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ツアー・オブ・ジャパン2014 第4ステージ富士山でタブリーズ勢大暴れ ポルセイェディゴラコールが新記録で優勝、NIPPOのボーレが総合首位に

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 ツアー・オブ・ジャパン(TOJ)は23日、第4ステージとなる富士山ステージが静岡県小山町で開催され、ミルサマ・ポルセイェディゴラコール(イラン、タブリーズペトロケミカル)が38分51秒のコースレコードで優勝した。個人総合ではグレガ・ボーレ(スロベニア、ヴィーニファンティーニ・NIPPO)が首位に立っている。

驚異的なコースレコードで富士山を制したミルサマ・ポルセイェディゴラコール(イラン、タブリーズペトロケミカル) (C)TOJ2014驚異的なコースレコードで富士山を制したミルサマ・ポルセイェディゴラコール(イラン、タブリーズペトロケミカル) (C)TOJ2014

 TOJの名物でもあり、最大の勝負所であるヒルクライムレース。ふじあざみラインを5合目まで上る富士山ステージは、全長わずか11.4kmで標高差約1200mを駆け上がり、最大勾配は22%に達する。本場ヨーロッパの超級山岳にも引けを取らない難コースだ。

 小山町須走の市街地でのパレードの後にレースはリアルスタートを切るが、この日はトラブルが発生した。パレード終了時に一旦停止して数分間のインターバルが置かれるところを、予定より早く号砲が鳴らされてしまったのだ。リアルスタートの時間までに準備のため、チームカーなど後方に下がっていた一部の選手が出遅れることになったが、大勢に影響がないという判断で、そのままスタートとなった。

須走の市街地にチームカーがずらり並んだ須走の市街地にチームカーがずらり並んだ
スタート地点付近を往復してウォーミングアップするタブリーズペトロケミカルの選手たちスタート地点付近を往復してウォーミングアップするタブリーズペトロケミカルの選手たち
スタートラインに並んだ各賞リーダージャージの4選手スタートラインに並んだ各賞リーダージャージの4選手

 レースは最初の1kmから、UCIアジアツアーのランキング1位を走る最強軍団、イランのタブリーズペトロケミカルが総攻撃を仕掛けた。まずガーデル・ミズバニ・イラナグとカリム・ホーラミの2人がアタック。序盤のメーン集団はドラパック勢が前方を固めて、ハイペースでペースをコントロールするが、イランの2人は集団から約20秒先行する。

先行したチームメートのコラドゥーズハグに合流したポルセイェディゴラコール。ここからさらに先頭へとジャンプアップ (C)TOJ2014先行したチームメートのコラドゥーズハグに合流したポルセイェディゴラコール。ここからさらに先頭へとジャンプアップ (C)TOJ2014

 しばらくしてホーラミが後退してミズバニが単独先頭になると、今度はアミール・コラドゥーズハグが集団からアタック。それに続いて、エースと目されるポルセイェディゴラコールがついに動いた。集団からアタックして前を行くコラドゥーズハグに追い付くと、さらにそこから飛び出し、先頭のミズバニにまで追い付いた。

 ポルセイェディゴラコールはさらにミズバニもパス。4kmを残して単独先頭に立った。後続もミズバニ、コラドゥーズハグとイラン勢。続く急勾配区間で、メーン集団もバラバラとなり、それぞれ単独もしくは小集団で頂上を目指す。日本人選手は清水都貴(ブリヂストンアンカー)、増田成幸(宇都宮ブリッツェン)、中根英登(愛三工業レーシングチーム)らが10番台の順位でパックを作る。

 結局、ポルセイェディゴラコールは2位に1分以上の大差をつけ、昨年記録されたコースレコード(39分47秒)を1分近く更新する38分51秒の驚異的なタイムで優勝を飾った。昨年のツアー・オブ・チンハイレイク(中国)、今年のツール・ド・ランカウイ(マレーシア)と、アジアの超級レースを連覇中のポルセイェディゴラコール。いずれも山頂ゴールの難関ステージで力を発揮しており、その実力をこのTOJでも見せつけた。

2位でゴールしたのは南信州ステージでも積極的な走りで魅せたカーシー2位でゴールしたのは南信州ステージでも積極的な走りで魅せたカーシー
ステージ5位のボーレが総合首位に立ったステージ5位のボーレが総合首位に立った
日本人トップは15位ゴールの清水都貴(ブリヂストンアンカー)日本人トップは15位ゴールの清水都貴(ブリヂストンアンカー)
16位でゴールした増田成幸(宇都宮ブリッツェン)16位でゴールした増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
18位の中根英登(愛三工業レーシングチーム)18位の中根英登(愛三工業レーシングチーム)
「沿道の応援が嬉しかった」と語るポルセイェディゴラコール。個人総合も2位にアップ「沿道の応援が嬉しかった」と語るポルセイェディゴラコール。個人総合も2位にアップ

 レース後、「富士山で走るのが夢だった。きのう試走して素晴らしいコースだったので、早く今日のレースを走りたくてドキドキしていた」と話したポルセイェディゴラコール。苦手な雨に祟られた南信州ステージで遅れたため、個人総合首位にはわずかに届かなかった。翌24日の伊豆ステージに向けては、「周回レースはイランにないタイプで、日本人向きだけれど、頑張りたい」とだけ語った。

 個人総合争いでトップに立ったのは、前ステージで総合3位につけ、この日2分13秒遅れの6位でゴールしたグレガ・ボーレ(ヴィーニファンティーニ・NIPPO)だ。ポイント賞の青いジャージとともに、総合首位のグリーンジャージも獲得した。総合2位に付けて有力と見られたトマ・ルバ(ブリヂストンアンカー)は、3分35秒遅れの14位と不発だった。

 「きのう試走した時点では、グリーンジャージを取れるとは思っていなかったが、モチベーションを高め、持てる力を出し切ったことで、いい結果に至った」と話すボーレ。かつてランプレに3年、昨年はヴァカンソレイユに所属。クリテリウム・ドゥ・ドーフィネでのステージ優勝など、世界トップレベルでの実績も豊富なレーサーだ。

総合首位のグリーンジャージを獲得したボーレ。ポイント賞も同時に保持する総合首位のグリーンジャージを獲得したボーレ。ポイント賞も同時に保持する
ルバは14位と不発だった。総合では22秒差の3位にルバは14位と不発だった。総合では22秒差の3位に

 今年はチームとの契約が得られない状況が続いたが、4月にヴィーニファンティーニ・NIPPOへ新加入。5月に入ってポーランドで開催されたレースでは、ベテランの強豪選手、ダビデ・レベリンを破って勝利を挙げる好調ぶりを見せている。

 総合首位のボーレに対し、2位のポルセイェディゴラコールは17秒差、3位のルバは22秒差と僅差での争い。24日の伊豆ステージは厳しいアップダウンがひたすら続く146.4kmのレースとなり、総合優勝をめぐる攻防がヒートアップすることだろう。

(文 米山一輝/写真 米山一輝、TOJ2014)

第4ステージ結果
1 ミルサマ・ポルセイェディゴラコール(イラン、タブリーズペトロケミカル) 38分51秒
2 ヒュー・カーシー(イギリス、ラファ・コンドール・JLT) +1分19秒
3 ダミアン・モニエ(フランス、ブリヂストンアンカー サイクリングチーム) +1分26秒
4 アミール・コラドゥーズハグ(イラン、タブリーズペトロケミカル) +1分37秒
5 ガーデル・ミズバニ・イラナグ(イラン、タブリーズペトロケミカル) +1分53秒
6 グレガ・ボーレ(スロベニア、ヴィーニファンティーニ・NIPPO) +2分13秒
7 マシュー・クラーク(オーストラリア、アヴァンティ レーシングチーム) +2分36秒
8 ベンジャミン・プラド(スペイン、マトリックスパワータグ) +2分44秒
9 ガファリ・ヴァヒド(イラン、タブリーズペトロケミカル) +2分46秒
10 キャメロン・ベイリー(オーストラリア、OCBCシンガポール コンチネンタルサイクリングチーム) +2分54秒

個人総合順位
1 グレガ・ボーレ(スロベニア、ヴィーニファンティーニ・NIPPO) 8時間28分27秒
2 ミルサマ・ポルセイェディゴラコール(イラン、タブリーズペトロケミカル) +17秒
3 トマ・ルバ(フランス、ブリヂストンアンカー サイクリングチーム) +22秒
4 ホセヴィセンテ・トリビオ(スペイン、チームUKYO) +1分40秒
5 ピエールパオロ・デネグリ(イタリア、ヴィーニファンティーニ・NIPPO) +1分51秒
6 アレッサンドロ・ビソルティ(イタリア、ヴィーニファンティーニ・NIPPO) +3分45秒
7 アミール・コラドゥーズハグ(イラン、タブリーズペトロケミカル) +3分50秒
8 ジャック・ベッキンセール(オーストラリア、アヴァンティ レーシングチーム) +4分02秒
9 清水都貴(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム) +4分06秒
10 ガーデル・ミズバニ・イラナグ(イラン、タブリーズペトロケミカル) +4分09秒

ポイント賞
1 グレガ・ボーレ(スロベニア、ヴィーニファンティーニ・NIPPO) 30pts
2 ニッコロ・ボニファジオ(イタリア、ランプレ・メリダ) 26pts
3 ピエールパオロ・デネグリ(イタリア、ヴィーニファンティーニ・NIPPO) 25pts

山岳賞
1 トマス・ラボウ(オランダ、OCBCシンガポール コンチネンタルサイクリングチーム) 21pts
2 ヒュー・カーシー(イギリス、ラファ・コンドール・JLT) 19pts
3 ミルサマ・ポルセイェディゴラコール(イラン、タブリーズペトロケミカル) 18pts

新人賞
1 アミール・コラドゥーズハグ(イラン、タブリーズペトロケミカル) 8時間32分17秒

チーム総合順位
1 ヴィーニファンティーニ・NIPPO 25時間30分29秒
2 ブリヂストンアンカー サイクリングチーム +2分22秒
3 タブリーズペトロケミカル チーム +2分55秒

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