ジロ・デ・イタリア2014 第12ステージウランが個人TTで圧倒的なステージ優勝 エヴァンスに大差つけマリアローザを獲得

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 ジロ・デ・イタリアの第12ステージは22日、41.9kmの個人タイムトライアル(TT)が行われ、2位に1分17秒の大差をつけたリゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファルマ・クイックステップ)がステージ優勝を飾った。ウランは総合首位に立っていたカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMC レーシングチーム)を逆転し、自身初のマリアローザを獲得した。

個人TTでステージ優勝を飾ったリゴベルト・ウランがマリアローザに袖を通した個人TTでステージ優勝を飾ったリゴベルト・ウランがマリアローザに袖を通した

 今大会に2ステージ用意された個人TTの1回目は、高級ワインの産地であるバルバレスコとバローロをスタート・ゴール地点とする41.9kmで行われた。スタートから12.6km地点の第1計測までが上り基調、そこから下り基調で26.2km地点に第2計測。しばらく平坦区間となり、ラスト8kmをからは上り、下り、最後にまた上りという、難易度の高いTTだ。

コースは世界的に有名なワインの産地に設定されたコースは世界的に有名なワインの産地に設定された

 TTスペシャリストよりもオールラウンダーやクライマー向けのレイアウトで、TTを得意とする総合上位勢にとってはライバルを突き放すチャンスとなる。しかし、クライマー系の選手たちもタイム差を少なく抑えられる可能性があるコースだ。

 総合下位の選手から順に1分間隔、上位20人は3分間隔でスタート。この日は天候が大きく変化し、レース開始時は晴れていたものの途中から大雨が降り、総合上位勢が出走する頃には再び晴れて路面状況も回復。中盤に出走した選手たちにとっては不運なコンディションとなった。

 序盤にスタートした選手のなかでは、パトリック・グレーチュ(ドイツ、アージェードゥーゼール ラモンディアル)が59分46秒という好タイムをマークした。そして、2012年のジロで総合3位だったトマス・デヘント(ベルギー、オメガファルマ・クイックステップ)がトップタイムを5秒更新。

好タイムをマークし2位に入ったディエーゴ・ウリッシ好タイムをマークし2位に入ったディエーゴ・ウリッシ

 その後、ディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)が、デヘントの記録を破った。ウリッシは前日に落車による遅れで総合順位を7位から21位に落としていたが、この日は2つの中間計測でトップタイムを叩き出すと、ゴールではトップタイムを50秒も上回り、ステージ優勝を期待しつつ残り20人の結果を待った。

 総合上位勢では、4位のドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール ラモンディアル )が第1計測でこの日の最速タイムを記録したが、下りと平坦ではペースが上がらず、ウリッシからは52秒遅れでゴール。総合3位のラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)は安定した走りでステージ4位入り、新人賞争いでのリードを広げた。

 そして、最後から2番目に出走したウランが、驚異的な走りを見せた。第1計測こそポッツォヴィーヴォから15秒遅れの2位で通過したものの、その後も失速することなく、第2計測ではウリッシを27秒上回る最速タイムをマーク。そこからゴールまでの区間でも圧倒的なペースは衰えず、ウリッシに対して1分17秒という大差をつけた。後ろを走るエヴァンスの中間計測のタイムを見ると、その時点で勝利は確定的だった。

ウランの遅れを取ったカデル・エヴァンスウランの遅れを取ったカデル・エヴァンス

 このステージ向きの選手として優勝候補に挙げられていたマリアローザのエヴァンスは、予想外の苦戦を強いられた。中間計測は2つともトップから約1分遅れというペースで通過。終盤に、得意の下りでオーバーランするなど、どこかが噛み合っていない走りになってしまった。結果的には3位でゴールしたが、ウランから1分34秒遅れたことでマリアローザを失うことに。

 2年前に新人賞を獲得し、昨年にはステージ初優勝を挙げたウランが、ついに初めてマリアローザに袖を通した。この勝利で、エヴァンスに対して37秒のリードを奪うことに成功した。

2位に1分17秒をつける驚異的な走りを見せたリゴベルト・ウラン2位に1分17秒をつける驚異的な走りを見せたリゴベルト・ウラン

 オメガファルマ・クイックステップはこのステージで、ウランに加えて、ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア)が5位、ヴァウテル・プールス(オランダ)が6位、さらにデヘントが8位と、トップ10に4人が名を連ねた。追う立場から追われる立場に変わるウランにとって、好調なチームメートの存在は心強いはずだ。

 日本勢は、新城幸也(チーム ヨーロッパカー)が5分44秒遅れのステージ63位、別府史之(トレック ファクトリーレーシング)が6分59秒遅れの92位でゴールしている。

 翌日の第13ステージは、フォッサーノ~リヴァローロ・カナヴェーゼまでの158kmで行われる平坦ステージ。多少のアップダウンがあるものの、週末の山岳2連戦を前に、スプリンターによる勝負となる可能性が高そうだ。

(文 平澤尚威/写真 砂田弓弦)

第12ステージ結果
1 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファルマ・クイックステップ) 57分34秒
2 ディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ) +1分17秒
3 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMC レーシングチーム) +1分34秒
4 ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ) +1分39秒
5 ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、オメガファルマ・クイックステップ) +1分53秒
6 ヴァウテル・プールス(オランダ、オメガファルマ・クイックステップ) +2分00秒
7 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +2分03秒
8 トマス・デヘント(ベルギー、オメガファルマ・クイックステップ) +2分07秒
9 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール ラモンディアル ) +2分09秒
10 パトリック・グレーチュ(ドイツ、アージェードゥーゼール ラモンディアル ) +2分12秒
63 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +5分44秒
92 別府史之(日本、トレック ファクトリーレーシング) +6分59秒

個人総合(マリアローザ)
1 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファルマ・クイックステップ) 49時間37分35秒
2 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMC レーシングチーム) +37秒
3 ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ) +1分52秒
4 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール ラモンディアル ) +2分32秒
5 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +2分50秒
6 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +3分29秒
7 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +3分37秒
8 ヴァウテル・プールス(オランダ、オメガファルマ・クイックステップ) +4分06秒
9 スティーヴ・モラビト(スイス、BMC レーシングチーム) +4分20秒
10 ロベルト・キセルロウスキー(クロアチア、トレック ファクトリーレーシング) +4分41秒
82 別府史之(日本、トレック ファクトリーレーシング) +1時間09分05秒
128 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +1時間35分30秒

ポイント賞(マリアロッソパッショーネ)
1 ナセル・ブアニ(フランス、エフデジ ポワン エフエル) 220pts
2 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック ファクトリーレーシング) 196pts
3 ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ) 156pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレック ファクトリーレーシング) 75pts
2 ディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ) 39pts
3 ステファノ・ピラッツィ(イタリア、バルディアーニ・CSF) 26pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ) 49時間39分27秒
2 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +58秒
3 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +1分37秒

チーム総合
1 オメガファルマ・クイックステップ 148時間11分05秒
2 アージェードゥーゼール ラモンディアル  +5分32秒
3 BMC レーシングチーム +7分46秒

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