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RENの「自転車のススメ」<5>目指すは世界最速の…ママチャリ! 国際規格のサーキットで、ゆる~く4時間エンデューロ

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 皆さん、自転車に乗っていますか?

 25℃を超える日も増えてきました。だんだん湿度が気になり始めましたね。くせ毛な私の髪の毛レーダーがクルクルと反応し、梅雨が少しずつ近づいているのを感じ取っています。今回のレポートは、キコキコキコ…キキッーーー!

ツインリンクもてぎのピットロードにて。ホイール径26インチ、スチールフレームの一般的なママチャリが今回のマシンですツインリンクもてぎのピットロードにて。ホイール径26インチ、スチールフレームの一般的なママチャリが今回のマシンです

 皆さんの生活の足。そう「ママチャリ」です。なんとママチャリ4時間耐久レース! 場所は栃木県の『ツインリンクもてぎ』です。

 ここは1997年に誕生した比較的新しい国際サーキット。国内のカーレース「SUPER FORMULA」「SUPER GT」や世界最高峰の2輪ロードレース「MotoGP」等が開催されています。観客席(スタンド)やコントロールタワー等、世界最高峰のレースを開催できるサーキットなのです。こんな贅沢な場所を走ることができるなんて幸せなのだろう…しかもママチャリで(笑)

ママチャリだって練習すればこの位のバンク角は当たり前!(うそです)ママチャリだって練習すればこの位のバンク角は当たり前!(うそです)
ピットでライダーチェンジ。タイヤ交換、燃料補給は必要ないのに、このピットクルーの多さ。不思議な一体感が生まれますピットでライダーチェンジ。タイヤ交換、燃料補給は必要ないのに、このピットクルーの多さ。不思議な一体感が生まれます
栗村修さん、飯島美和さん、児玉ユウスケさんの豪華実況陣。この後私も少しだけトークに参加しました栗村修さん、飯島美和さん、児玉ユウスケさんの豪華実況陣。この後私も少しだけトークに参加しました

 スターティンググリッドに並ぶのは、約100台のカラフルなレーシング(?)マシン。スタートのカウントダウンが始まり、シグナル点灯! 各車一斉に、弾かれた矢のように第1コーナーへなだれこんでい…かない。

やはり国際サーキット直線が長い!近隣のスーパー、コンビニに出掛けるとは訳が違いますやはり国際サーキット直線が長い!近隣のスーパー、コンビニに出掛けるとは訳が違います

 遅っっっ!

 ほとんどのマシンから“ギリギリギリ”と、ドライブトレーンの悲鳴が聞こえる。致命的なトラブルか!?…いいえ、違います。長年メンテナンスを怠っているので、チェーンオイルが風雨で完全に流れ去ってしまっているのです…。

 とても「ゆる〜い」感じの中で、4時間耐久レースの火ぶたは切って落とされました。

モデルチームで参戦…しかし、苦戦!

 今回は私RENと、滝川ロラン君、櫻井貴史君、ショータ君のモデルチームで参戦しました。皆、インディゴという同じ所属モデル事務所ということもあり、チームの結束力は他のチームには負けませんよ!

 コースは、ロードコースとオーバルコースを組み合わせ、モータースポーツで使用する周回とは逆周り(反時計回り)となっています。

選手達を苦しめるアップヒルストレート(逆回りのため、正式名称はダウンヒルストレートです)選手達を苦しめるアップヒルストレート(逆回りのため、正式名称はダウンヒルストレートです)

 ピットロードをスタートし、立体交差を通過すると、左前方に現れるのが標高差30mのストレート。軽く書きましたが、マンションの10階建てくらいに相当します。下から見上げると、はるか遠くの綺麗な空しか見えません。「サーキットって意外と標高差あるのね…」と呟いてしまいました。最初から、やる気をへし折るコースレイアウトとなっています(笑)。

 ですが、安心してください。その後は下り基調のコースになっているのです。ヘアピンコーナーをクルリと回れば緩やかな下りセクションが続きます。ママチャリなら最高速も低め、恐怖心はそこまで感じません。S字コーナーを左右に、ヒラリヒラリとリズミカルに抜けていきます。これがメチャクチャ気持ちいい! 再び立体交差をくぐると、90度コーナーが続くテクニカルセクションに入ってきます。

バイクコンシェルジュのお2人、那須ブラーゼンの若杉さんと宇都宮ブリッツェンの廣瀬さんがライダーをサポートするバイクコンシェルジュのお2人、那須ブラーゼンの若杉さんと宇都宮ブリッツェンの廣瀬さんがライダーをサポートする
中にはエアロヘルメットを被った本気のレーサーも。しかも埼玉代表ジャージ!でもカゴにはプーさん!中にはエアロヘルメットを被った本気のレーサーも。しかも埼玉代表ジャージ!でもカゴにはプーさん!
UCIでは禁止された懐かしのスーパーマンポジションが、ママチャリで復活。これは間違いなく速そう! UCIでは禁止された懐かしのスーパーマンポジションが、ママチャリで復活。これは間違いなく速そう! 

 淡々と走っていると、見覚えのあるジャージが駆け抜けていきました。国内のロードレースシーンを引っ張る「宇都宮ブリッツェン」と「那須ブラーゼン」の選手の隊列です。「それはママチャリですか?」と尋ねたくなるスピード。なんとハンドルを持たずに、その先にあるかごを持っています! DHハンドルじゃなくて、DHかご(笑) 選手は何に乗っても速いのですね…。

 それにしても、平均身長183cmのわれらがモデル軍団。パワーはありますが、サドルを目一杯上げてもまだ全然低く、ポジションが全く出せないので、ペダリング効率が最悪…。わがチーム、強固な結束力が良くないほうへ向かってしまいました。

 「もうお腹いっぱい…」「BBQしたかったな…」「膝痛い…」

 皆、早々にマッタリモードへ。でもこれで良いんです。仲間がいれば、ただ楽しいのです。

チームロラン、エースライダー櫻井貴史にライダーチェンジだチームロラン、エースライダー櫻井貴史にライダーチェンジだ
エースの帰りを待つロランとショータ。ちゃんと帰りを待っているのだろうか? 自分の番が来ることを少々恐れている!?エースの帰りを待つロランとショータ。ちゃんと帰りを待っているのだろうか? 自分の番が来ることを少々恐れている!?

憧れのオーバル プロのママチャリライダーも参戦!

 さて、コース終盤に差し掛かると、カラーコーンとコンクリートウォールに誘導され、オーバルコースに入っていきます。このコースは名前の通り楕円形。1周2.4kmという巨大なサイズです。競輪場を思い出していただけるとイメージがつきやすいかもしれませんね。

 以前開催されていたアメリカンモータースポーツの最高峰「インディーカー」で活躍するマシンは、このオーバルコースを250km/h以上のスピードで周回するそうですが、本日はママチャリなのでたった25km/h。コーナーからコーナーまでの直線は果てしなく遠く感じます。

超高速走行ができるコースを止まりそうなスピードで駆け抜ける。真のママの姿。距離が増えるのを気にせず、オーバルの上を走る心意気が素敵です超高速走行ができるコースを止まりそうなスピードで駆け抜ける。真のママの姿。距離が増えるのを気にせず、オーバルの上を走る心意気が素敵です

 そんな超高速のコースにキコキコと音を鳴らしママチャリを漕ぐ本物のママの姿が! なんという平和な空気感。普段はスーパーマーケットへ向かうために、そのママチャリにまたがっているのでしょうね…。

 お話を伺うと、旦那さんが翌日に開催されるロードバイクの耐久イベント「もてぎ7時間エンデューロ」に参加されるということ。レーシングコースという普段の生活とかけ離れた気持ちいい空間ですから、ただ待っているだけじゃ、つまらないですよね。

 本物の、いやプロのママの、そのチャレンジ精神が素晴らしい! ゆくゆくは本格的なスポーツバイクに乗っていただけたら、さらに嬉しいですね。

 ぐるりと大きく弧を描き、コントロールラインに戻ってきて1周完了です。

ロードバイクのイベントと比べると順位を気にしていないチームが多い。和気あいあいとしているロードバイクのイベントと比べると順位を気にしていないチームが多い。和気あいあいとしている
実際にコースを走るとサーキットの高低差に驚かされる。ダンシングでペダルを踏みつける!実際にコースを走るとサーキットの高低差に驚かされる。ダンシングでペダルを踏みつける!

ハイスピードママチャリの秘密とは?

業界で有名な「キクミミさん」。他の殆どの選手をラップする走力を持ち合わせている。恐怖!www業界で有名な「キクミミさん」。他の殆どの選手をラップする走力を持ち合わせている。恐怖!www

 ママチャリとは言え、速い人は圧倒的なスピードで走っています。ここからはちょっとマニアックに探っていきましょう。改造が許されたトップカテゴリーで優勝した、キクミミモータースの皆さんにインタビューしてきました。

REN「特別なセッティングはあるのですか?」

キクミミさん「改造範囲は幅広いですが、小変更しただけで、特別なパーツは使っていません」

 バイクの細部を見ると、確かにリアディレイラーがロードバイク用の「シマノ・アルテグラ」に変更されています。ワイヤーもロードバイク用のアウターケーブルに変更されていますね。シートの高さもママチャリにしては異様に高い。ロードバイクの様な、漕ぐ効率を考えたセッティングのようです。きちんと整備し安全に、走る、曲がる、止まるが、できるようにするということが、速く走る為のコツになっているようです。

ステッカーでエアロチューン。ゼッタイに速くなります!(プラシーボ効果100%)ステッカーでエアロチューン。ゼッタイに速くなります!(プラシーボ効果100%)
リアディレイラーはアルテグラに換装されている。チェーンとかも軽そうリアディレイラーはアルテグラに換装されている。チェーンとかも軽そう
ワイヤーもスポーツ用に換装。前カゴの中にはボトルケージが…ワイヤーもスポーツ用に換装。前カゴの中にはボトルケージが…

REN「フレームがエアロ形状になっていますが…」

キクミミさん「キャラクターが描かれたカッティングシートをフレームに貼って覆っています。エアロ効果は全くないです。横風で煽られますしね」

 …とのこと。見た目だけでした(笑)。

 しかし、何気なくインタビューしていますが、キクミミさん、本当に突き抜けてるコスプレですよね。そして、バリバリいい身体です。やはり、普段からのトレーニングに勝るものなしといった感じです。

改造範囲が広いクラスで優勝した「キクミミモータース」。2位以下を大きく引き離しての優勝だ改造範囲が広いクラスで優勝した「キクミミモータース」。2位以下を大きく引き離しての優勝だ

思い思いに楽しむママチャリエンデューロ そして感動のゴールへ

 他にも会場内には本気でコスプレしている人々が沢山。

 ジャイアンに負けるとは思えない屈強なのび太君や、地球侵略という目的を忘れ地球人と会話を楽しむガミラス帝国のデスラー総統が、応援する人々を楽しませてくれます。サイクルジャージを着たチームは限界まで姿勢を低くし、ホームストレートを駆け抜けていきます。その横には、ヒーローオーラが全くないスパイダーマン! 前を向きましょう。観客の方を意識しすぎです。

有名な配管工のお2人。今日の相棒は、緑色の恐竜をチョイスせずにママチャリ有名な配管工のお2人。今日の相棒は、緑色の恐竜をチョイスせずにママチャリ
今日は呼吸器系に調子が悪いのか? 激しい動きが出来ない蜘蛛男。ヒルクライム中に酸欠でぶっ倒れないかとても心配です今日は呼吸器系に調子が悪いのか? 激しい動きが出来ない蜘蛛男。ヒルクライム中に酸欠でぶっ倒れないかとても心配です
司令官が先に地球に到着。ママチャリ耐久というイベントを通じて歴史的な和解を果たした司令官が先に地球に到着。ママチャリ耐久というイベントを通じて歴史的な和解を果たした
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『のび太のママチャリ耐久記』は来春公開?『のび太のママチャリ耐久記』は来春公開?

 コースを走る色とりどりのマシンたち。ホイールは鈍く銀色に輝き、エアロ効果や軽量化を狙ったロードバイクやマウンテンバイクのそれとは異なる雰囲気を醸しています。そして、ピットウォールから飛び交う熱い声援。4時間は長いようで、とても短い。あっという間に、残り時間はわずかです。

 「10!…3!2!1!ゴール!」ついに感動のゴールを迎えました。

 とてもとても重く、長距離を走るのには適していないママチャリとの格闘で、皆、憔悴しきっています。達成感からくる笑顔がどことなく引き攣っているような…? いえいえ、なんとも言えないこの「ゆる〜い」空気感がいいのです!

長いようで短い4時間のフィニッシュ。ピットロードから惜しみない拍手が最終走者に送られます長いようで短い4時間のフィニッシュ。ピットロードから惜しみない拍手が最終走者に送られます
帰ってくるライダーを待つチームメイト達。程よい疲れが心地よい帰ってくるライダーを待つチームメイト達。程よい疲れが心地よい
バリバリにロードバイクを乗る人もかなりのダメージ。走った後の水が美味しい!バリバリにロードバイクを乗る人もかなりのダメージ。走った後の水が美味しい!
BBQを楽しむ人達の為の交代エリア。お腹一杯で芝生の上でゴロ寝する姿も見受けられたBBQを楽しむ人達の為の交代エリア。お腹一杯で芝生の上でゴロ寝する姿も見受けられた
もてぎエンジェルを囲んで記念撮影。カオスであるもてぎエンジェルを囲んで記念撮影。カオスである

◇      ◇

 さて、いかがでしたか? 『モテチャリ』レポート。

 サーキットのイベントというと、ハードルが高いと感じる人がいるかもしれませんが、楽しくてちょっとだけ辛い、こんなイベントなら安心感がありますね。皆さんも仲間と一緒に、ゆる〜く参加してみませんか?

小林 廉(こばやし・れん)/REN小林 廉(こばやし・れん)/REN

数々のCM・雑誌・ファッションショーで活躍するトップモデル。08年より本格的にスポーツサイクルに乗り始める。毎月発行される自転車雑誌に見ない月はないというほどの“乗れるモデル”。日本マウンテンバイク協会公認インストラクター。特技はウィリー(映像を見る)。身長188cm、体重74kg。東京都在住。オフィシャルブログ「RENのすすめ」。取材のお問い合わせは info.studioren@gmail.com まで

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