昨年優勝の窪木一茂は惜しくも2位シマノ畑中勇介がJプロツアー「群馬CSCロード」優勝 2年半ぶりにルビーレッドジャージ獲得

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 国内ロードレースの最高峰シリーズ、Jプロツアーの今シーズン第5戦「群馬CSCロードレース」が4月26日、群馬県みなかみ町の群馬サイクルスポーツセンターで開催された。レースは5人の先頭集団から最終周の上りで飛び出した畑中勇介(シマノレーシング)がゴールまで単独で逃げ切って優勝。シリーズ首位の証となるリーダージャージにも袖を通した。

畑中勇介(シマノレーシング)が残り約2kmを独走で逃げ切って優勝を飾った畑中勇介(シマノレーシング)が残り約2kmを独走で逃げ切って優勝を飾った
スタート地点に並ぶ選手たちスタート地点に並ぶ選手たち

 ゴールデンウィークを間近に控えた群馬サイクルスポーツスポーツセンターは、初夏を思わせる気持ちのよい晴天に恵まれた。レースが行われる1周6kmの周回コースは、アップダウンが連続するものの、全体にスピード系の作り。スピードとアタックの切れ味が勝負を分けるコースだ。Jプロツアーのレースは20周・120kmで行われた。

 ここまで3戦を終えたJプロツアーだが、クリテリウム、タイムトライアル、ヒルクライムといった変則的な形式のレースが続いており、この日が今季最初の本格的なロードレースとなった。

序盤のメーン集団の攻防。アタックと吸収を繰り返し、集団は縦に長く伸びた状態が続く序盤のメーン集団の攻防。アタックと吸収を繰り返し、集団は縦に長く伸びた状態が続く
ルビーレッドジャージを着るセバスチャン・モラ(マトリックスパワータグ)が下りで単独アタックルビーレッドジャージを着るセバスチャン・モラ(マトリックスパワータグ)が下りで単独アタック
U23賞ピュアホワイトジャージを着る雨澤毅明(那須ブラーゼン)も攻撃に加わるU23賞ピュアホワイトジャージを着る雨澤毅明(那須ブラーゼン)も攻撃に加わる

 ロードレースでは、各チームが有力な選手を送り込んだ先頭グループを、どの段階で形成できるかが鍵となるため、序盤からアタックの攻防戦が繰り広げられた。特に積極的な動きを見せたのは、前週の白浜クリテリウムでもアタックを連発していた山本元喜(斑鳩アスティーフォ)。前年の優勝者、窪木一茂(チームUKYO)もレース前半から動きを見せていく。

昨年優勝の窪木一茂(チームUKYO)も自ら動く昨年優勝の窪木一茂(チームUKYO)も自ら動く
アタックして先頭に立つ山本元喜(斑鳩アスティーフォ)アタックして先頭に立つ山本元喜(斑鳩アスティーフォ)
山本を中心に10人超の逃げ集団が形成されるが、決まらず山本を中心に10人超の逃げ集団が形成されるが、決まらず

 集団はハイペースを保ったまま、逃げが決まりそうで決まらない展開が続いた。6周目に山本と吉田隼人(シマノレーシング)が抜け出したのをきっかけに、10数人の逃げグループが一時形成されたが、これも1周ほどで吸収されてしまう。

 レースは半分の10周を終えた時点で、メーン集団は1つのまま。しかし126人でスタートした集団は、一向に落ち着かないペースに多くの脱落者を生み、すでに40人強にまでその人数を減らしていた。

逃げを追走する鈴木真理(宇都宮ブリッツェン)逃げを追走する鈴木真理(宇都宮ブリッツェン)
上りで先頭に立つ増田成幸(宇都宮ブリッツェン)上りで先頭に立つ増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
昨年シリーズ王者のホセビセンテ・トリビオ(チームUKYO)もアタック昨年シリーズ王者のホセビセンテ・トリビオ(チームUKYO)もアタック
多くの観客が見守る上り区間を通過するメーン集団多くの観客が見守る上り区間を通過するメーン集団

 11周目、ついに逃げグループが形成された。山本、窪木に、阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)、森本誠(イナーメ信濃山形)、入部正太朗(シマノレーシング)の5人がまずエスケープ。後から畑中勇介(シマノレーシング)が単独で追いつき、6人の先頭集団となった。ここに乗れなかったマトリックスパワータグのアイラン・フェルナンデスが単独でメーン集団から追走するものの、これまでの展開で大きく脚を使っていたメーン集団は逃げを見送り、逃げと集団の差は一気に2分まで開くことになった。

ついに6人の逃げが決まるついに6人の逃げが決まる
逃げに乗れなかったマトリックス。フェルナンデスが単独で追走逃げに乗れなかったマトリックス。フェルナンデスが単独で追走
逃げグループが一時2つに分断されてしまう逃げグループが一時2つに分断されてしまう

 協調体制でメーン集団との差を着々と広げる逃げグループに、変化が起きたのは15周目。窪木と入部が上りで若干離れてしまい、前4人・後2人となってしまう。2周近くを使って元の6人体制に戻るが、昨年の覇者の窪木は、余計な脚を使わせられた格好だ。この直後に入部が単独で遅れてしまい、先頭は5人となった。

 窪木が復帰した17周目からは、コース後半の上りの度に山本がアタックを見せる。スプリント力でやや劣る山本は、ゴール勝負に至る前に独走態勢に持ち込みたい。これに素早く反応するのは畑中で、ぴったりマーク。窪木、阿部、森本は、少し遅れつつも、続く下りと平坦区間を使って2人に追いつく。レース終盤になっての攻防は、18周目、19周目も同じパターンで、2人がやや先行する形で20周目の最終周回、残り6kmに突入した。

終盤、上りでアタックした山本を畑中がマーク終盤、上りでアタックした山本を畑中がマーク
残り2周でもアタックを仕掛ける山本。畑中が逃さない残り2周でもアタックを仕掛ける山本。畑中が逃さない
先行する2人を追走する3人先行する2人を追走する3人
畑中が後ろを確認しながら最終周回に入る畑中が後ろを確認しながら最終周回に入る
畑中と山本を追う3人。集団は再び1つに畑中と山本を追う3人。集団は再び1つに

 下りでまた先頭は5人に戻り、最後の上り区間に突入した。やはり山本がアタックを仕掛けるが、これにも一人反応した畑中が、今度はカウンターアタックを敢行。逆に山本を突き放して、上り頂上を単独トップで通過することに成功した。

 続いて山本とこれに追いついた窪木、少し遅れて阿部と森本が続く形で、レースは残り1kmへと突入。切れ味鋭いアタックを決めた畑中は、ハイスピードを維持したまま後続の追い上げを許さない。

最後の上りで仕掛けた畑中が一気に先頭に立った最後の上りで仕掛けた畑中が一気に先頭に立った

 畑中はそのままゴールまでを独走で逃げ切り、今季Jプロツアー初勝利を飾った。2位争いは窪木が制し、終始積極的な走りを見せた山本は3位でのゴールとなった。

ゴール前、後ろを確認する畑中ゴール前、後ろを確認する畑中

 「得意なコースで力を出し切って勝てたのでうれしい」とレース後の畑中。決して楽勝ではなかったというが、「きついレースで勝つのが一番うれしい。(先頭グループの)みんな力で勝負してくれたので楽しかった」と満足そうな表情で語った。

 2位の窪木は得意のゴール勝負に至るまでに体力を使い過ぎた。逃げの中盤に遅れたのは、レース中に補給食のゴミを捨てたとバイク審判に注意され問答になった際に、つい前と離れてしまったのだという。

 3位の山本は国際レースではヴィーニファンティーニ・NIPPO・デローザに所属するが、教育実習を受けるために4月より帰国しており、国内Jプロツアーには斑鳩アスティーフォで参戦する。シーズン前半は6月の全日本選手権が目標。「全日本に向けて自分の能力を高めるために、レースではどんどんアタックして自分を追い込んでいきたい」と話している。

2位争いは危なげなく窪木が制した2位争いは危なげなく窪木が制した
4位争いに競り勝ったのは阿部‎4位争いに競り勝ったのは阿部‎

 2010年と2011年に続けてJプロツアー年間個人総合優勝を経験している畑中だが、この日は2011年最終戦以来の個人総合首位に立ち、2年半ぶりに真紅のリーダージャージに袖を通した。

 「これを着ることによって、またレースを集中して走れると思うので楽しみ。Jプロツアーで1戦1戦集中していくことで、さらに国内のUCIレースなどにつながっていくと思うので、今日の勢いをチームに伝えて、また日本や世界でどんどん結果を出していきたい」と畑中はキャプテンとしての決意を見せた。

Jプロツアー表彰。(左より)2位の窪木一茂、優勝の畑中勇介、3位の山本元喜Jプロツアー表彰。(左より)2位の窪木一茂、優勝の畑中勇介、3位の山本元喜
2011年以来のルビーレッドジャージに袖を通した畑中と、前戦に引き続きピュアホワイトジャージを守った雨澤2011年以来のルビーレッドジャージに袖を通した畑中と、前戦に引き続きピュアホワイトジャージを守った雨澤
E1のレースは西薗良太(Champion System Japan)が残り1周を独走して優勝E1のレースは西薗良太(Champion System Japan)が残り1周を独走して優勝
E2クラスは鈴木龍(SEKIYA)が優勝E2クラスは鈴木龍(SEKIYA)が優勝
女子は牧瀬翼(Team ASAHI)が優勝。あさひ勢は4位までを独占した女子は牧瀬翼(Team ASAHI)が優勝。あさひ勢は4位までを独占した

群馬CSCロードレース結果
1 畑中勇介(シマノレーシング) 2時間54分20秒
2 窪木一茂(チームUKYO) +7秒
3 山本元喜(斑鳩アスティーフォ) +8秒
4 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン) +13秒
5 森本誠(イナーメ信濃山形)
6 鈴木譲(宇都宮ブリッツェン) +3分21秒
7 リカルド・ガルシア(チームUKYO)
8 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
9 ホセ・アギラベガ(クロップス・チャンピオンシステム) +3分25秒
10 野中竜馬(シマノレーシング) +4分1秒

Jプロツアーリーダー(ルビーレッドジャージ)
セバスチャン・モラ(マトリックスパワータグ)

U23リーダー(ピュアホワイトジャージ)
雨澤毅明(那須ブラーゼン)

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