ジロ・デ・イタリア2014 第7ステージキレのあるスプリントでブアニが2勝目 別府がアシストで見せ場を作る

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 ジロ・デ・イタリア第7ステージは16日、フロジノーネからフォリーニョまでの211kmで行われた。3日ぶりの平坦ステージとなったこの日、スプリンターによるゴール前の争いを制したのはナセル・ブアニ(フランス、エフデジ ポワン エフエル)。キレのあるスプリントで今大会2勝目を遂げた。個人総合首位(マリアローザ)のマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)は4位に入り、ジャージを守っている。

ジロ・デ・イタリア第7ステージのゴールスプリントを制し表彰台で2勝目をアピールするナセル・ブアニジロ・デ・イタリア第7ステージのゴールスプリントを制し表彰台で2勝目をアピールするナセル・ブアニ

 前日までの第5、第6ステージはともに雨に見舞われ、集団内での落車が多発。総合優勝候補の1人だったホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ)は肋骨と左手親指を骨折。手を骨折し手術を余儀なくされたブレット・ランカスター(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)とともに、この日のスタートラインに立つことができなかった。なお、チーム カチューシャは第6ステージでジャンパオロ・カルーゾ(イタリア)が左半身を打撲、同じくアンヘル・ビシオソ(スペイン)は右大腿骨を3カ所骨折する重傷。すでに3選手がジロを去ることとなった。

 レースは序盤から逃げ狙いのアタックが頻発した。その中から抜け出すことに成功したのは5選手。ニコーラ・ボエーミ(イタリア、バルディアーニ・CSF)、ネイサン・ハース(オーストラリア、ガーミン・シャープ)、ロビンソンエドゥアルド・チャラプド(コロンビア、コロンビア)、ウィナーアンドルー・アナコナ(コロンビア、ランプレ・メリダ)、ビョルン・トゥーラウ(ドイツ、チーム ヨーロッパカー)のメンバーは、メーン集団に対し5分から6分のリードで先を急いだ。

マリア・ローザを着て走るマイケル・マシューズマリア・ローザを着て走るマイケル・マシューズ

 天候は曇り空ながらも、雨の心配はなさそうな気配。ただし、最終盤のコースレイアウトがテクニカルかつ道幅が狭いとあり、集団内での位置取りがポイントとなった。各チーム、中盤以降は落ち着いて進行しながらも、状況次第ではトレインを組んでポジション確保に動けるよう、態勢づくりを整えた。

 スプリンターチームが本格的にコントロールを開始さえすれば、簡単に追いつくと見られていた先行5選手。ところが残り50kmを切ってもタイム差が思うように縮まらない。スプリント勝負を見据える数チームがアシストを出して追走に着手し始めた。

 その中には、別府史之(トレック ファクトリーレーシング)の姿も。別府は上り、下りとメーン集団を長時間牽引する姿が目立ち、好調さをうかがわせる走りを見せた。

終盤、集団の前に上がってきた別府史之終盤、集団の前に上がってきた別府史之

 残り30kmで逃げとメーン集団との差は約4分。同じく20kmでは約2分30秒の差だ。その間、メーン集団では落車やパンクが相次ぎ、中切れが起きる場面もあったが、勝負に大きく左右するほどではない。残り距離が少なくなるにつれて、5選手とのタイム差も徐々に縮小していった。

 危機感を抱いた逃げの5選手は、残り10kmを切ってアタックを試みた。ハース、ボエーミなどが積極的に飛び出しを図るが、いずれも成功にはいたらず。粘りの走りを展開したものの、ラスト3kmでメーン集団に飲み込まれてしまった。

 勝負はスプリントに委ねられることとなった。ジャイアント・シマノ、エフデジ ポワン エフエルのほか、マリアローザのマシューズも好位置につける。総合2位のカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)も、アシストとともに前方で危険回避に努めた。道幅の狭い区間を慎重に進み、テクニカルなコーナーも1つ1つクリア。そして、最終の右コーナーを抜ければゴールまで250mの直線だ。

ジャコモ・ニッツォーロを僅差でおさえたナセル・ブアニ(左)ジャコモ・ニッツォーロを僅差でおさえたナセル・ブアニ(左)

 ベストポジションから発射されたのは、ルカ・メズゲッツ(スロベニア、チーム ジャイアント・シマノ)。続いたのは、ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック ファクトリーレーシング)だ。しかし、後方からグングン伸びてきたのはブアニで、メズゲッツとフェンスの狭いラインを上手く生かし、加速したままゴールへ飛込んだ。並んだニッツォーロとはタイヤ半分ほどの僅差だったが、すぐに勝利を確信し雄たけびを上げて喜びを表現した。

 13日の第4ステージで今大会初勝利を挙げたブアニだったが、このときは雨と危険な路面状況からニュートラル措置(順位・ポイントは有効となるが、ゴールタイムは採用されない)が講じられたため、一部ライバルはスプリントに参戦しないなかでのステージ優勝だった。一転、このステージでは有力スプリンターのほとんどが優勝を目指して走っただけに、大いに価値のある勝利だったと言えるだろう。同時にポイント賞で首位に立ち、マリアロッソパッショーネにも袖を通している。

チームカーから補給を受け取る新城幸也チームカーから補給を受け取る新城幸也

 ステージ上位はスプリンターが占めたが、今後総合争いを繰り広げるであろう選手たちも問題なくゴールしている。ゴールした186選手中157選手(ゴール前3km以内でのトラブル救済を含む)がトップと同タイムとなっている。見せ場を作った別府は53位、新城幸也(チーム ヨーロッパカー)は151位でフィニッシュラインを通過した。

 17日の第8ステージからは、いよいよ難関山岳ステージが登場する。フォリーニョからモンテコピオーロまでの179kmで争われるレースは、ゴール前約53kmから立て続けに1級、2級、1級と山岳が待ち受ける。いずれも勾配が10%を超える区間があり、さらにはモンテコピオーロのゴール前は13%の上り。総合を見据えるオールラウンダーやクライマー、なかでも“激坂ハンター”と呼ばれる選手にピッタリのレイアウトと言えそうだ。そして、マシューズがマリアローザをどこまで守り抜くかにも注目が集まる。

(文 福光俊介/写真 砂田弓弦)

第7ステージ結果
1 ナセル・ブアニ(フランス、エフデジ ポワン エフエル) 5時間16分05秒
2 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック ファクトリーレーシング) +0秒
3 ルカ・メズゲッツ(スロベニア、チーム ジャイアント・シマノ) +0秒
4 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +0秒
5 ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ) +0秒
6 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・シャープ) +0秒
7 エンリーコ・バッタリーン(イタリア、バルディアーニ・CSF) +0秒
8 ボーイ・ファンポッペル(オランダ、トレック ファクトリーレーシング) +0秒
9 イヴァン・ロヴニー(ロシア、ティンコフ・サクソ) +0秒
10 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール) +0秒
53 別府史之(日本、トレック ファクトリーレーシング) +0秒
151 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +0秒

個人総合(マリアローザ)
1 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 29時間34分19秒
2 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMC レーシングチーム) +21秒
3 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファルマ・クイックステップ) +1分18秒
4 ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ) +1分25秒
5 スティーヴ・モラビト(スイス、BMC レーシングチーム) +1分25秒
6 マッテーオ・ラボッティーニ(イタリア、ネーリソットーリ) +1分25秒
7 イヴァン・サンタロミータ(イタリア、オリカ・グリーンエッジ) +1分47秒
8 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +1分51秒
9 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ベリソル) +1分52秒
10 イヴァン・バッソ(イタリア、キャノンデール) +2分6秒
106 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +21分24秒
114 別府史之(日本、トレック ファクトリーレーシング) +22分29秒

ポイント賞(マリアロッソパッショーネ)
1 ナセル・ブアニ(フランス、エフデジ ポワン エフエル) 166pts
2 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック ファクトリーレーシング) 150pts
3 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール) 139pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 14pts
2 マールテン・チャリンギ(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) 12pts
3 ロビンソンエドゥアルド・チャラプド(コロンビア、コロンビア) 9pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 29時間34分19秒
2 ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ) +1分25秒
3 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +1分51秒

チーム総合
1 BMCレーシングチーム 87時間57分38秒
2 ティンコフ・サクソ +1分1秒
3 アージェードゥーゼール ラモンディアル +1分35秒

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