“茅葺き屋根の里”京都美山の公道ロードレース29回を迎えた「美山ロード」 C1は愛三工業の福田真平が小森亮平とのチームワークで勝利

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 京都府南丹市美山町で5月25日、今年で第29回を数える「美山サイクルロードレース」が開催された。プロから子供まで参加できる公道ロードレースに、全国から約1000人の参加者が集まり、新緑の木々が眩しい晴天の下を駈け抜けた。最上位クラスのC1では、招待選手として出場した愛三工業レーシングの福田真平が優勝した。

29回目を数える「美山サイクルロードレース」29回目を数える「美山サイクルロードレース」

山々の緑が美しい“自転車の聖地”美山で開催

 レースの舞台となる美山町は、京都市内から北へ車で約1時間。茅葺き屋根の里として、日本の原風景を色濃く残すことで知られている。「美山ロード」はここ美山が1988年に、京都国体ロードレースの舞台になって以来行なわれている、歴史ある大会だ。

 コースは町の中心部である美山支所からスタート。由良川沿いに反時計回りに走り、つづら折れが続く最大の難所「九鬼ヶ坂峠」を越えて町の中心部に戻る、1周約10kmの周回コースだ。公道なので地元民家の目の前を走り、まさに本当の意味でのロードレースといえよう。

美山の緑が美しいコースを選手が走る美山の緑が美しいコースを選手が走る
コース最大の難所の九鬼ヶ坂峠コース最大の難所の九鬼ヶ坂峠
「美山を自転車の聖地に」と活動するブラッキー中島さん「美山を自転車の聖地に」と活動するブラッキー中島さん
子供たちも公道のレースを走る子供たちも公道のレースを走る
優勝者はチャンピオンジャージを着て表彰優勝者はチャンピオンジャージを着て表彰

 美山はブラッキー中島さんが主催する自転車教室「ウィーラースクール」の本拠地でもあり、現在は「美山自転車の聖地プロジェクト」が進行中だ。小学生のクラスには多くの参加者が集まり、美山サイクリングクラブのジャージを着た子供たちも5.5kmのショートコースを走った。ゴールではスプリント勝負を繰り広げ、“自転車の聖地・美山”が根付いていることをアピールした。

 またブースでは地元美山の特産品を食べる事ができ、地元の鹿肉のメンチカツなどが注目を集めていた。美山米はレースの賞品としても提供され、上位入賞者らは美山の味をお土産として持ち帰った。

美山で捕獲される鹿肉のメンチカツ美山で捕獲される鹿肉のメンチカツ
山岳賞で美山米をゲット山岳賞で美山米をゲット
コースは交通規制をされておりスタッフが通行者に随時説明をするコースは交通規制をされておりスタッフが通行者に随時説明をする

子供たちの応援に応えたトッププロ、貫禄の勝利

C1は序盤に山本元喜(斑鳩アスティーフォ)ら4人が逃げる展開C1は序盤に山本元喜(斑鳩アスティーフォ)ら4人が逃げる展開

 トッププロも参加するC1レースは7周回、70kmで行われ、レース序盤から山本元喜(斑鳩アスティーフォ)、筧五郎(イナーメ信濃山形)、中西重智(JPスポーツテストチーム・マッサ・アンデックス)、若杉圭祐(シエルヴォ奈良 ミヤタ-メリダ)の4人が積極的に逃げを展開した。各周回の九鬼ヶ坂峠の頂上に設定された山岳賞(上位3人に美山米)の争奪戦では、山本が6回の1位通過を果たし、5kg×6と計30kgもの大量の美山米を獲得した。

 残り2周回で愛三工業レーシングの小森亮平が先頭にブリッジを仕掛け後続が活性化。先頭は福田や白石真悟(シマノドリンキング)、大塚航(JPスポーツテストチーム・マッサ・アンデックス)、向川尚樹(斑鳩アスティーフォ)らが加わった10人ほどの集団となった。最終周回の上りで小森がアタックして大塚、山本らを牽制すると、最後のゴール勝負で福田がスパートをかけて先頭でゴール。国際レースでも活躍する愛三工業の2人が、絶妙のコンビネーションを発揮してレースを制した。

最後は愛三工業レーシングがレースを作る最後は愛三工業レーシングがレースを作る
福田真平(愛三工業レーシング)がレースを制した福田真平(愛三工業レーシング)がレースを制した

 優勝した福田はレースを振り返り、「最初は4人の逃げに50秒の差をつけられたのですが、後ろの集団はあきらめてなくて、チームメイトの小森が九鬼ヶ坂でアタックして差を縮めて追いつきました。小森は最後の登りで山本選手らをふるいにかけてくれた。二人で頑張った結果です。すごく良い走りができました。美山に集まった子供たちに『レース頑張ってね』『優勝してね』と言われたので頑張りました」と語った。

チームワークで勝利を掴んだ愛三工業レーシングの福田真平と小森亮平チームワークで勝利を掴んだ愛三工業レーシングの福田真平と小森亮平
C1表彰式。中央が優勝の福田真平(愛三工業レーシング)C1表彰式。中央が優勝の福田真平(愛三工業レーシング)

高校生の部は地元選手が僅差のスプリント勝負

 インターハイ予選となる近畿高体連の部は4周回で行われ、最後は集団でのゴールスプリントから地元・北桑田高校の選手同士の勝負となり、手を上げた徳田匠を村田瑞季が最後に差しきって僅差の勝利を手にした。村田の実家は美山ロードのスタート地点にあり、前日の遅くまでゴール前で練習をしていたという。

高体連の部は右端の村田瑞季が差しきって自宅前で勝利高体連の部は右端の村田瑞季が差しきって自宅前で勝利
スポンサーのMBKから、抽選でクラブレーサーが中学生にプレゼントされたスポンサーのMBKから、抽選でクラブレーサーが中学生にプレゼントされた

 大会は大きな混乱もなく無事終了。昨年は運営体制の変更から進行の遅延やレース中の落車が多く起こったが、今年はさまざまな問題点が見直され、レース運営の安定化が図られていた。

 抽選会ではメーンスポンサーのMBKから最高級スチールフレームが中学生に贈られた。こうしてレースは次世代に引き継がれていく。来年は、第30回の節目の大会を迎える。

(レポート・写真 中尾亮弘)

C1結果
1位 福田真平(愛三工業レーシング) 1時間47分36秒
2位 山本元喜(斑鳩アスティーフォ) 1時間47分37秒
3位 大塚航(JPスポーツテストチーム・マッサ・アンデックス) 1時間47分39秒
4位 小森亮平(愛三工業レーシング) 1時間47分47秒
5位 向川尚樹(斑鳩アスティーフォ) 1時間47分56秒
6位 白石真悟(シマノドリンキング) 1時間47分57秒
7位 中西重智(JPスポーツテストチーム・マッサ・アンデックス) 1時間47分57秒
8位 若杉圭祐(シエルヴォ奈良ミヤタ-メリダサイクリングチーム) 1時間47分57秒
9位 永良大誠(シエルヴォ奈良ミヤタ-メリダサイクリングチーム) 1時間47分59秒
10位 筧五郎(イナーメ信濃山形) 1時間48分30秒

近畿高等学校自転車競技大会・ロードの部結果
1位 村田瑞季(北桑田 3年) 59分04秒
2位 徳田匠(北桑田 2年) 59分04秒
3位 溝口智貴(北桑田 2年) 59分04秒
4位 山村勇気(和歌山北 3年) 59分04秒
5位 吉岡衛(奈良北 1年) 59分04秒

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