クローズアップ「全身全霊で自転車を楽しむ」 “ヒルチャレ”シリーズ親善大使を務める「T-SQUARE」伊東たけしさん

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「ヒルクライムチャレンジシリーズ2012」の親善大使を務める伊東たけしさん「ヒルクライムチャレンジシリーズ2012」の親善大使を務める伊東たけしさん

 F1番組のテーマ曲「TRUTH」や、かつてのツール・ド・フランス番組のテーマ曲「CHASER」などで知られる「T-SQUARE」の伊東たけしさん(58)。サックス、EWI(ウィンドシンセサイザー)、フルートの奏者である一方、大の自転車好きでもあり、今年6月~12月に8大会が開催される「ヒルクライムチャレンジシリーズ2012」の親善大使を務めている。伊東さんに、自身の自転車の楽しみ方や、ヒルクライムの魅力についてうかがった。(聞き手 柄沢亜希)

コルナゴで自転車熱が再燃

 「モノコック、いいでしょう」――閑静な住宅街にあるレストランのオープンテラスで、モノコック(一体成型)フレームの愛車「LOOK 695」を前に、伊東さんとのノンストップ自転車談義が始まった。

 スポーツサイクルには、子供のころから親しみを持っていた。中学生の時に、ダブルレバーの変速装置が付いたツーリング車で富士山へのサイクリングをした経験もある。ただ、ミュージシャンの道を歩んでからは、サイクリングに縁のない生活だった。

「ヒルクライムチャレンジシリーズ2012」の親善大使を務める伊東たけしさん「ヒルクライムチャレンジシリーズ2012」の親善大使を務める伊東たけしさん

 自転車熱が再燃したのは2007年。友人に付き添って、東京・神宮前にある自転車店「なるしまフレンド」を訪れたことがきっかけだ。

 「ダブルレバーでなく、ブレーキレバーと一体化した現在のシフトレバーに感動しました。試乗させてもらったコルナゴ社のアルミフレームのバイクは、即買いでしたね」。そうして始めた自転車ライフにどっぷりとハマり、その後、わずか1年で3台を購入していった。

 最大で一度に5台を所有していたという伊東さんは、しかし自身は「コレクターではない」と言う。「乗らなきゃ本当の良さは分かりません。今では2台に減らし、それぞれの乗り味を楽しんでいます」。

 例えば、自慢の愛車「695」の乗り味は、「ヤなかんじ」。その理由を尋ねると、「ビシッとしていて、しっかり操らないと真っ直ぐに進まないイメージ。まるで『ボクは何も間違ってない。おまえがちゃんと乗れ!』と言わんとしているような。そして僕はそれが嫌いじゃない(笑)」。

自転車に乗って感覚を解き放つ

 バックカントリースキー(山スキー)といったスポーツをこなしてきた伊東さんだが、自転車に乗り始めて、これまでなかった体の変化を感じているという。「代謝が確実によくなりましたし、有酸素運動の繰り返しで心肺機能も向上しています。走っていれば良質な筋肉になることも実感しています」と話す伊東さんの体躯に目を向ける。182cmと大柄で引き締まった体つきは、50代後半であることを全く感じさせない。

「ヒルクライムチャレンジシリーズ2012」の大会公式親善大使となった、「T-SQUARE」伊東たけしさん

 自転車に乗っている時には、感覚が「覚醒している」とも言う。路面から感じる振動や流れる景色といった環境すべてを、直感で受け止める。そんな風に、緊張とは異なる集中力をもって自転車に乗る伊東さんは、これまで大きなけがはしたことがない。

 「ライド中は、本業の音楽のことやその他の雑念が何もありません。全身全霊で自転車を楽しんでいる。それでスピードが速くなるようなことがあると、自分自身が向上したようで嬉しい」

 あたかも、肉体と一体化した自転車で道を駆っていく野生動物のようだ、という印象を受ける。

自分自身と“戦う” ヒルクライムの魅力

 普段は仕事の合間に週3、4回のライドを楽しみ、月間の走行距離は500~600kmになるという。体にピッタリとフィットするサイクルウェアに身を包み、お決まりの“ノーパン、すね毛剃り”は板についている。

 よく走る道は「多摩川サイクリングロード」。気心の知れたメンバーと一緒に、奥多摩方面へ出かけることもある。強い向かい風になっても変わらぬ巡航速度で走り続ける仲間の脚力には感心しきりだとか。少し前には、長野県・麦草峠(標高2,127m)を走ってきた。長く続くつづら折れの勾配がサイクリストに人気の峠道だ。

 「以前は考えられなかったような山道も、今では上りたくなる自分自身に驚いています。“競い合い”は好きではないのですが、ヒルクライムは別物。去年は達成できなかったスピードや順位を目標に立て、自分自身と“戦う”ことは、ヒルクライムの魅力のひとつです」

伊東たけしさんと愛車のLOOK「695」
「ヒルクライムチャレンジシリーズ2012」の親善大使を務める伊東たけしさん

 「ヒルクライムチャレンジシリーズ」には、9月9日に長崎県で開催される「雲仙・普賢岳大会」への参加を予定している。各地の市・町をあげて開催される大会について、親善大使の立場から「たくさんの参加者といっしょに走る気持ちよさが魅力。走ってみないことには分からない」と力強くアピール。また、「大切なのは『自分のペースで上ること』。カテゴリーもさまざまにあるので、気楽に参加してみて」と呼びかけている。

◇         ◇

 本業の音楽活動では、グループ結成から34年目。5月には最新アルバム「WINGS」をリリースした。前進を続ける「T-SQUARE」のさらなる飛躍が期待される。
■「T-SQUARE」オフィシャルサイト

ヒルクライムチャレンジシリーズ2012」は今年、全国8カ所を舞台に開催される。「初心者から本格派サイクリストまで楽しめる幅広い大会」を掲げ、各大会ごとに地域色豊かなイベントを実施して盛り上げるのが特徴。開催地をネットワーク化して地域振興に結び付ける狙いもあり、10年後の2020年には、全47都道府県での開催を目指すとしている。

 

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