ジロ・デ・イタリア2014 第2ステージ雨のスプリンター決戦をマルセル・キッテルが制圧 マイケル・マシューズがマリアローザ獲得

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 ジロ・デ・イタリアは10日、第2ステージが行われ、スプリンターによるゴール争いを制したマルセル・キッテル(ドイツ、チーム ジャイアント・シマノ)が、ジロで自身初のステージ優勝を挙げた。個人総合首位の証、マリアローザは、スプリントに絡んだマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)のもとへ。マシューズもグランツールのリーダージャージに初めて袖を通した。2人の日本人選手は、別府史之(トレック ファクトリーレーシング)が45位、新城幸也(チーム ヨーロッパカー)が49位と、それぞれ危なげなくステージを終えている。

第2ステージを制したキッテル。圧倒的なスピードでジロ初勝利第2ステージを制したキッテル。圧倒的なスピードでジロ初勝利

 イギリス・北アイルランドの首府ベルファストで9日に開幕したジロは、この日も同地が舞台に。レースは、臨海部の文化・レジャー複合施設「タイタニック・クオーター」前をスタートして一路北へ向かい、北海を見ながら折り返し、後半はアイリッシュ海を左手にベルファストへと南下する219kmのコースで争われた。

エスケープする4人の選手エスケープする4人の選手

 序盤に逃げを成功させたのは、マールテン・チャリンギ(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム)、アンドレーア・フェーディ(イタリア、ネーリソットーリ)、サンデル・アルメー(ベルギー、ロット・ベリソル)、ヘフリーホアン・ロメロ(コロンビア、コロンビア)の4人。メーン集団は、雨が強まる悪コンディションから無理をせず、淡々とレースを進めた。

 126.9km地点に設けられた今大会最初の山岳ポイント(4級)は、先行する4人によるスプリントの末、チャリンギがトップで通過。その後、195.4km地点の4級山岳もチャリンギがトップ通過して合計6ポイントを獲得し、このステージを終えた段階での山岳賞ジャージ(マリアアッズーラ)獲得を決めた。また、202.1km地点に設定された中間スプリントポイントはフェーディが先頭で通過している。

 メーン集団は、前を行く4選手との差を5分から6分で推移させていたが、残り80kmを切った辺りからリーダーチームのオリカ・グリーンエッジ、そしてキッテルのスプリントに備えるジャイアント・シマノがコントロールを開始。少しずつその差を縮めていく。

ステージ中盤からコースは海岸線に移ったステージ中盤からコースは海岸線に移った

 先行する4選手も、逃げのスペシャリストであるチャリンギを中心に、逃げ切りの可能性があるタイム差で粘りを見せた。残り8kmではチャリンギがアタックして独走に。追う大集団はキャノンデールのアシストが全力で牽引した。

 チャリンギは大健闘を見せたが、結局、残り3.5kmで集団に吸収されてしまう。その後、集団ではジャイアント・シマノとキャノンデールが主導権争いを展開。さらには、別府史之の牽きを合図にトレック ファクトリーレーシングが先頭に出てペースを上げた。別府は2度にわたる集団牽引で、トレックトレインを好位置へと導いた。

 いよいよ残り1km。トレック、チーム ジャイアント・シマノ、チーム スカイが前方で位置取りをするなか、このときとばかりに先頭に立ったのはオリカ・グリーンエッジ。マシューズをスプリントに放つ構えだ。残り300mの左カーブを抜けると、あとはゴールまで一直線。

 雨に濡れたコーナーを慎重にクリアした選手たち。まず飛び出したのは、ナセル・ブアニ(フランス、エフデジ ポワン エフエル)。しかし、キッテルがブアニの動きをしっかりとチェックしていた。あとは自らのタイミングでトップに出るだけだ。誰にも止められないほどのパワーを発揮したキッテルが、最後はジャージの胸を指差す力強いパフォーマンスで余裕のゴールを決めた。

 キッテルは今シーズン5勝目(UCI非公認のツアー・ダウンアンダー・クラシックは除く)。2011年にブエルタ・ア・エスパーニャ1勝、2013年にはツール・ド・フランスで4勝を挙げたのに続き、この日の勝利によって全グランツールでステージ優勝した選手となった。今大会ではスプリントチャンスが数回あるだけに、さらなる勝利の量産が期待される。そして、ポイント賞の赤ジャージ、マリアロッソパッショーネにも袖を通している。

マリアローザを獲得したマシューズマリアローザを獲得したマシューズ

 ゴールスプリントの際にメーン集団が割れ、上位20選手と21位以降の選手との間に3秒の差が生まれた。これにより、ステージ8位のマシューズがチームメートのスヴェイン・タフト(カナダ、オリカ・グリーンエッジ)に代わって、第3ステージからはマリアローザを着用することに。思いがけずめぐってきたマリアローザに、ポディウムでは涙ぐむシーンも見られた。レース後のインタビューでは、「1週間はマリアローザを守りたい」とコメントしている。

山岳リーダーとなったチャリンギ山岳リーダーとなったチャリンギ
マリアローザをチームメートのマシューズに譲ったタフトマリアローザをチームメートのマシューズに譲ったタフト

 11日に行われる第3ステージは、アイルランド島での最後のステージ。北アイルランド南部の都市アーマーをスタートし、アイルランド共和国へ入国。首都ダブリンにゴールする187km。天候によっては、アイルランド海からの風に選手たちが苦しめられる可能性があるコースだ。また、ゴール前1.5kmはテクニカルなコーナーの連続。主催者が発表する難易度こそ最も低い「1」とされているが、決して気を抜くことのできないステージだと言えるだろう。

(文 福光俊介/写真 砂田弓弦)

第2ステージ結果
1 マルセル・キッテル(ドイツ、チーム ジャイアント・シマノ) 5時間13分12秒
2 ナセル・ブアニ(フランス、エフデジ ポワン エフエル) +0秒
3 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック ファクトリーレーシング)
4 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール)
5 ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)
6 マヌエル・ベッレッティ(イタリア、アンドローニジョカットリ・ベネズエラ)
7 ベン・スイフト(イギリス、チーム スカイ)
8 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
9 ダヴィデ・アッポッローニオ(イタリア、アージェードゥーゼール ラモンディアル)
10 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
45 別府史之(日本、トレック ファクトリーレーシング) +3秒
49 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +3秒

個人総合(マリアローザ)
1 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 5時間37分54秒
2 ルーク・ダルブリッジ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +3秒
3 イヴァン・サンタロミータ(イタリア、オリカ・グリーンエッジ) +3秒
4 スヴェイン・タフト(カナダ、オリカ・グリーンエッジ) +3秒
5 ピーテル・ウイーニング(オランダ、オリカ・グリーンエッジ) +3秒
6 キャメロン・メイヤー(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +3秒
7 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファルマ・クイックステップ) +8秒
8 ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、オメガファルマ・クイックステップ) +8秒
9 ピーテル・スライ(ベルギー、オメガファルマ・クイックステップ) +8秒
10 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、オメガファルマ・クイックステップ) +8秒
75 別府史之(日本、トレック ファクトリーレーシング) +1分3秒
136 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +1分51秒

ポイント賞(マリアロッソパッショーネ)
1 マルセル・キッテル(ドイツ、チーム ジャイアント・シマノ) 50pts
2 ナセル・ブアニ(フランス、エフデジ ポワン エフエル) 40pts
3 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック ファクトリーレーシング) 34pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 マールテン・チャリンギ(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) 6pts
2 アンドレーア・フェーディ(イタリア、ネーリソットーリ) 4pts
3 ヘフリーホアン・ロメロ(コロンビア、コロンビア) 2pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 5時間37分54秒
2 ルーク・ダルブリッジ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +3秒
3 ジュリアン・ヴェルモート(ベルギー、オメガファルマ・クイックステップ) +8秒

チーム総合
1 オリカ・グリーンエッジ 16時間4分24秒
2 オメガファルマ・クイックステップ +8秒
3 BMCレーシングチーム +10秒

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