ジロ・デ・イタリア2014 第4ステージブアニがスプリントでグランツール初勝利 悪条件に総合はニュートラル措置、キッテル未出走

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 ジロ・デ・イタリアは13日、第4ステージが行われ、ゴール直前で立て続けに起こった落車を上手くかわしたナセル・ブアニ(フランス、エフデジ ポワン エフエル)がステージ優勝。グランツールでは初めての勝利を挙げた。この日、雨とそれに伴う路面状況の不安により、選手たちがレースを自発的にニュートラル(順位・ポイントは有効となるが、ゴールタイムは採用されない)とすることを判断。コミッセールらとの協議の末、別府史之(トレック ファクトリーレーシング)、新城幸也(チーム ヨーロッパカー)を含む大多数の選手が同タイム扱いと認められている。

ジロ・デ・イタリア初勝利を収めたナセル・ブアニ(フランス、エフデジ ポワン エフエル)ジロ・デ・イタリア初勝利を収めたナセル・ブアニ(フランス、エフデジ ポワン エフエル)

 開幕から3日間をイギリス・北アイルランドとアイルランド共和国で過ごしたジロ。12日に今大会1度目の休息日が設けられ、選手・関係者らは空路でイタリア南東部へ移動する慌ただしい時間を過ごした。主催者は移動時の負担や、体力面を考慮し、再開後最初のステージを112kmと今大会最短距離に設定。アドリア海に面したジョヴィナッツォをスタートし東へ進路をとったのち、バーリ市街地を8周回するルートだ。

 この日のスタート時に驚きのニュースが伝えられた。第2、第3ステージを連勝し、ポイント賞の証である赤ジャージ、マリアロッソパッショーネを着用していたマルセル・キッテル(ドイツ、チーム ジャイアント・シマノ)が発熱のためスタートしないことが発表されたのだ。キッテルは第3ステージの段階で体調に異変をきたしており、それを克服しての勝利だったが、今後のレースを見据え無理しないことを決断している。

スタート付近の観客。スタッフもピンクスタート付近の観客。スタッフもピンク
ピンクのコルナゴC60に乗る新城幸也ピンクのコルナゴC60に乗る新城幸也

 そんななかスタートした一行だが、天候はまたしても雨。イタリア南部の滑りやすい道路舗装を考慮し、選手たちは一団のままバーリを目指す。途中、ルカ・パオリーニ(イタリア、チーム カチューシャ)が、選手の前を走るオフィシャルカーに数回にわたり相談に行く姿が見られた。

 やがてバーリ市街地の周回コースへと入ると、雨の不安とともにコースのテクニカルさが選手を悩ませた。ゴールまで55kmを残し、リーダーチームのオリカ・グリーンエッジが集団全体に対し、順位を争わない意思をジェスチャーで盛んに示し始める。落ち着きを見せる選手が多い一方で、この決定に抗議するチームや選手も現れ、集団前方はピリピリムード。

 選手間、さらにはコミッセールらを交えた話し合いの末、最終的にバーリ市街地8周回のレースは予定通り行われ、順位とポイントは争われることとなる。一方で、ゴールタイムは7周回終了時点のものが採用となり、最後の1周は記録上ニュートラルとの決定がなされた。

集団の中の別府史之(中央)集団の中の別府史之(中央)

 残り33kmの中間スプリントに向けてスプリンターチームを中心に、この日初めてレースが活性化する。ここはキャノンデールトレインが機能し、エースのエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)がトップで通過している。

 その後は再びオリカ・グリーンエッジが先導をしたまま、残り1周の鐘が鳴らされた。この時点でブアニはパンクのため最後尾からの追走を余儀なくされていた。それに対し、ゴールに向けてペースが上がる集団。安全策をとり、ゆっくりとゴールを目指す選手を尻目に、スプリンターチームが主導権争いを繰り広げる。

 そして、誰もが恐れていた事態がラスト2kmで発生する。右、左と続くコーナーで立て続けにクラッシュが発生。スプリント態勢を整えていた選手たちの多くが巻き込まれてしまう。前方で落車を逃れた7選手ほどでステージ優勝が争われる形となった。

 ゴール前の最終コーナーを先頭で抜けたのは、トム・フィーレルス(オランダ、チーム ジャイアント・シマノ)。一気の加速で後続を引き離す。しかし、ゴールを目前に猛然と追い上げたのはブアニだ。フィーレルスをパスすると、ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック ファクトリーレーシング)の追い上げもかわし、トップでゴールラインを通過した。

 ブアニにとっては、ジロ初勝利であると同時に、念願のグランツール1勝目。一時は集団から後れながらも、執念の走りで自らを勝利へと導いた。また、集団再合流からスプリントポジションの確保までを担ったアシストの働きも見事だった。

マリア・ローザを守ったマシューズマリア・ローザを守ったマシューズ

 実質1周回を残しレースが終わっていたことから、大半の選手が危険回避のためゆっくりとゴールへと進んだ。マリアローザを着用するマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)も、スプリントは回避。総合優勝候補の選手たちも後方で1日を終えている。

 日本勢は、ニッツォーロのスプリントをアシストした別府史之(トレック ファクトリーレーシング)が25位、新城幸也(チーム ヨーロッパカー)が112位でゴールしている。

 14日の第5ステージは、タラントからヴィジャーノまでの200km。今大会最初の中級山岳ステージで、頂上ゴールが待ち受ける。最終盤にそびえる2つの4級山岳が勝負を分ける。総合優勝候補にとっては取りこぼしが許されないほか、ここまでマリアローザを守ってきたマシューズがどれだけの走りを見せるかにも注目だ。

(文 福光俊介/写真 砂田弓弦)

第4ステージ結果
1 ナセル・ブアニ(フランス、エフデジ ポワン エフエル) 2時間22分6秒
2 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック ファクトリーレーシング) +0秒
3 トム・フィーレルス(オランダ、チーム ジャイアント・シマノ) +0秒
4 ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ) +0秒
5 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール) +0秒
6 マッテーオ・モンタグーティ(イタリア、アージェードゥーゼール ラモンディアル ) +0秒
7 ケニー・デハース(ベルギー、ロット・ベリソル) +0秒
8 ルカ・メズゲッツ(スロベニア、チーム ジャイアント・シマノ) +0秒
9 ベルト・デバッケル(ベルギー、チーム ジャイアント・シマノ) +0秒
10 フランチェスコ・キッキ(イタリア、ネーリソットーリ) +0秒
25 別府史之(日本、トレック ファクトリーレーシング) +0秒
112 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +0秒

個人総合(マリアローザ)
1 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 12時間28分43秒
2 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、オメガファルマ・クイックステップ) +8秒
3 ダニエル・オス(イタリア、BMC レーシングチーム) +10秒
4 イヴァン・サンタロミータ(イタリア、オリカ・グリーンエッジ)スヴェイン・タフト(カナダ、オリカ・グリーンエッジ) +14秒
5 ピーテル・ウイーニング(オランダ、オリカ・グリーンエッジ) +14秒
6 ルーク・ダルブリッジ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +14秒
7 +8秒
8 セルジュ・パウェルス(ベルギー、オメガファルマ・クイックステップ) +19秒
9 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファルマ・クイックステップ) +19秒
10 ジュリアン・ヴェルモート(ベルギー、オメガファルマ・クイックステップ) +19秒
48 別府史之(日本、トレック ファクトリーレーシング) +1分3秒
128 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +2分2秒

ポイント賞(マリアロッソパッショーネ)
1 ナセル・ブアニ(フランス、エフデジ ポワン エフエル) 115pts
2 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール) 113pts
3 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック ファクトリーレーシング) 106pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 マールテン・チャリンギ(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) 12pts
2 アンドレーア・フェーディ(イタリア、ネーリソットーリ) 3pts
3 ヨンデルエドゥアルド・ゴドイ(ベネズエラ、アンドローニジョカットリ・ベネズエラ) 2pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 12時間28分43秒
2 ルーク・ダルブリッジ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +14秒
3 ジュリアン・ヴェルモート(ベルギー、オメガファルマ・クイックステップ) +19秒

チーム総合
1 オリカ・グリーンエッジ 36時間37分2秒
2 オメガファルマ・クイックステップ +19秒
3 BMCレーシングチーム +21秒

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