ジロ・デ・イタリア2014 第9ステージ逃げて、抜け出し、山頂のスプリントも制したウイーニングが勝利 総合首位のエヴァンスは安泰

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 ジロ・デ・イタリア第9ステージは18日、ルーゴからセストラまでの172kmで行われ、序盤に逃げグループに乗ったピーテル・ウイーニング(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)が終盤の山岳で抜け出し、最後は2人によるスプリント勝負を制して優勝した。個人総合首位(マリアローザ)はカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMC レーシングチーム)が維持した。

ゴールスプリントを制したピーテル・ウイーニング(オリカ・グリーンエッジ)ゴールスプリントを制したピーテル・ウイーニング(オリカ・グリーンエッジ)

 翌日に2回目の休息日を控えるこの日は、弟8ステージに続いて山頂ゴールのステージが用意された。後半に3級、4級、2級の山岳を設定。特にセストラを目指す最後の上りは、16.5kmと距離が長めで、最大勾配は13%に達する。

前日までマリアローザを着ていたマイケル・マシューズ(オリカ・グリーンエッジ)は、中盤に落車して右足を負傷。チームメイトに励まされて復帰した前日までマリアローザを着ていたマイケル・マシューズ(オリカ・グリーンエッジ)は、中盤に落車して右足を負傷。チームメイトに励まされて復帰した

 スタート後まもなくジュリアン・ベラール(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル)、ヨナタンアレハンドロ・モンサルベ(ベネズエラ、ネーリソットーリ)、ウイーニング、トッシュ・ヴァンデルザンド(ベルギー、ロット・ベリソル)、ダヴィデ・マラカルネ(イタリア、チーム ヨーロッパカー)、エドアルド・ヴォルガノフ(ロシア、チーム カチューシャ)ら14人が逃げグループを形成した。

 この大きなグループが協調して進み、メーン集団との差をなかなか詰めさせない展開となった。逃げグループに総合争いで上位の選手は加わっていない。

マリア・ローザを着て走るカデル・エヴァンス(BMCレーシング)マリア・ローザを着て走るカデル・エヴァンス(BMCレーシング)

 残り60km地点を過ぎ、いよいよ3級山岳へ向かう上りに差し掛かった時点で、逃げとメーン集団の差は約7分30秒。上りに入ると、メーン集団ではマリアローザのエヴァンスを擁するBMCレーシング、新人賞ジャージ(マリアビアンカ)のラファウ・マイカ(ポーランド)を守るティンコフ・サクソなど有力チームがトレインを組んで追走態勢に入った。

 続く4級山岳に入っても、メーン集団ではBMCレーシングがコントロールする場面が目立った。しかし、逃げグループとの差は4分半ほどあり、簡単には縮まらない。

 この山頂を過ぎ、下りが続く残り19km付近で、逃げグループからウイーニングが単独でアタック。続いて最後の2級山岳を上り始めた残り16km付近でマラカルネも抜け出し、ウイーニングと合流した。ヴァンデルザンドとべラールも追走するが、厳しさを増す上り坂に阻まれて前の2人に追いつけない。メーン集団も積極的にペースを上げることはなく、残り10kmを切ってトップの2人との差は4分以上に逆戻り。2人の逃げ切りが確実になってきた。

 ウイーニングとマラカルネは時おり顔を見合わせ、会話をしつつハイペースを維持。お互いに相手の様子を探り合った。残り1kmを切ると、完全にマッチレースの様相に。2人の駆け引きが本格化し、たびたび足を止めてペースを緩めたり、蛇行したりしながら、相手の後ろに位置取ろうとする。

ゴール直前で位置取り争いをするダヴィデ・マラカルネ(右、チーム ヨーロッパカー)とピーテル・ウイーニング(オリカ・グリーンエッジ)ゴール直前で位置取り争いをするダヴィデ・マラカルネ(右、チーム ヨーロッパカー)とピーテル・ウイーニング(オリカ・グリーンエッジ)

 残り200mを切ってついにマラカルネがスパート。しかし背後にぴったりついたウイーニングは残り100mでマラカルネをかわし、トップでゴールへ飛び込んだ。3位に入ったのは、最後の山岳でメーン集団から抜け出したドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール ラモンディアル)。また前日のステージで優勝したディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)は、この日もメーン集団のスプリント争いを制して4位に食い込み、好調ぶりを見せつけた。

 日本の別府史之(日本、トレック ファクトリーレーシング)はメーン集団でアシストを努め、トップから5分45秒遅れ、第5ステージの落車の影響で痛みを抱える新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー)は22分29秒遅れでゴールした。

休養日を前に記者会見に臨むカデル・エヴァンス休養日を前に記者会見に臨むカデル・エヴァンス

 総合争いでは、この日3位に入ったポッツォヴィーヴォが総合10位から4位にまでジャンプアップし、その他に大きな変動はなかった。エヴァンスのマリアローザを守りたいBMCレーシングは、メーン集団を完全にコントロールし、総合争いのライバルたちにつけ入る隙を与えなかった。

 19日の休養日を挟み、20日の第10ステージはモデナからサルソマッジョーレ・テルメまで173kmで争われる。ほぼ平坦なステージだが、残り10kmを切ってから標高差100m程度の丘を越える設定だ。ここで勝負を仕掛ける選手が現れれば、展開が大きく動く可能性がある。

(文 上野嘉之/写真 砂田弓弦)

第9ステージ結果
1 ピーテル・ウイーニング(オランダ、オリカ・グリーンエッジ) 4時間25分51秒
2 ダヴィデ・マラカルネ(イタリア、チーム ヨーロッパカー) +0秒
3 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +42秒
4 ディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ) +1分8秒
5 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファルマ・クイックステップ) +1分8秒
6 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +1分8秒
7 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMC レーシングチーム) +1分8秒
8 ダリオ・カタルド(イタリア、チーム スカイ) +1分8秒
9 ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ) +1分8秒
10 ファビオアンドレス・ドゥアルテ(コロンビア、コロンビア) +1分8秒
57 別府史之(日本、トレック ファクトリーレーシング) +5分45秒
164 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +22分29秒

個人総合(マリアローザ)
1 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMC レーシングチーム) 38時間49分34秒
2 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファルマ・クイックステップ) +57秒
3 ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ) +1分10秒
4 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール ラモンディアル ) +1分20秒
5 スティーヴ・モラビト(スイス、BMC レーシングチーム) +1分31秒
6 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +1分39秒
7 ディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ) +1分43秒
8 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +1分44秒
9 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +1分45秒
10 ロベルト・キセルロウスキー(クロアチア、トレック ファクトリーレーシング) +1分49秒
83 別府史之(日本、トレック ファクトリーレーシング) +48分29秒
125 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +1時間9分17秒

ポイント賞(マリアロッソパッショーネ)
1 ナセル・ブアニ(フランス、エフデジ ポワン エフエル) 166pts
2 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック ファクトリーレーシング) 150pts
3 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール) 139pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレック ファクトリーレーシング) 47pts
2 ディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ) 39pts
3 ステファノ・ピラッツィ(イタリア、バルディアーニ・CSF) 26pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ) 38時間50分44秒
2 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +29秒
3 ディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ) +33秒

チーム総合
1 オメガファルマ・クイックステップ 115時間46分56秒
2 アージェードゥーゼール ラモンディアル +56秒
3 BMCレーシングチーム +1分11秒

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