっても愛用しているドマーネより400gも軽いんだよ(※)。これまでにないようなとてもいいバイク。それにハイエンド仕様でかっこいい」と高く評価した。

※エモンダをUCI規定の最低重量6.8kgにした場合


 「だけど基本的にはドマーネに乗っていく。エモンダSLRは、僕が得たい感覚より軽すぎてしまうんだ。どのバイクを選ぶかは選手次第だから。エモンダに乗らないということはないと思うけれど」

「エモンダ」の発表会場で、来場者と会話をしながらも高速でサインを書いていくファビアン・カンチェッラーラ(柄沢亜希撮影)「エモンダ」の発表会場で、来場者と会話をしながらも高速でサインを書いていくファビアン・カンチェッラーラ(柄沢亜希撮影)

 エモンダSLRを眺めながら「UCIルール(最低重量6.8kg)がなければ、僕が乗るバイクももっと軽くなる。また、家で(レースではなくサイクリング用に)4.65kgのバイクに乗ったら素晴らしいだろうね! みんな軽いバイクを夢見ているのだから…」と想いをはせるカンチェッラーラ。

 記者が「もしあなたがホビーライダーだったら?」と尋ねると、「もちろん4.65kgのを選ぶね!」とすかさず答えが返ってきた。

フランク・シュレクは「どんどん速くなっている」

 フランス語で「連結」といった意味を持つ「リエゾン」。ロードレースのチームにおいては、ファンなどに向けた広報活動を担当するスタッフを指す。ロッシュさんはツール・ド・フランスには初“参戦”となるが、これまで各国のレースに同行していてチームや選手の様子をよく把握している。

「エモンダ」の発表会場でサイン会に臨むトレック ファクトリーレーシングの選手ら(柄沢亜希撮影)「エモンダ」の発表会場でサイン会に臨むトレック ファクトリーレーシングの選手ら(柄沢亜希撮影)

 30人近いメンバーを擁するトレック ファクトリーレーシングは、年齢や国籍、得意とする走りもバラエティ豊か。今回のメンバー構成では、「アイマル・スベルディアとフランク・シュレクはクライマー、ダニー・ファンポッペルはスプリンター、そしてファビアンは石畳ステージで力を発揮する」と紹介してくれた。

フランク(左)、アンディのシュレク兄弟(柄沢亜希撮影)フランク(左)、アンディのシュレク兄弟(柄沢亜希撮影)

 ドーピング違反による出場停止が明けて、今年2月にオーストラリアで行なわれた「ツアー・ダウンアンダー」でレースに復帰したフランクのコンディションについて、ロッシュさんは、「復帰後、どんどん速くなっている。以前よりもレースに対して情熱的とさえ言える。ファンのためにもこれだけは言っておきたい。今回のツールでは総合で10位以内に入るだろうね」と話した。

 また、フランクの弟アンディについては、「2年前に骨盤の一部を骨折した後はコンディションがひどかったが、徐々に回復している。今回はフランクやアイマルのアシストとして活躍するはず」と期待した。

最後のツールに挑むフォイクト 「アドベンチャーが待ち受けている」

 カンチェッラーラに「チームのおじいちゃん」と紹介されて周囲を和ませていた42歳のベテランライダー、イェンス・フォイクトは、今季限りでの現役引退を表明している。フォイクトは、「『もし、いま18歳だったら、迷わずまた来年も走るのに』って考えは浮かんだよ。だけどそんなことはありえないんだ。今年で終わりにするよ」と記者にきっぱりと告げた。

展示されたフレームを見て「ピンキー、ピンキー!」とはしゃぐイェンス・フォイクト(柄沢亜希撮影)展示されたフレームを見て「ピンキー、ピンキー!」とはしゃぐイェンス・フォイクト(柄沢亜希撮影)

 ツール・ド・フランス参戦は今年で17回目。最後の参戦に思うところがあるかどうかを尋ねると、「メンバーに選ばれて嬉しい。チームが僕に期待していることがあるってことだから。16回の経験で、どれだけハードかってことをわかっているし、苦痛やストレスだけでなく危険にも巻き込まれるんだということを知っている。そしてまた、行く先にはアドベンチャーが待ち受けているってこともね!」と感慨深そうにコメントした。

 チームの戦略については「今週後半に行なわれるミーティングで見えてくると思う。ポッペルのスプリントなのか、フランクの総合狙いなのか、またそういったプランの走りに誰がぴったりなのかという内容がね」と説明。さらに、「チャンスがあれば1、2回は仕掛けてみようと思っているよ」と、自らもステージ優勝に挑戦する意気込みをみせた。

<取材協力・トレック・ジャパン>

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