工具はともだち<46>回す、挟む、切る サイクリストにオススメの一品「コンビネーションプライヤ」

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回す、挟む、切るとさまざまな機能をもつ「コンビネーションプライヤ」回す、挟む、切るとさまざまな機能をもつ「コンビネーションプライヤ」

 5月、ゴールデンウイークも佳境を迎え、サイクリストのシーズンもますます本格化しています。ジロ・デ・イタリアや、ツアー・オブ・ジャパン、ツール・ド・フランスなど、ビッグイベントが楽しみですね。先日、海外にいる、とあるメカニックからメールが届きました。ジロの準備のためバイクのメンテナンスがピークで大変だとか! 彼の活躍にも期待しています。

 ここ数回はスパナめがねレンチモンキレンチと「回す」工具を中心にご紹介してきました。「えっ!? 『回す』以外にあるの?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんので、まずはそのあたりの説明から。

 工具がもつ機能のなかで、「回す」ことは基本となります。なぜなら、ボルト・ナットが対象になるからです。ただ、自転車や四輪・二輪をメンテナンスする場合、取り付けや交換作業には、その他の機能も必要になってきます。それが、モノを切ったり、ワイヤーなどを回したり、パイプなどをつかんだりする機能です。

 このような複合的な作業を実現してくれるのが「プライヤ」と呼ばれる製品群です。JISで定められている正式名称は「コンビネーションプライヤ」。コンビネーションを訳すと「組み合わせ」となりますが、その名の通り、一つの工具で、挟んだり切ったりといった機能を持っているからだそうです。

 スパナやめがねレンチは、ボルト・ナットを回すことだけを考えられて作られた工具。なので、回すことに関しては非常に優れていますが、それ以外の作業は全くできません。逆に、このプライヤは、モノを挟んだり、ワイヤーを切ったりといったマルチ機能を有しています。どちらかといえ“便利工具”に含まれるのかもしれませんね。

 ですので、プライヤに含まれるラインナップもさまざま。大型のパイプなどをつかむ時に便利な「ウォーターポンププライヤ」、スナップリングの脱着に優れる「スナップリングプライヤ」。銅線や鉄線、ピアノ線などを切断する場合は「ニッパ」が優れています。日本で一番普及しているといわれているのは「ペンチ」。銅線や針金を切ったりすることが得意です。私は祖父が工場に勤めていた関係もあって、小さい頃はこれを使って、銅線を切るお手伝いをした思い出があります。

 サイクリストの皆さんがこれから工具を揃えていく時、私からのお勧めは、まずコンビネーションプライヤを持っていただきたいですね。チェーンリングの取り外しや、ブレーキワイヤーなどを挟んだり。場合によっては、ボルト・ナットを回すこともできます。各々の作業に、ワイヤーカッターや、チェーンカッター、チェーン着脱用プライヤなどがあるものの、まずは、コンビネーションプライヤで。

 最近では少なくなったものの、以前のクルマには必ず、車載工具の一部として搭載されていたくらいです。グリップの大きさはさまざまですので、工具を選ぶ際は、実物を握って自分の手に合うかどうか確かめてくださいね。

小池覚(こいけ・さとる)

KTC(京都機械工具)へ入社後、販売企画や商品開発に携わる。学生時代から二輪、四輪が趣味で、整備経験が豊富。自転車は実は始めたばかりだが、工具のプロとして、サイクリストにも整備の“いろは”を伝えることに燃えている。

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