title banner

“自転車革命都市”ロンドン便り<1>自転車大盛り上がり中のイギリスからこんにちは! 急激に花開いた自転車文化

by 青木陽子 / Yoko AOKI
  • 一覧

 ロンドンと聞いて日本のみなさんが思い浮かべるのは何でしょう。ビッグベン、赤ちゃんジョージがかわいい盛りのウィリアム王子&ケイト夫妻、それとも赤い2階建てバス? いま、そのイメージに付け加えてほしいのが、自転車なのです。15年前のロンドンは、都心のメッセンジャーをのぞけばほとんど自転車のいない街でした。英国は自転車後進国だったのです。

ヴィンテージ(風)の自転車にツイードなど昔風のファッションでキメてロンドン都心を練り走るイベント「ツイード・ラン」は今年も大好評のうちに終了したヴィンテージ(風)の自転車にツイードなど昔風のファッションでキメてロンドン都心を練り走るイベント「ツイード・ラン」は今年も大好評のうちに終了した

自転車ムードが最高潮のロンドン

もはや世界的になりつつある自転車カフェブームに火をつけた「Look Mum No Hands!」はいつ行っても混んでいる。少しエッジーなロンドンの雰囲気でおしゃれもはや世界的になりつつある自転車カフェブームに火をつけた「Look Mum No Hands!」はいつ行っても混んでいる。少しエッジーなロンドンの雰囲気でおしゃれ

 いまでは、ロンドンでは毎朝自転車渋滞ができるほどの状態に。雨後のタケノコのように自転車ショップが姿をあらわし、サイクルアパレルもレース用からタウンユースまでたくさんのブランドが誕生し頑張っています。

 また自転車ファンなら、ロンドンで人気の自転車カフェのことを聞いたことがある方もいるかもしれません。自転車がひとつのライフスタイルとして確立しつつあるのを感じます。

 もちろん公共自転車や市主催の大規模サイクリングイベント、そして本家ツイード・ランなどのイベントもますます人気です。そして2014年はふたたびイギリスに「ツール・ド・フランス」がやってくるということで、いまロンドンの自転車ムードは最高に高まっていると言ってもいい状態なのです。

2010年に登場した公共自転車は、1日2ポンド(およそ360円)で、都度30分以内に返却すれば終日乗り放題。ツール・ド・フランス来英記念の黄色いバイクも登場した2010年に登場した公共自転車は、1日2ポンド(およそ360円)で、都度30分以内に返却すれば終日乗り放題。ツール・ド・フランス来英記念の黄色いバイクも登場した
英国ではほぼ毎週、大小たくさんのブルベが開かれており、定員に達してしまうことはあまりないので気軽に参加できる。参加フィーも1000円程度と安いのが魅力英国ではほぼ毎週、大小たくさんのブルベが開かれており、定員に達してしまうことはあまりないので気軽に参加できる。参加フィーも1000円程度と安いのが魅力

自転車の急激な増加で、事故などの問題も

イギリスでよいことのひとつは、自転車の普及や安全を目指すNGOが活発なこと。死亡事故などがあるたび、状況の改善を求めたアクションが繰り広げられているイギリスでよいことのひとつは、自転車の普及や安全を目指すNGOが活発なこと。死亡事故などがあるたび、状況の改善を求めたアクションが繰り広げられている

 この連載では、どうしてロンドンでこんなに急激に自転車文化が花開いたのか、その要因も探っていきます。ロンドンの道は東京より狭いくらいで、渋滞もひどく、インフラ的にはより過酷です。それに対してどのような施策がとられているか、何が効果的で何がそれほどでもないかを考えていきます。

 急激な変化なだけに、問題がないわけではありません。自転車人口が増えるにしたがって、やはり事故も増えています。自転車が目障りだとして嫌がらせをする自動車ドライバーも増えてきて、路上でケンカが発生するというようなことも。

 同じ左側通行で、街の規模や人口の過密ぶりも東京をはじめとする日本の大都市に近いロンドンの事情は、日本の自転車利用者や関係者にも参考になると思います。そのあたりを意識してレポートしたいと思っています。

ロンドン市内の移動はほとんど自転車

ツール・ド・フランスの山岳ステージを走るアマチュアイベント「エタップ・デュ・ツール」で同行のクラブメンバーと。獲得標高3500mはこのときが初めての経験だったツール・ド・フランスの山岳ステージを走るアマチュアイベント「エタップ・デュ・ツール」で同行のクラブメンバーと。獲得標高3500mはこのときが初めての経験だった

 このロンドンでの自転車カルチャーの爆発に引き込まれるように、わたし自身も次第に深く深く自転車にのめり込んできました。日本から持ってきた自転車通勤用のクロスバイクから始まって、小径折り畳み車、ロードバイク、MTB、ヴィンテージロード、シクロクロス…とだんだん所有車種も増えてきています(台数は11台に!)。

 いまではロンドン市内の移動はほとんど自転車で、週末にはサイクリングクラブの仲間とロードやシクロクロスでトレーニング、たまに参加するブルベ、今年からおそるおそる始めたクリテリウムレース(まだ1回しか出ていませんが)、ときどきの英国外遠征など、いろいろなスタイルも楽しんでいます。

ヴィンテージバイクの世界的祭典、「エロイカ」には、1980年のオルモで出走。トスカーナのストラーディ・ビアンキと風景、美味を堪能したのはいい思い出(写真 Tomonari Sakurai)ヴィンテージバイクの世界的祭典、「エロイカ」には、1980年のオルモで出走。トスカーナのストラーディ・ビアンキと風景、美味を堪能したのはいい思い出(写真 Tomonari Sakurai)
エタップの準備のため、Raphaの広報女性やほかの参加者たちと、南仏ニースで女子合宿も。自転車に性別は関係ないけれど、やっぱり女性同士で走るのは格別エタップの準備のため、Raphaの広報女性やほかの参加者たちと、南仏ニースで女子合宿も。自転車に性別は関係ないけれど、やっぱり女性同士で走るのは格別

◇         ◇

 これからこの連載で、自分のそんな自転車経験で知り得た楽しみ方もお届けしていけたらと考えています。どうぞお楽しみに!

文・写真 青木陽子/Yoko Aoki

青木陽子青木陽子(あおき・ようこ)

ロンドン在住のフリー編集者・ジャーナリスト。自動車専門誌「NAVI」、女性ファッション誌などを経て独立起業、日本の女性サイトの草分けである「cafeglobe.com」を創設し、編集長をつとめた。拠点とするロンドンで、「運転好きだけれど気候変動が心配」という動機から1999年に自転車通勤以来のスポーツ自転車をスタート。現在11台の自転車を所有する。

関連記事

この記事のタグ

“自転車革命都市”ロンドン便り

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

ショップナビ

スペシャル

自転車協会バナー
新春初夢プレゼント2019

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載