ジロ・デ・イタリア2014 第17ステージ逃げグループから残り1kmで飛び出したピラッツィが勝利 山岳3連戦を前に総合争いは小休止

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 ジロ・デ・イタリア第17ステージは28日、サルノーニコからヴィットーリオ・ベネトまでの204kmで行われ、大きな逃げ集団からさらに小集団で抜け出し、残り1kmでアタックを決めたステファノ・ピラッツィ(イタリア、バルディアーニ・CSF)が優勝した。総合上位勢は動きがなく、ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)がマリアローザを維持している。

第17ステージを制したピラッツィ。残り1kmでの単独アタックを大きな勝利につなげた第17ステージを制したピラッツィ。残り1kmでの単独アタックを大きな勝利につなげた

 この日のコースは途中に4級山岳の丘が3度あるものの、全体としては高低差が少なくフラットに分類されるステージ。翌日から最終ステージ前日までの3日間、頂上ゴールや山岳タイムトライアルといった総合上位勢やクライマーのための山岳コースが設定されており、逃げ切りでのステージ優勝を狙う選手にとっては、このステージが最後のチャンスといえる。

マリアローザに合わせて全身ピンクとなったキンタナマリアローザに合わせて全身ピンクとなったキンタナ

 レースはスタート直後から、ステージ優勝を狙う選手たちによる激しいアタック合戦が続いた。別府史之(トレック ファクトリーレーシング)も動くが、さまざまな選手の思惑が交錯するなか、逃げはなかなか決まらず。レース前半はハイペースのまま進行した。

 ようやく26人の逃げが決まったのは、レースの半分近くを過ぎたところ。この逃げ集団内では総合成績が最も上位のダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・メリダ)ですらトップから48分遅れており、総合上位勢を脅かさないことから、メーン集団は完全に逃げを容認。タイム差は一気に10分にまで開いた。

 メーン集団先頭をコントロールするのは、リーダーチームのモビスター。前日マリアローザを獲得して全身ピンクに衣替えしたキンタナは、褐色の肌とピンク色のウェアの取り合わせが新鮮だ。その後方では、総合4位につけるピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー)のかたわらで位置取り役をつとめる新城幸也の姿も見える。

 残り距離が50kmを切っても、逃げ集団とメーン集団との差は約11分。前の集団の逃げ切りは決定的となった。逃げの成功のために協調してペースを保っていた26人の意識が、徐々に集団内での勝負へと切り替わり始める。

 残り30kmでアタックを見せたのは、トマス・デヘント(ベルギー、オメガファルマ・クイックステップ)だ。集団が牽制状態で追い切れないなか、デヘントは約20秒のリードを持ってしばらく単独逃げ続ける。

 残り20kmの最後の4級山岳で、集団内からステファノ・ピラッツィ(イタリア、バルディアーニ・CSF)が、デヘントへのブリッジを仕掛けた。ピラッツィは上りの頂上過ぎでデヘントに合流。さらに後方からマッテーオ・モンタグーティ(イタリア、アージェードゥーゼール ラモンディアル )、ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ベリソル)、ジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ティンコフ・サクソ)が追い付き、先頭は5人の集団になった。

終盤の上りでアタックするピラッツィ終盤の上りでアタックするピラッツィ
レース終盤の逃げ5人。先頭はティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ベリソル)レース終盤の逃げ5人。先頭はティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ベリソル)

 5人は先頭交代しながら後ろの集団との差をキープ。残り10kmを通過する。これを追う後方集団では、追走のアタックが散発的に掛かるものの、互いにペースを乱し合うばかりで、先頭の5人からは逆に離されてしまう。勝負の行方は先頭5人に絞られた。

 残り3km付近から先頭5人がお互いの動きを強く意識し始めるなか、ラスト1km手前で最初に動いたのはピラッツィだった。アタックを仕掛けると集団から一気に差を付けた。こうなると、残された4人が牽制しているようでは追走が難しい。“してやったり”のピラッツィはそのままゴールまで逃げ切り、大きくガッツポーズでゴールに飛び込んだ。バルディアーニ・CSFは第13ステージのマルコ・カノーラ(イタリア)、第14ステージのエンリーコ・バッタリーン(イタリア)に続いて、ピラッツィで今大会3勝目。ワイルドカードで出場のプロコンチネンタルチームながら、存在感を強く発揮している。

後続のスプリントを制したヴェイッカネンだが、区間優勝と勘違い?後続のスプリントを制したヴェイッカネンだが、区間優勝と勘違い?

 最初の5人がゴールしてから28秒後、追走の約20人の集団がゴールした。先頭で入ったジュシー・ヴェイッカネン(フィンランド、エフデジ ポワン エフエル)が、ステージ優勝と勘違いしたか激しくガッツポーズを見せる珍事のあと、メーン集団は先頭から15分36秒遅れてゴールした。別府、新城を含む全員が集団でゴールしており、総合上位の変動は見られない。翌日から始まる3日間の山岳決戦を前に、総合勢は小休止のステージとなった。

 翌第18ステージは、ベルーノからリフージオ・パナロッタへの171kmのレース。前半から1級山岳、後半に2級山岳の峠を越えたあと、最後は1級山岳頂上ゴールとなる。混戦が続く今年のジロは、最終決戦の舞台がいよいよ幕を開ける。

(文 米山一輝/写真 砂田弓弦)

第17ステージ結果
1 ステファノ・ピラッツィ(イタリア、バルディアーニ・CSF) 4時間38分11秒
2 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ベリソル) +0秒
3 ジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ティンコフ・サクソ)
4 トマス・デヘント(ベルギー、オメガファルマ・クイックステップ)
5 マッテーオ・モンタグーティ(イタリア、アージェードゥーゼール ラモンディアル )
6 ジュシー・ヴェイッカネン(フィンランド、エフデジ ポワン エフエル) +28秒
7 シモン・ゲシュケ(ドイツ、チーム ジャイアント・シマノ)
8 ファビオ・フェッリーネ(イタリア、トレック ファクトリーレーシング)
9 マルコ・カノーラ(イタリア、バルディアーニ・CSF)
10 セルジュ・パウェルス(ベルギー、オメガファルマ・クイックステップ)
49 別府史之(日本、トレック ファクトリーレーシング) +15分36秒
147 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +15分36秒

個人総合(マリアローザ)
1 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 73時間05分31秒
2 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファルマ・クイックステップ) +1分41秒
3 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMC レーシングチーム) +3分21秒
4 ピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー) +3分26秒
5 ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ) +3分28秒
6 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +3分34秒
7 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール ラモンディアル ) +3分49秒
8 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +4分06秒
9 ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ) +4分16秒
10 ロベルト・キセルロウスキー(クロアチア、トレック ファクトリーレーシング) +8分02秒
90 別府史之(日本、トレック ファクトリーレーシング) +2時間23分37秒
132 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +3時間15分02秒

ポイント賞(マリアロッソパッショーネ)
1 ナセル・ブアニ(フランス、エフデジ ポワン エフエル) 251pts
2 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック ファクトリーレーシング) 225pts
3 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール) 173pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレック ファクトリーレーシング) 95pts
2 ロビンソンエドゥアルド・チャラプド(コロンビア、コロンビア) 69pts
3 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ベリソル) 63pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 73時間05分31秒
2 ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ) +3分28秒
3 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +3分34秒

チーム総合
1 アージェードゥーゼール ラモンディアル  218時間45分33秒
2 オメガファルマ・クイックステップ +21分42秒
3 ティンコフ・サクソ +30分01秒

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