title banner

日向涼子のサイクリングTalk<4>“乳がん検診を身近に”との願いを込めて 「ピンクリボンサイクリング in 紀の川」にゲスト参加

  • 一覧

 アメリカの女優、アンジェリーナ・ジョリーさんが昨年5月、乳がんにかかるリスクを減らすために予防的乳房切除をしたと公表したのは、記憶に新しいところです。その選択には賛否両論ありますが、少なくとも、乳がん検診の早期受診推進には貢献したのではないでしょうか。

 乳がんの「早期発見・早期診断・早期治療」の大切さを世界の女性たちに伝える活動としては、“ピンクリボン”が有名ですね。日本では2000年に東京タワーをピンク色にライトアップしたことをきっかけに広く知られるようになり、活動の規模は年を追うごとに拡大。今では多くの市民グループや協賛企業に支えられ、私たちにとって身近な啓発運動となっています。

環境省の「かおり風景100選」に選ばれた、“桃源郷一目十万本の桃の花”といわれる和歌山県紀の川市の桃畑の一部。まさに桃源郷の世界が広がっていました環境省の「かおり風景100選」に選ばれた、“桃源郷一目十万本の桃の花”といわれる和歌山県紀の川市の桃畑の一部。まさに桃源郷の世界が広がっていました

 自転車イベントの中にもピンクリボンを提唱するものがあるのですよ。今回、縁あって、4月6日に開催された『ピンクリボンサイクリング in 紀の川』にゲスト参加してきました。

“桃源郷”を楽しむサイクリング

絹代さん(左)と一緒に、ピンクリボンを胸に付けてイベントに臨みました絹代さん(左)と一緒に、ピンクリボンを胸に付けてイベントに臨みました

 ピンクリボンサイクリングの舞台は、江戸時代に全身麻酔を用いた乳がん手術を世界で初めて成功させた外科医、華岡青洲の生誕の地である和歌山県紀の川市。環境省の「かおり風景100選」に選ばれた“桃源郷一目十万本の桃の花”といわれる桃畑など、この地域の豊かな自然・文化・グルメをサイクリングを通じて楽しみながら、ピンクリボン運動を推進するという取り組みです。今年で5回目を迎えるこの大会は、参加者の42%を女性が占め、自転車イベントの中では女子率が高いことも特徴です。

「西日本でのイベントは初めてですが頑張ります!」と少し緊張しながら挨拶しました「西日本でのイベントは初めてですが頑張ります!」と少し緊張しながら挨拶しました

 実は私は、西日本の自転車イベントに参加するのは今回が初めて。少し不安もあったのですが、このピンクリボンサイクリングに第1回からゲストとして参加しているサイクルライフナビゲーターの絹代さんから、イベントの素晴らしさを事前に熱く語っていただいたので、安心して参加することができました。

 絹代さんは紀の川エリアのサイクリングマップ作りなど、この地域に自転車を通じて観光客を呼ぶための取組みにも協力されています。私は絹代さんから、イベントを主催する「紀の川サイクリングクラブ」のこと、イベント運営の素晴らしさ、そして紀の川エリアがいかにサイクリングに向いているかなどを教えていただきました。

いつまでたっても上り坂 着いた瞬間に強い雨が…

 大会当日、集まった228人(うち女性97人)の参加者は、2つのコースに分かれて出発しました。絹代さんとともに走る「チャリーナ女子会コース」は、女性だけで、気兼ねなく、急かされず、罪悪感もなく、ゆっくり走れるという画期的な取り組みです。

スタート前、満開の桜の下で整列しましたスタート前、満開の桜の下で整列しました
小雨の中でスタートし、最初のお店を目指しました小雨の中でスタートし、最初のお店を目指しました

 一方、私が走った「ぐるめスタンプラリーサイクリングコース」は、参加者に1000円分の金券と、スタンプ用紙にも使う地図が渡され、イベントに協力する14店舗を巡ってグルメやお土産の購入をしていくサイクリングでした。協力店では特別に100円メニューが用意されたので、金券でたっぷり楽しむことができ、思わず童心に返ってしまうような企画です。

 とはいえ、会場から近い店もあれば遠い店もあり、全部回ろうとすればトレーニングに近いペースで走らなくてはなりません。もちろん、ゆっくり走りたい場合は近場だけを回ることもできます。それぞれのレベルに合わせて楽しめる点で、幅広い層に受け入れられるイベントといえるでしょう。

 私はというと、「ご協力いただいたお店を全部回ってお礼が言えたらいいな」と考えていたので、地元・和歌山の国際大会「ツール・ド・熊野」の市民レースで優勝経験もあるという「Y’sレーシング」の剛脚自慢たちに案内をしてもらうことになりました。

 「まずは一番の難所から行きましょう」と言われるがままに、『上きしや』という創業300年の老舗やきもち店を目指しました。

創業300年の老舗やきもち店『上きしや』創業300年の老舗やきもち店『上きしや』

 「難所といったって、所詮はサイクリングコースでしょ」なんて甘く見ていたのですが、いつまでたっても終わらない上り坂に、「まだあ!?」と、つい愚痴がこぼれます。聞けば、お店は高野山へ通じる道の途中にあるとのこと。世界遺産に通じる道…そう思うと、ありがたいような気もしてきました。

 文句を言う元気もなくなってきた頃に、ようやく到着。その瞬間、ザーッと強い雨が降り出しました。

「やきもち」の味に感激 突然、雹に降られて

 「危なかったね~!」と、雨宿りがてら店の奥にあるイートインスペースへ。初めて見る「やきもち」は、想像とは異なり、平べったいお餅にほどよい甘さの餡が入ったものでした。

 店を目指して坂を上っている間はずっと「これってサイクリングの強度じゃない…」と思い続け、最初にヒルクライムを選んだことをちょっぴり後悔していました。けれども、やきもちを口にすると、「わざわざ来てよかった!」と思えるような感激の味でした。

『上きしや』のテラスで、美しい景色に見とれてしまいました『上きしや』のテラスで、美しい景色に見とれてしまいました

 小腹を満たし、店内を見渡すと、奥の方に桃と桜を同時に楽しめるテラスを発見。そこから望むと、まるで『まんが日本昔ばなし』に出てきそうな美しい里山の風景が広がっていました。「この時季にこのイベントをやる意味は、こういうことなのね…」と納得させられた瞬間です。

『上きしや』の奥にあるテラスから眺める景色『上きしや』の奥にあるテラスから眺める景色

 やきもちは美味しいし、景色も最高だし…気がつけば予定より長く休憩してしまいました。後ろ髪をひかれつつ、「さて、次へ向かいますか」と店を出た瞬間、まさかの雹(ひょう)! 雹が体に当たったら痛そうだし、何より危ないので、しばらく様子を見ることに。

 雹が治まったところで「今のうちに」と下山をはじめたのですが、今度は雷が鳴り、再び雨が降り出してきたので、途中にあったドライブインに駆け込み、暖をとらせていただきました。

下山途中で雨に降られ、ドライブインへ駆け込んで「助かった~!」 みんな仲良くびしょ濡れです下山途中で雨に降られ、ドライブインへ駆け込んで「助かった~!」 みんな仲良くびしょ濡れです
体が冷たくて、もうストーブの前から動けません体が冷たくて、もうストーブの前から動けません

 結果から言うと、この日に回ったチェックポイントは、たったひとつ。雨宿りの時間が長すぎて閉会式に遅れてしまう可能性があったので、大会事務局長に電話をして、車で迎えに来てもらったのでした。

 私にとって自転車イベントで初めてのDNF(途中棄権)となったことは残念でしたが、誰もケガなく戻り、プレゼントが全員(!)に当たる抽選会、そして閉会式まで終えることができて、本当によかったと思います。

皇室献上レモンの六代続く「観音山フルーツガーデン」さんもイベントに協力してくださいました皇室献上レモンの六代続く「観音山フルーツガーデン」さんもイベントに協力してくださいました
地元で人気の「創café」さんは、この日のためにオリジナル回転焼(大判焼)を販売してくださいました。白あんに紀の川産のとれたてイチゴを混ぜた餡が入っており、定番にして欲しいおいしさです!地元で人気の「創café」さんは、この日のためにオリジナル回転焼(大判焼)を販売してくださいました。白あんに紀の川産のとれたてイチゴを混ぜた餡が入っており、定番にして欲しいおいしさです!
2015年開催の「紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会」マスコットのきいちゃんも来てくれました2015年開催の「紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会」マスコットのきいちゃんも来てくれました
女性だけでジャンケン大会女性だけでジャンケン大会
1位は株式会社アキボウ様からミニベロ「DAHON」がプレゼントされました!1位は株式会社アキボウ様からミニベロ「DAHON」がプレゼントされました!

私自身が毎年受けてきた乳がん検診

 実は、このイベントへ出場するお話をいただいた当初、私が所属する事務所は難色を示していました。

 いままでゲストとして招待されたイベントは、自転車仲間が多く参加していたり、大会関係者が知り合いだったりしたのですが、今回は同じゲストの絹代さん以外に知り合いもなく、そして自転車イベントとしては初めての西日本遠征。本業であるモデルの仕事では行ったことがあっても、勝手が違うだろうと事務所は心配してくれたのです。けれども私は「いい大人なんだから大丈夫!」と、参加を認めてくれるよう強くお願いしました。

 そこまでして行きたかったのは、私自身が20代前半から毎年、乳がん検診を受けているためです。当時、自主的に乳がん検診を受ける女性はまれでした。

乳がん検診、乳房自己触診をわかりやすく指導するための乳房モデル乳がん検診、乳房自己触診をわかりやすく指導するための乳房モデル

 受診のきっかけは、テレビで放送された乳がんの特集番組で見た通りにセルフチェックを行ったところ、しこりを感じたことでした。驚いて、乳腺科のある病院を探して受診したところ、“乳がん”ではなく「乳腺線維腺腫(にゅうせんせんいせんしゅ)」と診断されました。乳腺線維腺腫は、思春期から20代の女性に発生しやすい良性腫瘍で、閉経とともに小さくなることもあるそうです。また、「線維腺腫から癌に発展することはほとんどない」と医師から言われ、ホッとしたのと同時に、日頃のセルフチェックと定期検査の重要性を強く感じたことを覚えています。

セルフチェックで早期発見を

 現在、日本人女性の16人に1人が一生のうちに乳がんと診断されるといわれています。一方で、乳がんは早期発見で90%以上の人が治る病気です。早期発見のためには、若いうちからセルフチェックを心がければ、小さな変化にも気付くことができるようになります。

 職場などでの健康診断がなく、乳がん検診を受けたくてもどこへ行ったらいいかわからない場合は、お住まいの自治体やお近くの乳腺専門の医療機関に問い合わせてみるといいでしょう。乳がん検診は全国の自治体で実施されています。

龍神温泉のペア宿泊券をGETした男性。奥様と行かれるそうです龍神温泉のペア宿泊券をGETした男性。奥様と行かれるそうです

 今回、5年目という節目の年に『ピンクリボンサイクリング in 紀の川』へ参加できたことは、私にとって大きな喜びでした。ただ、日本では乳がん検診に抵抗感のある女性がまだ多いようで、欧米に比べると検診を受ける人の割合が低いのも事実です。

 近年、ピンクリボン運動を目にする機会が増え、身近な存在になってきたように、乳がん検診も、もっと身近な存在になれるはず。そのために、私は今後もピンクリボン運動に参加したいと思っています。(日向涼子)

<写真:紀の川サイクリングクラブ>

日向 涼子 日向 涼子(ひなた・りょうこ)

企業広告を中心に活動するモデル。食への関心が高く、アスリートフードマイスター・食生活アドバイザー・フードアナリストの資格を持つ。2010年よりロードバイクに親しみ、ヒルクライム大会やロードレース、サイクリングイベントへ多数出場。自転車雑誌「ファンライド」で『銀輪レディの素』を連載中。ブログ『自転車でシャンパンファイトへの道』( http://ameblo.jp/champagne-hinata/ )

この記事のコメント

利用規約順守の上ご投稿ください。

関連記事

この記事のタグ

日向涼子 日向涼子のサイクリングTalk

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

  • タイム
    アルプデュエズ01 ディスク

    ディスクブレーキで伝統の走りを進化

  • リブ
    AVAIL ADVANCED

    走る好奇心を止めない リブの新型‟無敵”ロードバイク

  • インプレッション一覧へ

    連載