ジロ・デ・イタリア2014 第13ステージイタリアの新鋭カノーラが初勝利 雹が積もる中、スプリンター向けステージで大逃げ成功

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 ジロ・デ・イタリアの第13ステージが23日に行われ、スプリンター向けの平坦ステージながら逃げが決まり、3人による勝負を制したマルコ・カノーラ(イタリア、バルディアーニ・CSF)がグランツール初優勝を決めた。個人総合成績の上位に変動はなく、リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファルマ・クイックステップ)がマリアローザをキープしている。

雹(ひょう)が積もった道を行くプロトン。第13ステージは不安定な天候のなかで行われた雹(ひょう)が積もった道を行くプロトン。第13ステージは不安定な天候のなかで行われた

 この日のコースは、フォッサーノからトリノの東側を通過し、リヴァローロ・カナヴェーゼまで北上する、平坦ステージとしては短い157kmで行われた。123km地点に4級山岳があるものの、目立ったアップダウンはない。終盤は周回コースになっており、残り約23kmでゴール地点を1度通過する。翌日からは山岳2連戦が控え、最終週も山岳ステージの多い今年のジロにおいて、スプリンターが勝利を狙える残り少ないチャンスだ。

逃げ続けるエスケープグループ。先頭はカノーラ逃げ続けるエスケープグループ。先頭はカノーラ

 逃げ集団を形成したのは、カノーラ、ジャクソン・ロドリゲス(ベネズエラ、アンドローニジョカットリ・ベネズエラ)、ヘフリーホアン・ロメロ(コロンビア、コロンビア)、ヘルト・ドックス(ベルギー、ロット・ベリソル)、アンジェロ・テュリク(フランス、チーム ヨーロッパカー)、マキシム・ベルコフ(ロシア、チーム カチューシャ)の6人。総合では57分29秒遅れのロドリゲスが最上位で、総合上位争いの脅威になる選手は含まれなかった。

 メーン集団は、今大会3勝を挙げポイント賞で首位に立つナセル・ブアニ(フランス)を擁するエフデジ ポワン エフエルを中心に、スプリンターの勝利を狙うチームがペースをコントロールしていった。157kmと距離が短いためか、逃げ集団とのタイム差は2~3分に程度に留めるという念の入りようで、逃げ集団を吸収してスプリント勝負という平坦ステージの王道的な展開になると思われた。

 しかしレース後半、思わぬ展開が待ち受けていた。ゴール付近で雨が降るなど天候が悪化し、コース上にも濡れた路面が見られ始めた。逃げ集団がカノーラを先頭に4級山岳を通過すると、局地的に雹(ひょう)が積もって白く染まった町並みが現れた。路面のコンディションが悪く、追い上げるメーン集団に対し、オフィシャルバイクがペースを落とすよう指示する場面もあった。

 メーン集団とのタイム差が約1分40秒まで縮まった残り17kmでカノーラがアタックを仕掛けると、テュリクとロドリゲスがこれに対応し、逃げ集団は3人に絞られた。付いてこられないメンバーを振り落とした3人は、協調体制でペースを保っていく。

ステージ4勝目を狙ったナセル・ブアニステージ4勝目を狙ったナセル・ブアニ

 これを追い上げたいメーン集団だったが、前方からはスプリンターチームが姿を消し、オメガファルマ・クイックステップやBMCレーシングなど総合上位を争うチームが牽引する姿が見られるようになった。残り10kmでタイム差は1分20秒と、思うように縮まっていなかった。

 スプリンターチームが再びメーン集団前方に集まり始めた残り5kmで、逃げとのタイム差は1分10秒。結果として、追走に加わるのが遅かった。逃げ切りが見えてきた3人は、お互いに牽制する体勢に入った。

 残り1kmになると後方にメーン集団が見える距離まで近づいていたが、3人は勝負に集中。残り270mの最終コーナーでは、軽く加速してから曲がったカノーラがわずかに前に出て、先にスプリントを仕掛けた。ロドリゲス、テュリクと続くが、カノーラは前を譲らず、そのまま粘り強く走りきってステージを制した。

大逃げを決めた3人によるスプリント勝負を、25歳のイタリア人、マルコ・カノーラが制した大逃げを決めた3人によるスプリント勝負を、25歳のイタリア人、マルコ・カノーラが制した

 25歳のカノーラは、逃げ集団を絞る動きを仕掛けるなど積極的にレースを展開し、大逃げを決めることに貢献したうえ、自らステージ優勝をつかみ取った。2012年のツール・ド・ランカウイ(UCIアジアツアー2.HC)でステージ優勝を挙げ、今年3月のティレーノ~アドリアティコでは山岳賞を獲得しているが、これが最も大きな勝利だ。地元イタリアのチームとしてワイルドカードで選出されているバルディアーニ・CSFにとっても、うれしい今大会初のステージ優勝となった。

けがの痛みが取れ始めたという新城幸也けがの痛みが取れ始めたという新城幸也

 日本勢は、別府史之(トレック ファクトリーレーシング)がメーン集団と同タイムとなる11秒遅れのステージ37位、新城幸也(チーム ヨーロッパカー)は41秒遅れの104位でゴールしている。

 翌日からの山岳2連戦は、イタリアの英雄的選手、マルコ・パンターニと縁のあるルートを通る。24日の第14ステージは、アリエから、パンターニがステージ優勝を飾った地であるオローパまで164kmで、4つの山岳が設定されている。序盤にある3級山岳の先には、1級、2級、そして1級の頂上ゴールが待ち受ける。総合系の選手たちによる争いがますます激しくなりそうだ。

(文 平澤尚威/写真 砂田弓弦)

第13ステージ結果
1 マルコ・カノーラ(イタリア、バルディアーニ・CSF) 3時間37分20秒
2 ジャクソン・ロドリゲス(ベネズエラ、アンドローニジョカットリ・ベネズエラ) +0秒
3 アンジェロ・テュリク(フランス、チーム ヨーロッパカー) +0秒
4 ナセル・ブアニ(フランス、エフデジ ポワン エフエル) +11秒
5 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック ファクトリーレーシング) +11秒
6 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール) +11秒
7 ルカ・メズゲッツ(スロベニア、チーム ジャイアント・シマノ) +11秒
8 ベン・スイフト(イギリス、チーム スカイ) +11秒
9 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・シャープ) +11秒
10 ボルト・ボジッチ(スロベニア、アスタナ プロチーム) +11秒
37 別府史之(日本、トレック ファクトリーレーシング) +11秒
104 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +41秒

個人総合(マリアローザ)
1 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファルマ・クイックステップ) 53時間15分06秒
2 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMC レーシングチーム) +37秒
3 ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ) +1分52秒
4 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール ラモンディアル ) +2分32秒
5 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +2分50秒
6 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +3分29秒
7 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +3分37秒
8 ヴァウテル・プールス(オランダ、オメガファルマ・クイックステップ) +4分06秒
9 スティーヴ・モラビト(スイス、BMC レーシングチーム) +4分20秒
10 ロベルト・キセルロウスキー(クロアチア、トレック ファクトリーレーシング) +4分41秒
79 別府史之(日本、トレック ファクトリーレーシング) +1時間09分05秒
128 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +1時間36分0秒

ポイント賞(マリアロッソパッショーネ)
1 ナセル・ブアニ(フランス、エフデジ ポワン エフエル) 251pts
2 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック ファクトリーレーシング) 225pts
3 ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ) 173pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレック ファクトリーレーシング) 75pts
2 ディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ) 39pts
3 ステファノ・ピラッツィ(イタリア、バルディアーニ・CSF) 26pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ) 53時間16分58秒
2 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +58秒
3 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +1分37秒

チーム総合
1 オメガファルマ・クイックステップ 159時間03分38秒
2 アージェードゥーゼール ラモンディアル  +5分32秒
3 BMC レーシングチーム +7分46秒

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