ジロ・デ・イタリア2014 第8ステージゴール直前の激坂で飛び出したウリッシが今大会2勝目 マリアローザはエヴァンスの手に

  • 一覧

 ジロ・デ・イタリア第8ステージは17日、フォリーニョからモンテコピオーロまでの179kmで行われ、山頂ゴール直前の激坂で飛び出したディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)が第5ステージに続いて2勝目を挙げた。個人総合首位(マリアローザ)の座は、優勝候補の筆頭と目されるカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMC レーシングチーム)へと移った。また山岳賞(マリアアッズーラ)争いでは、昨年まで「チームNIPPO・デローザ」(名称は当時)でエースとして活躍したジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレック ファクトリーレーシング)がトップに立った。日本の別府史之(日本、トレック ファクトリーレーシング)、新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー)はともに後方の集団でゴールした。

今大会2勝目を挙げたディエーゴ・ウリッシ(ランプレ・メリダ)今大会2勝目を挙げたディエーゴ・ウリッシ(ランプレ・メリダ)

 この日はゴールまで約53kmの地点から立て続けに1級、2級、1級の山岳が登場。勾配が10%を超える区間も多く、いよいよ総合優勝争いが本格化するステージとなった。モンテコピオーロのゴール前は13%の上りとなり、クライマーたちの死闘が予想された。

 レースはスタート後まもなくアレドンド、ステファノ・ピラッツィ(イタリア、バルディアーニ・CSF)、ペリグ・ケムヌール(フランス、チーム ヨーロッパカー)、エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チーム スカイ)、カルロスフリアン・キンテロ(コロンビア、コロンビア)ら10人の逃げグループが形成された。

 前半は逃げグループとメーン集団が距離を保ちながら淡々と進行。しかしゴールまで残り55km付近、最初の1級山岳へ向かう上り坂にさしかかると、レースが動いた。メーン集団が急速にペースアップし、それまで6分以上あった逃げグループとの差が残り50km地点で4分余りと、みるみるうちに縮まっていく。この日マリアローザを着て出走したマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)は、このペースアップに対応できず集団から脱落。総合リーダーの座を明け渡すことになった。

スティーヴ・モラビトのアシストを受けて走るカデル・エヴァンス(BMCレーシング)スティーヴ・モラビトのアシストを受けて走るカデル・エヴァンス(BMCレーシング)

 一方、逃げグループでは残り48km付近でピラッツィがペースアップし、集団をふるいにかけた。これに反応できたのはアレドンドとケムヌールだけで、3人でエスケープを継続。後方のメーン集団では、エースのナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア)を乗せたモビスター チームのトレインが強力に牽引し、エヴァンスを擁するBMCレーシングも集団前方でコントロールに加わった。

 残り41kmからいよいよ1級山岳カルペーニャに突入。平均9.9%、最大14%の勾配が6km続く。モビスターが4人のアシストを使い切ると、ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール ラモンディアル )、ピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー)、ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)らエース格の選手が集団前方に集まり、いよいよ決戦の様相を呈してきた。

独走を続けるジュリアン・アレドンド(トレック ファクトリーレーシング)独走を続けるジュリアン・アレドンド(トレック ファクトリーレーシング)

 逃げグループでは、この山岳を3kmほど上ったところでアレドンドがアタック。余裕のある表情を見せつつ単独で先頭に踊り出ると、メーン集団に1分57秒の差を保って山頂を通過していった。

 そして下りの途中で、こんどはメーン集団からローランがが抜け出した。逃げグループから後退してローランを待ち受けていたケムヌールと合流し、2人でグングンと追走。続く2級山岳の途中では、吸収したピラッツィも置き去りにし、ローランは単独でアレドンドを追った。

アレドンドを追うピエール・ローラン(チーム ヨーロッパカー)アレドンドを追うピエール・ローラン(チーム ヨーロッパカー)

 残り10kmを切った2級山岳の山頂で、アレドンドとローランの差は53秒。最後の1級山岳に入り、残り4km付近でアレドンドの顔が苦悶にゆがみ始めた。ローランに追いつかれたアレドンドは、残り1.8kmでついに力尽きた。

 しかし、せっかく先頭に立ったローランを、こんどはメーン集団が追い詰めた。

 散発的なアタックがかかりながら勢いを増した集団は、残り400mでダニエル・モレノ(スペイン、チーム カチューシャ)が強烈なアタックを仕掛けてあっという間ににローランを捕捉。そこからさらに、ロベルト・キセルロウスキー(クロアチア、トレック ファクトリーレーシング)とウリッシが飛び出した。最後は2人によるスプリント勝負を力でねじ伏せたウリッシが、両手を掲げてゴールへ飛び込んだ。

総合成績で首位に立ち、マリアローザを着たカデル・エヴァンス(BMCレーシング)総合成績で首位に立ち、マリアローザを着たカデル・エヴァンス(BMCレーシング)

 クライマーや総合エースたちが山岳でのペースメイクや揺さぶりに消耗戦を強いられる中、集団内でじっと耐えてチャンスをうかがってきたウリッシ。最後はパンチャーらしい瞬発力を発揮し、難しい展開のステージを見事に仕留めた。勝利には届かなかったが、35km以上にわたって山岳で逃げ続けたアレドンドは、グランツールのステージ優勝を狙える実力があることを証明した。そしてレースは今後、マリアローザを着たエヴァンスを中心に展開されることに。2011年のツール・ド・フランス覇者で、37際になったベテランは、残る13のステージで若い力の挑戦を受ける。

 18日の第9ステージも山頂ゴールが設定されている。標高1538mの2級山岳セストラを目指す最後の上りは、16.5kmと距離が長く、残り5.5kmで最大勾配13%の区間が登場する。翌日が2回目の休息日となるだけに、この日勝負をかけるチームが出てくれば、総合成績を左右する動きに発展する可能性がある。

(文 上野嘉之/写真 砂田弓弦)

第8ステージ結果
1 ディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ) 4時間47分47秒
2 ロベルト・キセルロウスキー(クロアチア、トレック ファクトリーレーシング) +0秒
3 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +6秒
4 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)+6秒
5 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMC レーシングチーム) +8秒
6 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファルマ・クイックステップ) +8秒
7 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +8秒
8 ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ) +14秒
9 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +17秒
10 ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ) +20秒
80 別府史之(日本、トレック ファクトリーレーシング) +21分52秒
112 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +27分1秒

個人総合(マリアローザ)
1 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMC レーシングチーム) 34時間22分35秒
2 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファルマ・クイックステップ) +57秒
3 ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ) +1分10秒
4 スティーヴ・モラビト(スイス、BMC レーシングチーム) +1分31秒
5 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +1分39秒
6 ディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ) +1分43秒
7 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +1分44秒
8 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +1分45秒
9 ロベルト・キセルロウスキー(クロアチア、トレック ファクトリーレーシング) +1分49秒
10 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール ラモンディアル ) +1分50秒
104 別府史之(日本、トレック ファクトリーレーシング) +43分52秒
113 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +47分56秒

ポイント賞(マリアロッソパッショーネ)
1 ナセル・ブアニ(フランス、エフデジ ポワン エフエル) 166pts
2 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック ファクトリーレーシング) 150pts
3 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール) 139pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレック ファクトリーレーシング) 47pts
2 ディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ) 35pts
3 ステファノ・ピラッツィ(イタリア、バルディアーニ・CSF) 26pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ) 34時間23分45秒
2 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +29秒
3 ディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ) +33秒

チーム総合
1 BMCレーシングチーム 102時間23分29秒
2 オメガファルマ・クイックステップ +41秒
3 アージェードゥーゼール ラモンディアル +2分56秒

関連記事

この記事のタグ

ジロ・デ・イタリア2014 ジロ2014・レース詳報

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載