ジロ・デ・イタリア2014 第18ステージ日本から世界へ飛躍したアレドンドが念願のステージ優勝 山岳賞でも大きくリード

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 ジロ・デ・イタリアの第18ステージが29日に行われ、実力者揃いの逃げ集団から飛び出したジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレック ファクトリーレーシング)がラスト4kmを独走し頂上ゴールを制した。日本での活躍を経て世界の舞台へ羽ばたいた25歳のコロンビア人が、グランツール初優勝を成し遂げた。ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)がマリアローザを守り、総合上位勢では3位のカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMC レーシングチーム)が遅れたため9位まで順位を落とした。

第18ステージの頂上ゴールを制したジュリアン・アレドンド第18ステージの頂上ゴールを制したジュリアン・アレドンド

 ベッルーノからリフージオ・パナロッタ/ヴァルスガーナまでの171kmで行われたレースは、スタートから55km地点の1級山岳頂上までは延々と上り基調で、続く2級山岳は登坂距離1.5kmながら平均勾配は9%、最後は1級頂上ゴールというコースレイアウト。いずれも最大15%ほどの急勾配の区間を含む厳しい上りだ。

マリア・ローザを守ったナイロアレクサンデル・キンタナマリア・ローザを守ったナイロアレクサンデル・キンタナ

 翌日に山岳個人タイムトライアルを控えるため総合上位勢がペースを落とし、逃げが決まりやすいステージになると予想された。そのため序盤からアタックが繰り返され、ようやく逃げ集団の顔ぶれが固まったのは第1山岳の中腹、スタートから50kmほど経過した頃だった。

 逃げに乗った14人のなかには、山岳賞のマリアアッズーラを着用するアレドンド、これまで上りで強さを見せているファビオアンドレス・ドゥアルテ(コロンビア、コロンビア)らクライマー勢や、ジロ総合優勝2回のイヴァン・バッソ(イタリア、キャノンデール)、フランコ・ペッリツォッティ(イタリア、アンドローニジョカットリ・ベネズエラ)といった総合系の選手など、実力者が揃った。

 第1山岳は山岳賞を狙うアレドンドが危なげなく1位通過し、ポイントを大きく加算した。キンタナのモビスターがコントロールするメーン集団は、それから4分遅れで頂上を通過。やはりペースは抑え目で、ここから第2山岳にかけてタイム差は8分以上に広がった。

エスケープグループで、気迫の走りを見せるイヴァン・バッソエスケープグループで、気迫の走りを見せるイヴァン・バッソ

 アレドンドは、山岳ポイントで2位につけるダリオ・カタルド(イタリア、チーム スカイ)に競り勝ち第2山岳も1位で通過し、リードをさらに広げた。この下りでは、今大会は目立った活躍のないバッソが先頭を牽き、このステージにかける強い意欲を見せた。

 第2山岳を下ってからの短い平坦区間では、ヨーロッパカーとアージェードゥーゼールがメーン集団のコントロールに加わりペースアップ。新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー)もエースのピエール・ローラン(フランス)のため、集団前方でチームの仕事をこなした。

 最後の1級山岳に突入した先頭集団からは、逃げを得意とするトマス・デヘント(ベルギー、オメガファルマ・クイックステップ)が飛び出した。追走がかかり14人がバラバラになり始めると再びバッソが積極的にペースを上げ、歯を食いしばりながら上っていく。これにはアレドンド、ドゥアルテ、カタルドら上りに強い選手が続いた。

 一方、メーン集団では総合4位のローランが最初にアタックを仕掛けた。チームの働きに応えるアタックで集団を活性化させると、ここでエヴァンスが遅れ始め、ローランに総合順位を上げるチャンスが訪れた。

積極的な走りで先頭に立ったフランコ・ペッリツォッティ積極的な走りで先頭に立ったフランコ・ペッリツォッティ

 気迫の走りを見せていたバッソだがカタルドらのアタックについていけず、追走集団から最初に脱落してしまった。代わって後方から浮上してきたペッリツォッティは先頭のデヘントを捉え、単独で抜け出すことに成功する。しかし、決定的なアタックを決めたのはアレドンドだった。

 スピードに乗ったように見えるペッリツォッティを、アレドンドが軽やかな加速で抜き去っていった。同じくコロンビア人のドゥアルテがこれを追走。視界に捉えられるほどの距離ながら、その差は縮まらない。アレドンドは何度も後ろを確認しながら踏み続け、勝利を確実なものにした残り25mでガッツポーズ。念願のステージ優勝を果たし右手、左手と、何度も拳を突き上げた。

総合3位に浮上したピエール・ローラン総合3位に浮上したピエール・ローラン

 日本国内でもおなじみのアレドンドは、2012~13年に日本籍のチーム NIPPO・デローザに所属しツアー・オブ・ジャパンやジャパンカップなどで活躍した選手だ。トレックに移籍し、今年からトップカテゴリーに活躍の場を移した。すると、グランツール初挑戦ながら山岳ジャージを着用。さらにステージ優勝も狙い続け、そのチャレンジを成就させた。今ステージでも山岳ポイントを荒稼ぎして大きなリードを奪ったため、山岳賞の確定も目前となっている。

 エヴァンス以外はほぼ一体となってゴールに辿りついた総合上位勢のなかでは、ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム)がわずかなリードを稼いだ。ライバルから1分半ほど遅れたエヴァンスは総合3位から9位に後退した。代わってローランが総合3位に浮上したものの、4位のアールと5位のラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)まではわずか2秒差。表彰台争いは依然として熾烈を極めている。

 日本人選手は、別府史之(トレック ファクトリーレーシング)がトップから17分56秒遅れの71位、ローランをアシストした新城は24分33秒遅れの111位でゴールした。

 第19ステージは、26.8kmの山岳個人タイムトライアル。ゴールに近づくにつれて急勾配になる難易度の高いコースで、まさに一分一秒を争う戦いが繰り広げられる。

(文 平澤尚威/写真 砂田弓弦)

第18ステージ結果
1 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレック ファクトリーレーシング) 4時間49分51秒
2 ファビオアンドレス・ドゥアルテ(コロンビア、コロンビア) +17秒
3 フィリップ・デイグナン(アイルランド、チーム スカイ) +37秒
4 フランコ・ペッリツォッティ(イタリア、アンドローニジョカットリ・ベネズエラ) +1分20秒
5 エドアルド・ザルディーニ(イタリア、バルディアーニ・CSF) +1分24秒
6 トマス・デヘント(ベルギー、オメガファルマ・クイックステップ)  +1分38秒
7 イヴァン・バッソ(イタリア、キャノンデール)) +1分43秒
8 ダリオ・カタルド(イタリア、チーム スカイ) +1分59秒
9 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +2分43秒
10 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +2分46秒
71 別府史之(日本、トレック ファクトリーレーシング) +17分56秒
111 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +24分33秒

個人総合(マリアローザ)
1 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 77時間58分08秒
2 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファルマ・クイックステップ) +1分41秒
3 ピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー) +3分29秒
4 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +3分31秒
5 ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ) +3分31秒
6 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール ラモンディアル ) +3分52秒
7 ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ) +4分32秒
8 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +4分37秒
9 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMC レーシングチーム) +4分59秒
10 ロベルト・キセルロウスキー(クロアチア、トレック ファクトリーレーシング) +8分33秒
83 別府史之(日本、トレック ファクトリーレーシング) +2時間38 分47秒
128 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +3時間36分49秒

ポイント賞(マリアロッソパッショーネ)
1 ナセル・ブアニ(フランス、エフデジ ポワン エフエル) 251pts
2 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック ファクトリーレーシング) 225pts
3 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール) 173pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレック ファクトリーレーシング) 173pts
2 ダリオ・カタルド(イタリア、チーム スカイ) 87pts
3 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ベリソル) 79pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 77時間58分08秒
2 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +3分31秒
3 ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ) +3分31秒

チーム総合
1 アージェードゥーゼール ラモンディアル  233時間26分43秒
2 オメガファルマ・クイックステップ +18分17秒
3 ティンコフ・サクソ +32分35秒

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