朝の自転車通勤時の危険を軽減するために国道246号にバス共用自転車レーン設置へ シンポジウム「めざせ!TOKYO自転車革命」で国交省が表明

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シンポジウム「めざせ!TOKYO自転車革命 自転車通勤の危機を跳ね返そう!」の会場の様子シンポジウム「めざせ!TOKYO自転車革命 自転車通勤の危機を跳ね返そう!」の会場の様子

 都会の道路で自転車通勤を行う際、朝の混雑時にバスと交錯する危険を感じることは少なくない。そこで、自転車とバスの共存について考えるシンポジウム「めざせ!TOKYO自転車革命 自転車通勤の危機を跳ね返そう!」が5月23日夕、東京・日比谷公園の日比谷グリーンサロンで開かれた。NPO法人自転車活用推進研究会(自活研)が主催し、150人以上が参加。この席で、パネリストを務めた国土交通省東京国道事務所の西尾崇所長は、東京都心と神奈川の県央方面を結ぶ国道246号線の駒沢〜三軒茶屋間で、今秋にもバス共用自転車レーンを設置する方針を明らかにした。

信号無視、逆走…ルール違反の自転車をビデオで紹介

 シンポジウムでは、パネリストに自転車通勤を啓蒙する“ツーキニスト”の疋田智さん、自転車活用推進議員連盟座長の小泉昭男参議院議員、国交省東京国道事務所の西尾所長、それに現役のバス運転手で自転車通勤にも取り組んでいるツーキニスト稲見正博さんと風間吉泰さんを迎え、サイクルライフナビゲーターの絹代さんがコーディネーターを務めた。

シンポジウムを進行するNPO法人自転車活用推進研究会の小林成基理事長シンポジウムを進行するNPO法人自転車活用推進研究会の小林成基理事長

 はじめに、自転車のマナー向上に取り組む社団法人グッドチャリズム宣言プロジェクトが作成した、国道246号の朝の通勤時間帯における自転車の走行実態のビデオ映像が上映された。

 この映像について、撮影を行った同プロジェクトの韓祐志代表理事より、自転車による信号無視や逆走、歩道への危険走行、後方確認をしない進路変更などなどが日常的に行われている状況が紹介された。

 疋田さんは、こうした状況はあちこちで広く見られるとの認識を共有した上で、「交通ルールを無視すると、車やバスが自転車を信頼しなくなり、スムーズな交通の妨げになる」と訴えた。

自転車に後ろにつかれるのはイヤ バス運転手の本音

 国道246号では、朝の通勤時間帯は左端の車線がバス専用レーンとなるが、自転車の通行も認められている。ただ、それをいいことに傍若無人に走行する自転車もいることに対して、バス運転手の2人から本音が聞かれた。

 まず、公共交通機関であるバスは、事故が許されない。自転車との事故を起こせば、多くの利用者に多大な迷惑がかかるし、会社での立場も悪くなる。一方、どんなに自転車が危険でも、バスが急ブレーキをかけると多くの乗客にケガを負わせるリスクがある。だから、ひたすら事故を起こさないよう保守的にならざるを得ないのだという。

 恐いのは、バスが右折する際の左後方。車体が長いため、後輪の軌跡よりも車体の最後尾部分が1mも左に出るという。つまり、バスの後方で自転車がすぐ脇を走り抜けようとすると、右折するバスのテール部分がググッと迫ってきて接触するリスクが高いというのだ。

 この事はパネリストをはじめ会場のほとんどの人が認識しておらず、驚きの声が上がった。運転手の2人は、直進時であってもバスの後ろにくっついて走られるのはとてもイヤであり、できれば前に出てほしいと訴えた。

バス共用自転車レーンを広めるために

 シンポジウムでは、バス専用レーンや自転車レーンを設けてクルマの走行車線を減らすことは、交通環境の改善につながるとの指摘が上がった。クルマの走行車線を減らせば、渋滞が起こりやすくなるためマイカーなどの利用が減り、その分、バスや電車、自転車の利用が増えるだろう。それは結果的に渋滞対策にもなり、地球環境にも良いのでは――と議論は発展した。

 そして、国交省東京国道事務所の西尾所長より、国道246号へのバス共用自転車レーン設置方針が表明された。道路の左側端に自転車レーンを設けたうえで、朝の混雑時は左端の車道をバスレーンとして運用するもので、自転車の走行帯を明示することで、従来のような混走による危険が減るという。交通集中の激しい幹線道路へのバス共用自転車レーン設置は、国交省にとってもチャレンジングであるが、これをモデルケースとして東京一円に、さらには全国へ広げるきっかけにしていきたいとの考えが示された。

(レポート 瀬戸圭祐)

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