ジロ・デ・イタリア2014 第6ステージ終盤の集団落車で大混乱 マリアローザのマシューズが勝利、エヴァンスは総合2位に浮上

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 ジロ・デ・イタリア第6ステージは15日、サッサーノからモンテカッシーノに至る257kmで行われた。今大会の最長距離で、しかも2級山岳の山頂ゴールとなるこの日、個人総合首位のマリアローザを着るマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)がステージ優勝を飾った。最終局面を目前に集団で大規模な落車が発生したが、日本から出場の新城幸也と別府史之は、それぞれ落車はせず無事にゴールしている。

マイケル・マシューズがマリアローザを着てのステージ優勝を飾ったマイケル・マシューズがマリアローザを着てのステージ優勝を飾った

 この日のレースは、連日続く悪天候の影響で、コース上に地滑りが発生したことから、迂回のために当初予定された247kmから10km延長して行われた。天気はすっきりせず、曇り空はゴールに近づくにつれて小雨模様になり、これが選手たちに再三の災いをもたらした。

4人のエスケープグループが終盤まで逃げ続けた4人のエスケープグループが終盤まで逃げ続けた

 序盤から4人が逃げる展開。マルコ・バンディエーラ(イタリア、アンドローニジョカットリ・ベネズエラ)、エドアルド・ザルディーニ(イタリア、バルディアーニ・CSF)、ロドルフォアンドレス・トレス(コロンビア、コロンビア)、アンドレーア・フェーディ(イタリア、ネーリソットーリ)という、ワイルドカード出場のプロコンチネンタルチームの選手達が、メーン集団に一時は10分以上の差を付けた。

 メーン集団は先頭とのタイム差を調整しながら、淡々と走り続ける。前日に落車でダメージを負った新城幸也(チーム ヨーロッパカー)も、集団後方で別府史之(トレック ファクトリーレーシング)と談笑しながら走る姿がみられ、どうやらケガの影響は少ないようだ。

肩を並べて走る別府と新城肩を並べて走る別府と新城

 逃げとメーン集団のタイム差が6分で迎えた残り60km付近から、徐々に集団の勢いが加速した。この日は残り8kmから上りとなり、ステージ優勝狙いだけでなく個人総合争いの選手たちにとっても、遅れることのできないレースだ。各チームとも選手を前方に集め、エースのための位置取り争いが本格化する。集団は横に広がって密集した状態で、なおかつペースも速い。新城と別府も集団前方でエースのアシストに努めた。

 残り12kmで逃げは吸収され、メーン集団は上り口に向けてさらに加速。そんな中、集団前方で落車が発生した。ラウンドアバウト(円形交差点)の入口で、雨で濡れた路面にタイヤを滑らせた選手が転倒。後方の選手が次々に巻き込まれ、数十人規模の大落車になってしまった。

 勝負所を目前に、集団のスピードと密集度が最も上がっていたタイミングでの落車は、それぞれの選手の運命を大きく分ける結果となった。

 前日のステージで3位に入り、この日も上位を狙っていたジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレック ファクトリーレーシング)は落車でストップして大きく後退。ステージだけでなく総合上位も厳しくなってしまった。ジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、チーム カチューシャ)は体をひどく路面に打ち付け、全く動けない状態。そのまま担架に乗せられて救急車で運ばれた。

 一方、落車を免れ、無傷で前方集団にそのままとどまったのは、わずか10人ほどの選手たち。そのままハイスピードを保って上りに突入し、7人が先頭グループを形成した。注目は、個人総合争いの有力勢でただ一人残ったカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMC レーシングチーム)と、マリアローザを着用するマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)の2人だ。BMCとオリカ・グリーンエッジは、アシスト選手もそれぞれ2人ずつ入ったことで、このグループの勢いは決定的なものになった。

最後の上りでエヴァンスをアシストするダニエル・オス最後の上りでエヴァンスをアシストするダニエル・オス

 これを追う数十人の大集団は、落車したがすぐ再スタートできた選手と、落車しなかったが一瞬足止めを余儀なくされた選手たちで構成。総合有力勢ではナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)をはじめ、リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファルマ・クイックステップ)、イヴァン・バッソ(イタリア、キャノンデール)、ピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー)、ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ)らもこの集団だ。

 先頭グループでは、逃げ切りを図ってエヴァンスに総合タイム差を稼がせようと、BMC勢が積極的な牽引を見せる。追走集団では、総合を狙うキンタナのために何としても差を縮めたいモビスター勢が、猛烈な勢いで追いかける。50秒ほどのタイム差は一時、30秒台にまで縮まるが、捨て身での追撃を仕掛けたモビスターのアシストが残り5kmで全滅すると、追走の勢いは一気に失われてしまった。

オスに続いてエヴァンスを牽引するスティーヴ・モラビトオスに続いてエヴァンスを牽引するスティーヴ・モラビト

 先頭ではBMCのダニエル・オス(イタリア)と、スティーヴ・モラビト(スイス)が、それぞれ仕事を終えた後、残り1kmでエヴァンス自身が先頭に立ってペースアップ。これにマシューズがぴったり付いてマークする。エヴァンスは他の選手に先頭交代を促すことなく、黙々とハイペースを保ち続ける。この日の最大目標はあくまで、総合争いでのタイムを稼ぐことだ。残り100mもエヴァンスが先頭で通過した。

 最後は残り50mでのカーブで、エヴァンスが空けたインコースから2番手のマシューズがスプリントで加速。そのままゴールに飛び込み、マリアローザを着てのステージ優勝を飾った。マシューズは山岳ポイントを獲得したことで山岳賞ジャージも獲得し、新人賞も含め、個人総合4賞のうち3賞を独占することになった。エヴァンスは3位に敗れたものの、ボーナスタイムを含め、総合争いのライバルたちから50秒以上のタイム差を獲得することに成功。目下の総合順位でも2位にまで浮上した。

 16日の第7ステージは、フロジノーネからフォリーニョの211kmで行われ、途中2カ所の山岳ポイントがあるものの、ゴールまでの20kmはフラット。大逃げを狙うグループと、ゴールスプリント勝負を狙うチームとの攻防が注目される。

(文 米山一輝/写真 砂田弓弦)

第6ステージ結果
1 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 6時間37分01秒
2 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ベリソル) +0秒
3 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMC レーシングチーム)
4 マッテーオ・ラボッティーニ(イタリア、ネーリソットーリ)
5 イヴァン・サンタロミータ(イタリア、オリカ・グリーンエッジ) +13秒
6 スティーヴ・モラビト(スイス、BMC レーシングチーム) +23秒
7 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +49秒
8 マウロ・フィネット(イタリア、ネーリソットーリ)
9 ディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)
10 ファビオアンドレス・ドゥアルテ(コロンビア、コロンビア)
101 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +8分40秒
132 別府史之(日本、トレック ファクトリーレーシング) +15分05秒

個人総合(マリアローザ)
1 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 24時間18分14秒
2 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMC レーシングチーム) +21秒
3 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファルマ・クイックステップ) +1分18秒
4 ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ) +1分25秒
5 スティーヴ・モラビト(スイス、BMC レーシングチーム)
6 マッテーオ・ラボッティーニ(イタリア、ネーリソットーリ)
7 イヴァン・サンタロミータ(イタリア、オリカ・グリーンエッジ) +1分47秒
8 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +1分51秒
9 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ベリソル) +1分52秒
10 イヴァン・バッソ(イタリア、キャノンデール) +2分06秒
114 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +21分24秒
121 別府史之(日本、トレック ファクトリーレーシング) +22分29秒

ポイント賞(マリアロッソパッショーネ)
1 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール) 119pts
2 ナセル・ブアニ(フランス、エフデジ ポワン エフエル) 115pts
3 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック ファクトリーレーシング) 106pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 14pts
2 マールテン・チャリンギ(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) 12pts
3 ミゲルアンヘル・ルビアノ(コロンビア、コロンビア) 9pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 24時間18分14秒
2 ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ) +1分25秒
3 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +1分51秒

チーム総合
1 BMC レーシングチーム 72時間09分23秒
2 ティンコフ・サクソ +1分01秒
3 アージェードゥーゼール ラモンディアル  +1分35秒

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