SankeiBiz【フジテレビ商品研究所 優品ズームアップ】より小さな力でもスムーズに発進 ヤマハ発動機の幼児2人同乗電動自転車「PAS」

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 各都道府県の交通規則が改正された2009年以降、幼児2人を同乗させている自転車を良く目にするようになった。中でも、電動アシスト自転車は、子供2人を乗せても楽に走れる快適さで人気を集めている。世界初の電動アシスト自転車「PAS」(パス)を発売以来、20年を超える歴史を持つヤマハ発動機に詳しい話を聞いた。

「規則の強制では解決にならず」

前輪の真上に幼児用座席が付いているヤマハ発動機の電動アシスト自転車「PAS Kiss minii」前輪の真上に幼児用座席が付いているヤマハ発動機の電動アシスト自転車「PAS Kiss minii」

 幼児を同乗させるとハンドルがぶれやすくなり、特に、前輪にも幼児座席を取り付けて幼児を2人同乗させた場合は走行安定性の低下が著しい。このため2009年の交通規則改正以前は、2つの幼児座席を取り付けた状態での幼児2人同乗は禁止されていた。

 しかし、2人いる幼児の片方を一人、家に残して外出することは難しく、幼稚園や保育所への送り迎えをはじめ、自転車を利用する子育て世代では、やむを得ず幼児2人を自転車に同乗させることが日常的に行われていた。この現状に対して、規則順守を強制するだけでは解決にはならないという考え方に立って、安全性に配慮した要件を示し、その要件に適合する自転車には幼児2人同乗を認めようというのが2009年の規則改正だった。

 強度やブレーキ性能などに関して示された幼児2人同乗用自転車の基準には、発進時の安定性が確保されていることも含まれている。ハンドルがふらつきやすい発進時には、小さな踏み込み力でスムーズに走り出す性能が欠かせない。この条件として、通常の自転車では「ペダルを1回転させたときに進む距離が4.3m以下に抑えられる機能を有すること」、もしくは「電動アシスト自転車であること」とされている。

 幼児2人同乗に関する交通規則の改正に先立ち、2008年の基準変更で、時速15km未満のこぐ力対アシスト力の比率が1:1から1:2に増強された。低速時により強いアシスト力を発揮できるようになった電動自転車は、まさに幼児2人同乗に最適の特性を持っているといえる。ヤマハ発も、交通規則改正に合わせて発売した2009年以来、幼児2人用電動アシスト自転車を発売している。

用途で選べるバリエーション

前かご付きのヤマハ発動機の電動アシスト自転車「PAS Babby」前かご付きのヤマハ発動機の電動アシスト自転車「PAS Babby」

 2014年モデルは、前輪の真上に幼児用座席が付いた「PAS Kiss」(パス キッス)シリーズと前輪に荷物カゴが付いた「PAS Raffini L」(パス ラフィーニ L)と「PAS Babby」(パス バビー)がある。より高い安定感にこだわる人やスカートでの“がに股こぎ”が気になる人には、膝前に余裕のあるパス キッスシリーズが、子供2人を連れての買い物が欠かせない人には、パス ラフィーニ Lとパス バビーがおすすめ。こちらは、子供が一人で自転車に乗れるようになったら、幼児用座席を取り外してオシャレに乗ったり、たっぷり荷物を収納できる大型バスケットに付け替えたりすることも可能だ。

 「PAS Kiss mini」(パス キッス ミニ)シリーズとパス バビーには、20型の小さなタイヤが採用されており(適応身長の目安は、幼児2人同乗時でパス キッス ミニが150cm以上、パス バビーは147cm以上)、小柄な人でも安心して乗ることができる。さらに、後輪タイヤサイズ26型の(パス キッス)と比べると、後部幼児座席の座面の高さが15cm低くなる。

低速時でも快適なアシスト

実際のギアポジションに合わせた回転数の制御が可能になった「S.P.E.C.3」。1速や2速のギヤを使う低速時のアシスト能力が向上した実際のギアポジションに合わせた回転数の制御が可能になった「S.P.E.C.3」。1速や2速のギヤを使う低速時のアシスト能力が向上した

 重心が低くなって安定感が増すと共に、子供の乗せ降ろしの負担も軽くなる。万が一転倒した場合の子供への衝撃も小さく、安全をより重視するなら考慮したいポイントだ。その一方で、ひとこぎで進む距離は、26型の約5.3mに対して約5mとほとんど変わらないよう、ギア比が変更されている。通常の自転車は、ギア比を上げればその分踏み込みが重くなるが、電動アシスト自転車ならその分をアシスト力でカバーできるので、スイスイ快適に走ることが可能だ。

 電動アシスト自転車は、走行スピードが10kmを超えるとアシスト力を徐々に抑えなければならない。従来は、ギアがトップギアに入っていると想定してモーターの回転数を制御しており、1速や2速にシフトダウンした状態ではアシスト力が弱くなっていた。ヤマハでは、12極のセンサーで細かく検出したスピードとモーターの回転数からギアポジションを検出。そのギアポジションにあわせて制御する「S.P.E.C.3」を搭載することで、シフトダウンした状態でも快適なアシストを実現した。

全モデルに「トリプルセンサー」

走行スピードやバッテリー状況など様々な情報を表示できる「3ファンクションメーター」走行スピードやバッテリー状況など様々な情報を表示できる「3ファンクションメーター」

 重量のかさむ幼児2人同乗は、発進時の踏み込みが重くなるなど1人乗りとは異なる特徴がある。ダミーを乗せて検証しながら設定した最適な制御によって、学生時代以来久々の自転車という母親でも安心して乗れる、よりなめらかな走行を実現している。さらに、従来の「トルクセンサー」と「スピードセンサー」にペダル(クランク)を回す早さを検知するセンサーを加え、ペダルを踏む力が弱いときにアシストがOFFになるという問題を解決して、アシストのなめらかさを向上させた「トリプルセンサー」が全モデルに採用されている。

 また、ハンドルに装着された「3ファンクションメーター」は、「スピード」の他「バッテリー残量」「残りアシスト走行距離」の表示が可能。充電のタイミングを判断したり、走行中のバッテリー切れの不安を軽減したりと、使い勝手を向上させる役に立っている。

SankeiBizより)

フジテレビ商品研究所

 「企業」「マスコミ」「消費者」をつなぐ専門家集団として1985年に誕生した「エフシージー総合研究所」(東京都品川区、従業員40人)内に設けられた研究機関。「美容科学」「食品料理」「環境科学」「商品」の各研究室で暮らしに密着したテーマについて研究を行っている。

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