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ツアー・オブ・ジャパン2014 第5ステージタブリーズ勢のミズバニが優勝、ポルセイェディゴラコールが総合首位 ポッツァート、西谷、宮澤らは失格

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 ツアー・オブ・ジャパン(TOJ)の第5ステージ(伊豆ステージ)が24日、静岡県伊豆市の日本サイクルスポーツセンターで行われた。レースは序盤から逃げたグループのうち3人がゴールまで逃げ切り、ガーデル・ミズバニ・イラナグ(イラン、タブリーズペトロケミカル)が優勝。チームメートで3位に入ったミルサマ・ポルセイェディゴラコールが、個人総合成績で3位から逆転して首位に立った。最終・第6ステージは平坦なレースで差がつきにくいことから、ポルセイェディゴラコールは個人総合優勝をほぼ手中に収めた。

最後の上りで抜け出したガーデル・ミズバニ・イラナグ(イラン、タブリーズペトロケミカル)。現役イラン王者で、アジア王者をはじめ数々の栄光に輝いた38歳大ベテラン。イランのスター選手だ最後の上りで抜け出したガーデル・ミズバニ・イラナグ(イラン、タブリーズペトロケミカル)。現役イラン王者で、アジア王者をはじめ数々の栄光に輝いた38歳大ベテラン。イランのスター選手だ

 レースは、日本競輪学校に隣接する日本サイクルスポーツセンターの敷地を中心に特設された1周12.2kmの周回コースを12周、146.4kmで争われた。一般に開放されている5kmサーキットではなく、普段使われない隠しコースや外周道路、競輪学校の敷地内の道路などを複雑に組み合わせたコースを使用。平坦区間はほとんどなく、ひたすらアップダウンが繰り返され、レース全体の獲得標高は4000mに達する。個人総合争いの最後の山場となるステージだ。

 前日までの総合首位に立つグレガ・ボーレ(スロベニア、ヴィーニファンティーニ・NIPPO・デローザ)に対し、同2位のポルセイェディゴラコールが17秒差、3位のトマ・ルバ(フランス、ブリヂストンアンカー)が22秒差と僅差でこの日を迎え、各チームとも緊張感を漂わせるなかでのスタートとなった。

1周目の上りで積極的な攻撃を見せる増田成幸(宇都宮ブリッツェン)1周目の上りで積極的な攻撃を見せる増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
1周目から自ら動く総合2位のポルセイェディゴラコール1周目から自ら動く総合2位のポルセイェディゴラコール
複雑に入り組んだ12.2kmのスペシャルコース複雑に入り組んだ12.2kmのスペシャルコース
逃げグループの5人。先頭を走るのはイランチャンピオンジャージを着るミズバニ逃げグループの5人。先頭を走るのはイランチャンピオンジャージを着るミズバニ
メーン集団先頭はヴィーニファンティーニ・NIPPO・デローザがコントロールメーン集団先頭はヴィーニファンティーニ・NIPPO・デローザがコントロール

 レースは1周目から各チームがアタックを繰り返し、1周目後半には10人ほどの逃げグループが形成された。2周目にはこれが2つに分かれ、遅れた5人は集団が吸収。逃げグループは清水都貴(ブリヂストンアンカー)、ジャイ・クロフォード(オーストラリア、ドラパック)、ヒュー・カーシー(イギリス、ラファ・コンドール・JLT)、そしてミズバニとポルセイェディゴラコールのタブリーズコンビを含む計5人。2周目終了時にはメーン集団との差を約2分に広げた。

 メーン集団はリーダーチームのヴィーニファンティーニ・NIPPOがコントロールするが、ハイペースで逃げる先頭との差をキープするために力を消耗し、レース前半で1人また1人とアシスト選手が脱落してしまう。一時は3分程度に広がった差を2分半まで押し戻した6周目、さらにレースが動いた。

競輪学校のバンクの横を走るメーン集団競輪学校のバンクの横を走るメーン集団
快調に逃げる5人快調に逃げる5人
伊豆ベロドロームの横を通過するメーン集団。競輪学校生が応援伊豆ベロドロームの横を通過するメーン集団。競輪学校生が応援
ガールズケイリンの卵の女子選手たちガールズケイリンの卵の女子選手たち
多くのギャラリーが訪れ、コース脇で応援する多くのギャラリーが訪れ、コース脇で応援する
6周目に入るメーン集団。NIPPOのアシストが徐々に削られている6周目に入るメーン集団。NIPPOのアシストが徐々に削られている

 最初の山岳賞が懸かる6周目の上りで、先頭グループのタブリーズコンビがペースアップ。たまらずクロフォードが遅れてしまう。山岳ポイントは前日まで山岳賞2位に付けるカーシーが1位通過するが、ペースを積極的に作るのはイランの2人だ。必死に食らい付いていた清水も遅れ、先頭は3人に減ったが、集団との差は再び4分にまで開いた。

 メーン集団のヴィーニファンティーニ・NIPPOのアシストは、もう1人だけ。総合トップのボーレは、ほぼ丸裸状態に追い込まれた。ここで攻撃を開始したのがブリヂストンアンカーだ。初山翔、ダミアン・モニエ(フランス)がペースアップし、メーン集団の人数を絞り込む。

6周目にペースを上げ、3人となった逃げグループ6周目にペースを上げ、3人となった逃げグループ
8周目、メーン集団ではブリヂストンアンカーがペースアップ。先頭は初山翔8周目、メーン集団ではブリヂストンアンカーがペースアップ。先頭は初山翔
清水は先頭から遅れてしまった清水は先頭から遅れてしまった
初山、モニエが集団先頭を牽引。後ろにチームUKYOが付ける初山、モニエが集団先頭を牽引。後ろにチームUKYOが付ける
トリビオの傍に付く土井雪広トリビオの傍に付く土井雪広

 一方、先頭の3人は快調に逃げ続ける。ボーナスタイムが設けられるホットスポットは、3つ全てをポルセイェディゴラコールが先頭通過し、合計9秒を獲得。アンカー勢のペースアップで一時縮まったタイム差も、再び5分近くにまで広がり、逃げ切りと総合トップの逆転が濃厚になってきた。

 3人は最終周回を迎えた時点で、メーン集団には3分以上の差をキープ。最後の山岳ポイントはカーシーが先頭で通過し、山岳賞トップを確定させた。残るはゴール争いだ。一方、メーン集団ではチームUKYOが攻撃を見せ、集団がいくつにも分裂する形で最終周回に突入した。

南信州、富士山でも健闘したカーシーが、この日も目立つ走り南信州、富士山でも健闘したカーシーが、この日も目立つ走り
モニエが引くメーン集団。差は縮まらないモニエが引くメーン集団。差は縮まらない
いよいよ残り1周に突入した逃げの3人いよいよ残り1周に突入した逃げの3人
総合優勝を確信してゴールするポルセイェディゴラコール総合優勝を確信してゴールするポルセイェディゴラコール

 先頭グループではミズバニが積極的に牽引し、カーシーは終始苦しそうな表情。フィニッシュラインへの上りを先頭で駆け上がってきたのは、イランチャンピオンのジャージを着るミズバニだ。後ろの2人に差をつけたことを確認すると、ジャージのファスナーを上げ、右手を挙げて1位をアピールしてゴールした。また、カーシーに2位を譲ったポルセイェディゴラコールも、右拳を挙げながらゴール。TOJ個人総合優勝を確実にした瞬間だ。

 メーン集団では、最終周でボーレを含む4人が抜け出す形に。ここから単騎攻撃を仕掛けたボーレが4位でゴールに飛び込み、意地を見せた。日本勢では、この4人の後ろでホセヴィセンテ・トリビオ(スペイン、チームUKYO)と争った増田成幸(宇都宮ブリッツェン)が9位に入ったのが最高位。増田は総合順位をUCIポイント圏内(12位以内)の10位へと上げることに成功した。

4位に入り意地を見せたボーレだが、総合トップからは陥落4位に入り意地を見せたボーレだが、総合トップからは陥落
日本人トップは増田成幸の9位日本人トップは増田成幸の9位
ゴール後のポルセイェディゴラコール。笑みがあふれるゴール後のポルセイェディゴラコール。笑みがあふれる

強すぎるイラン勢 記録的なサバイバルレースに

 「本当はきのう(富士山ステージ)でトップに立ちたかったんだけれど、その前にレースが終わってしまったんだ」と話すポルセイェディゴラコール。序盤からのアタックは、予定通りだったという。チームの本拠地となるイラン・タブリーズは1300mの高地。3000m超級の山に囲まれ、常に山岳でトレーニングを重ねていることが上りでの強さの秘訣だという。

ステージ優勝のミズバニステージ優勝のミズバニ
ついにTOJでもリーダージャージに袖を通したポルセイェディゴラコールついにTOJでもリーダージャージに袖を通したポルセイェディゴラコール
ポイント賞リーダーの座は守ったボーレポイント賞リーダーの座は守ったボーレ
再三積極的なレースを見せたカーシーが山岳賞獲得再三積極的なレースを見せたカーシーが山岳賞獲得
カーシーは新人賞も獲得したカーシーは新人賞も獲得した

 速すぎる先頭グループのあおりを食ったのが、後続のグルペット(完走狙いのマイペース)集団だ。約20人のグルペットが最終周回中盤で先頭にラップアウトされてしまった。場合によっては完走扱いとされることもあるが、この日は救済措置がとられず、全員がこの日で失格となってしまったのだ。

グルペットの先頭でペースを作るポッツァートグルペットの先頭でペースを作るポッツァート

 この中にはフィリッポ・ポッツァート(イタリア、ランプレ・メリダ)をはじめ、昨年のTOJでステージ2勝を挙げた西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)、元全日本王者の宮澤崇史(ヴィーニファンティーニ・NIPPO)、内間康平(ブリヂストンアンカー)といった有力スプリンターも多く含まれ、スプリンターの舞台であるはずの東京ステージを前に、多くの選手がレースを去ることになった。

 この日出走した85選手のうち、完走したのはわずかに41人。初日に出走した6人の全員がリタイアとなったチームが2チーム、1人しか残っていないのが3チーム、また選手が最も多く残っているチームでも4人という、記録的なサバイバルレースとなっている。

 最終・第6ステージ(東京ステージ)は25日、日比谷シティ前を午前11時にスタート。パレード走行で大井埠頭へと移動して周回コースを走る112.7kmの平坦ステージだ。有力スプリンターがほぼ全滅したため、勝負の行方は混沌としている。

(文・写真 米山一輝)

第5ステージ結果
1 ガーデル・ミズバニ・イラナグ(イラン、タブリーズペトロケミカル) +1分53秒
2 ヒュー・カーシー(イギリス、ラファ・コンドール・JLT) +1分19秒
3 ミルサマ・ポルセイェディゴラコール(イラン、タブリーズペトロケミカル) 38分51秒
4 グレガ・ボーレ(スロベニア、ヴィーニファンティーニ・NIPPO) +2分13秒
5 キャメロン・ベイリー(オーストラリア、OCBCシンガポール コンチネンタルサイクリングチーム)
6 アミール・コラドゥーズハグ(イラン、タブリーズペトロケミカル) +1分37秒
7 ベンジャミン・プラド(スペイン、マトリックスパワータグ) +2分44秒
8 ホセヴィセンテ・トリビオ(スペイン、チームUKYO) +1分40秒
9 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
10 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、ドラパック プロフェッショナルサイクリング)

個人総合順位
1 ミルサマ・ポルセイェディゴラコール(イラン、タブリーズペトロケミカル) 12時間42分47秒
2 グレガ・ボーレ(スロベニア、ヴィーニファンティーニ・NIPPO) +1分57秒
3 ガーデル・ミズバニ・イラナグ(イラン、タブリーズペトロケミカル) +3分48秒
4 ホセヴィセンテ・トリビオ(スペイン、チームUKYO) +4分19秒
5 トマ・ルバ(フランス、ブリヂストンアンカー サイクリングチーム) +5分13秒
6 ヒュー・カーシー(イギリス、ラファ・コンドール・JLT) +5分48秒
7 アミール・コラドゥーズハグ(イラン、タブリーズペトロケミカル) +5分54秒
8 キャメロン・ベイリー(オーストラリア、OCBCシンガポール コンチネンタルサイクリングチーム) +6分59秒
9 ベンジャミン・プラド(スペイン、マトリックスパワータグ) +7分28秒
10 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) +8分32秒

ポイント賞
1 グレガ・ボーレ(スロベニア、ヴィーニファンティーニ・NIPPO) 44pts
2 ミルサマ・ポルセイェディゴラコール(イラン、タブリーズペトロケミカル) 39pts
3 ガーデル・ミズバニ・イラナグ(イラン、タブリーズペトロケミカル) 31pts

山岳賞
1 ヒュー・カーシー(イギリス、ラファ・コンドール・JLT) 32pts
2 ミルサマ・ポルセイェディゴラコール(イラン、タブリーズペトロケミカル) 27pts
3 アイラン・フェルナンデス(スペイン、マトリックスパワータグ) 15pts

新人賞
1 ヒュー・カーシー(イギリス、ラファ・コンドール・JLT) 12時間48分35秒

チーム総合順位
1 タブリーズペトロケミカル チーム 38時間18分17秒
2 チームUKYO +19分25秒
3 ラファ・コンドール・JLT +21分08秒

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