ジロ・デ・イタリア2014 第19ステージ桁違いの登坂力を見せたキンタナ TTでライバルとの差を大きく広げるステージ2勝目

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 ジロ・デ・イタリアは30日、山岳個人タイムトライアルとなる第19ステージが行われ、個人総合首位(マリアローザ)のナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)がステージ優勝。ライバルとのタイム差を広げ、総合優勝に向けて一歩前進した。大会後半に調子を上げてきたファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム)も好走を見せ、キンタナから17秒差のステージ2位に食い込み、総合でも3位に順位を上げた。

TT圧勝で差を広げ、初の総合優勝に向けて大きく前進したキンタナTT圧勝で差を広げ、初の総合優勝に向けて大きく前進したキンタナ

 今大会2つ目の個人タイムトライアルステージは、バッサーノ・デル・グラッパからチーマ・グラッパまでの26.8km。スタートから7.55kmはほぼフラットだが、その後の役19.3kmは1級山岳。ラスト約5kmで最大14%、全体でも8%前後の勾配が続く山岳個人TTだ。

バッサーノの中心部からスタートバッサーノの中心部からスタート

 この日の主役は総合上位陣や登坂力に長けるクライマー。したがって、総合順位の下位を走る選手たちは、完走を目標にスタート。しばらくは目立ったゴールタイムはマークされていなかったが、今大会好調のバルディアーニ・CSF勢が登場すると、次々と上位タイムを記録。ステファノ・ピラッツィ(イタリア)の1時間10分11秒が基準タイムとなった。

 後半スタートの選手たちが登場すると、徐々に好タイムがマークされる。ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ベリソル)はピラッツィを上回る1時間9分37秒。その後もウェレンスに迫るタイムがマークされ、総合上位陣の走りに期待が膨らむ。

 このステージでは、バイクのセレクトも大きなポイントとなった。スタート時にノーマルバイク、ノーマルバイクにDHバー装着、TTバイク、どれを選ぶかで各選手の狙いが見て取れた。

 そんな中、総合上位陣の多くがTTバイクでスタート。平坦区間から上りに入ると同時にノーマルバイク、またはDHバー装着のノーマルバイクに切り替える構えだ。総合タイム差1分41秒差で争うマリアローザのキンタナと、総合2位のリゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファルマ・クイックステップ)もTTバイクで平坦区間を攻めた。

 全選手がスタートした頃、ゴールではコンスタントに1時間9分から10分台のタイムがマークされ始める。総合15位のフランコ・ペッリツォッティ(イタリア、アンドローニジョカットリ・ベネズエラ)が1時間8分59秒の暫定トップタイムをマークすると、これを皮切りに1時間10分を切るタイムが続出する。

区間4位と健闘しながらも、総合3位から4位に落ちたローラン区間4位と健闘しながらも、総合3位から4位に落ちたローラン

 そして、このステージを大きく動かしたのは、アールの走り。19.35km地点の第2中間計測で暫定トップタイムを52秒上回ると、さらに加速。3分前にスタートしたラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)を終盤でパス。圧倒的なトップタイムがマークされるのは濃厚だ。大きなダンシングで前へと進んだアールは、最終的に1時間5分54秒で暫定トップに。その後、ピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー)が1時間7分34秒の好タイムをマークしたものの、アールの記録にははるかに及ばない。

 残すは2選手。マリアローザを懸けるコロンビア人ライダー同士の争いは、上りでのペースアップが勝敗を分けた。平坦区間から上り始めにかけて、一時はキンタナを30秒以上リードしたウラン。途中のバイク交換時に、ヘルメットも換えるなどし再スタートにもたついたキンタナを大きくリードするかに思われた。しかし、距離を追うごとにペースアップしたのはキンタナだった。上り途中の第2中間計測で暫定トップに立つと、ハイペースを維持。その走りは最後まで衰えることなくゴールへと突き進んだ。

上りでペースアップする、マリアローザのキンタナ上りでペースアップする、マリアローザのキンタナ

 ウランも1時間7分3秒と結果的に3位となる好タイムだったが、キンタナが桁違いの走りを見せた。ゴールタイム1時間5分37秒は堂々のトップ。今大会ステージ2勝目は、マリアローザを着用してのものとなった。

 この結果、マリアローザのキンタナと総合2位ウランとの総合タイム差は、1分41秒から3分7秒にまで広がった。総合3位に上がったアールがウランとの差を41秒とし、総合2位も狙える位置にまで浮上。総合争いにおいて、事実上最後のステージとなる第20ステージを前に、キンタナは足元を固めた印象だ。一方で、総合2位争いが熾烈に。総合4位のローランもアールとの差が1分28秒と、総合表彰台を狙える位置につけている。

上りに挑む別府史之上りに挑む別府史之

 日本人選手2人もこのステージは無難にクリア。別府史之(トレック ファクトリーレーシング)は、トップから11分19秒差の109位、新城幸也(チーム ヨーロッパカー)は12分6秒差の124位でフィニッシュラインを通過している。

 今年のジロ総合争いもいよいよクライマックス。第20ステージは、最大勾配が22%、コンスタントに15%以上の勾配が続くモンテ・ゾンコランの頂上を目指す167km。中盤では1級山岳のパッソ・デル・プーラ、2級山岳セッラ・ラッツォが控え、ゾンコランを前に選手たちを苦しめることだろう。そして、ゾンコランの頂上でマリアローザを受け取った選手こそが、実質今年のジロのチャンピオンに輝くことに。キンタナがトップを守り抜くか、また総合表彰台を懸けた総合上位陣のアタックの応酬にも注目したい。

(文 福光俊介/写真 砂田弓弦)

第19ステージ結果
1 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 1時間5分37秒
2 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +17秒
3 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファルマ・クイックステップ) +1分26秒秒
4 ピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー) +1分57秒
5 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +2分24秒
6 フランコ・ペッリツォッティ(イタリア、アンドローニジョカットリ・ベネズエラ) +3分22秒
7 ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ) +3分28秒
8 セバスティアン・エナオ(コロンビア、チーム スカイ) +3分48秒
9 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ベリソル) +4分0秒
10 ダリオ・カタルド(イタリア、チーム スカイ) +4分10秒
109 別府史之(日本、トレック ファクトリーレーシング) +11分19秒
124 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +12分6秒

個人総合(マリアローザ)
1 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 79時間3分45秒
2 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファルマ・クイックステップ) +3分7秒
3 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +3分48秒
4 ピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー) +5分26秒
5 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +6分16秒
6 ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ) +6分59秒
7 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMC レーシングチーム)+9分25秒
8 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +9分29秒
9 ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ) +10分11秒
10 ロベルト・キセルロウスキー(クロアチア、トレック ファクトリーレーシング) +13分59秒
83 別府史之(日本、トレック ファクトリーレーシング) +2時間50分6秒
128 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +3時間48分55秒

ポイント賞(マリアロッソパッショーネ)
1 ナセル・ブアニ(フランス、エフデジ ポワン エフエル) 251pts
2 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック ファクトリーレーシング) 225pts
3 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール) 173pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレック ファクトリーレーシング) 173pts
2 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 88pts
3 ダリオ・カタルド(イタリア、チーム スカイ) 86pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 79時間3分45秒
2 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +3分48秒
3 ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ) +6分59秒

チーム総合
1 アージェードゥーゼール ラモンディアル 236時間57分39秒
2 オメガファルマ・クイックステップ +18分24秒
3 ティンコフ・サクソ +35分57秒

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