総合リーダージャージはセバスチャン・モラが返り咲き「TT南紀白浜」「白浜クリテリウム」2連戦をブリッツェンが連勝 大久保陣がJプロツアー初勝利

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 国内ロードレースの最高峰シリーズ「Jプロツアー」の第2戦「JBCFタイムトライアル南紀白浜」と、第3戦「JBCF白浜クリテリウム」が4月19日と20日、和歌山県の旧南紀白浜空港跡地で開催された。レースはタイムトライアルを宇都宮ブリッツェンが、クリテリウムを同チームの大久保陣がJプロツアー初勝利でそれぞれ制し、ブリッツェンが2連勝を飾った。Jプロツアーリーダーはセバスチャン・モラ(スペイン、マトリックスパワータグ)の手に渡った。

クリテリウムのゴールラインを真っ先に駆け抜けたのは大久保陣(宇都宮ブリッツェン)。Jプロツアー初勝利だクリテリウムのゴールラインを真っ先に駆け抜けたのは大久保陣(宇都宮ブリッツェン)。Jプロツアー初勝利だ

 タイムトライアルとクリテリウムを土日で連戦する“南紀白浜シリーズ”は、今年で4回目。旧空港滑走路を利用したコースは、昨年までの1周2.5kmから1.5kmに短縮された。高低差はほとんど無く、長いストレートを行き来するコースレイアウトのため、個人能力以上に高いチーム力が求められるレースとなる。

強風波乱のタイムトライアル

スタートラインに並ぶシマノレーシング(提供:一般社団法人 全日本実業団自転車競技連盟)スタートラインに並ぶシマノレーシング(提供:一般社団法人 全日本実業団自転車競技連盟)

 19日に行われたチームタイムトライアルは、各チームが6人ずつ出走して争う。1.5kmのコースを10周回走り、チーム内で3番手にゴールした選手のタイムがチームの成績となる。

 この日、真っ青な空の好天には恵まれたものの、海沿いの強風が各チームを苦しめた。コースが短縮された影響で、1周に2度あるUターンコーナーの間隔も詰まり、ここでの加減速も選手たちのスタミナを奪った。

 昨年の覇者であるチームUKYO、2位であったマトリックスパワータグは4人での出走。UKYOは21日からのフィリピンのレースに参加するため、現在Jプロツアーリーダーのホセビセンテ・トリビオや、土井雪広ら主力を欠くメンバーだ。

 対して宇都宮ブリッツェンは6人フルメンバーを揃えて臨んだ。レース中盤から徐々にペースを上げ、昨年のチームUKYOが見せたように、人数を増田成幸、鈴木譲、阿部嵩之と規定ギリギリの3人にまで人数を減らしていく走りで、今シーズンJプロツアー初勝利。地元での開幕戦「宇都宮クリテリウム」に敗れたリベンジを果たした。

気合の入った走りで文句なしのトップタイムを叩き出した宇都宮ブリッツェン(提供:一般社団法人 全日本実業団自転車競技連盟)気合の入った走りで文句なしのトップタイムを叩き出した宇都宮ブリッツェン(提供:一般社団法人 全日本実業団自転車競技連盟)

 ブリッツェンが出走するまで首位に立っていたのは那須ブラーゼン。しかし後から出走したマトリックスパワータグが、3秒速いタイムでゴールして順位が変わった。その直後にブリッツェンが、更に1秒速いタイムでゴールへ飛び込んだ。

 ところがレース中、UKYOとマトリックスが一時並走状態となり、抜きつ抜かれつというシチュエーションが発生したことで、両チームに審判からペナルティが与えられた。マトリックスは28秒、UKYOは34秒のペナルティを受け、それぞれ順位を落とした。

独走力に優れる佐野淳哉を中心に好タイムで2位に入った那須ブラーゼン(提供:一般社団法人 全日本実業団自転車競技連盟)独走力に優れる佐野淳哉を中心に好タイムで2位に入った那須ブラーゼン(提供:一般社団法人 全日本実業団自転車競技連盟)
一時並走状態となってしまったチームUKYOとマトリックスパワータグにはペナルティが(提供:一般社団法人 全日本実業団自転車競技連盟)一時並走状態となってしまったチームUKYOとマトリックスパワータグにはペナルティが(提供:一般社団法人 全日本実業団自転車競技連盟)

 2番手タイムのマトリックスがペナルティを受けたたため、那須ブラーゼンが2位、シマノレーシングが3位に繰り上がる結果となった。ツアーリーダーは欠場のトリビオに代わって、この日ポイントを重ねたセバスチャン・モラ(マトリックスパワータグ)が首位に返り咲いた。

ブリッツェン連勝 集団スプリントを大久保陣が制する

 20日は同コースでクリテリウムが行われた。前日とは打って変わり、どんよりとした雲が辺り一帯を覆う空模様。その一方で、前日に選手を苦しめた風はほとんどない状況となった。

 レースは午前中に2組の予選が行われ、その中の上位30人ずつ、計60人が午後の決勝に進む形式。予選での落車への救済措置がとられたため、決勝レースは65人で行なわれた。予選時には何とかドライコンディションを保っていたが、昼前から雨が降り始め、次第に路面はウェットコンディションへと変わっていった。

スタートラインに並ぶ宇都宮ブリッツェンの選手らスタートラインに並ぶ宇都宮ブリッツェンの選手ら
前日のレースで総合首位に返り咲いたセバスチャン・モラ(マトリックスパワータグ)と雨澤毅明(那須ブラーゼン)前日のレースで総合首位に返り咲いたセバスチャン・モラ(マトリックスパワータグ)と雨澤毅明(那須ブラーゼン)

 25周回、37.5kmの距離で争われた決勝は、5周回ごとにポイント周回も設けられ、めまぐるしく変わるレース展開は常に目を離せない内容となった。

 スタート直後から代わる代わるアタック合戦が繰り広げられ、特に佐野淳哉(那須ブラーゼン)や山本元喜(斑鳩アスティーフォ)の動きが目立っていたが、他チームを含め決定的な逃げは決まらない。ツアー首位の証であるルビーレッドジャージを着たセバスチャン・モラは序盤、中盤と集団の後方でひっそりと息を潜めていた。

ポイント周回ではペースが上がり集団は一列棒状に。先頭は 青柳憲輝(宇都宮ブリッツェン)ポイント周回ではペースが上がり集団は一列棒状に。先頭は 青柳憲輝(宇都宮ブリッツェン)
終始積極的な動きを見せた佐野淳也(那須ブラーゼン)終始積極的な動きを見せた佐野淳也(那須ブラーゼン)
単独での動きが目立った山本元喜(斑鳩アスティーフォ)単独での動きが目立った山本元喜(斑鳩アスティーフォ)

 中盤以降も宇都宮ブリッツェン、シマノレーシングのメンバーが積極的に攻撃を繰り返すものの、集団の人数はほとんど減ることがなく周回数が刻まれていく。ときおり4~5人の飛び出しが出るものの、コース短縮の影響もありコーナーでどんどが吸収されてしまう。レース中は雨水で跳ねた砂が選手たちに降りかかって顔やウェアを覆い、北のクラシックを連想させた。

積極的な走りでポイント周回賞トップとなった畑中勇介(シマノレーシング)積極的な走りでポイント周回賞トップとなった畑中勇介(シマノレーシング)
レースの進行につれ雨と砂で黒くなっていく選手らレースの進行につれ雨と砂で黒くなっていく選手ら

 最終周回になっても決定的な動きは決まらず、勝負は集団ゴールスプリントに持ち込まれた。バックストレートに入り、各チームの有力選手が集団前方にポジションを上げていく。マトリックスのモラ、UKYOのガルシアやバルセッキが集団前方を固めていった。その周囲には宇都宮クリテリウムで2位に入った皿屋豊(イナーメ信濃山形)をはじめ、藤岡克磨(クロップス・チャンピオンシステム)、吉田隼人(シマノレーシング)などが位置取った。

クリテリウム表彰台。(左より)2位の吉田隼人、優勝の大久保陣、3位のセバスチャン・モラクリテリウム表彰台。(左より)2位の吉田隼人、優勝の大久保陣、3位のセバスチャン・モラ

 最終コーナーをトップで回ったのは、チームメートの鈴木真理のアシストを受けた宇都宮ブリッツェンの大久保陣。大久保は他の誰よりも早くスパートをかけ、吉田隼人(シマノレーシング)らの猛追を振り切り、先頭のままゴールラインを割った。

 大久保はJプロツアーで個人としては初勝利。ゴール後には「落車覚悟で(最終コーナーに)突っ込んだのが結果につながった」と語った。昨年の同レースで悔しくも3位だった悔しさゆえの高いモチベーションが、勝機をつかんだ格好だ。

 ルビーレッドジャージは3位に入ったモラがキープ。次戦となるシリーズ第4戦は翌週4月26日に、群馬県みなかみ町の群馬サイクルスポーツセンターで「群馬CSCロードレース」が開催される。

(レポート 高橋真吾)

ポイント周回賞表彰。(左より)2位の青柳憲輝(宇都宮ブリッツェン)、1位の畑中勇介(シマノレーシング)、3位吉田隼人(同)ポイント周回賞表彰。(左より)2位の青柳憲輝(宇都宮ブリッツェン)、1位の畑中勇介(シマノレーシング)、3位吉田隼人(同)
前日のタイムトライアルで取り返したルビーレッドジャージをキープしたセバスチャン・モラ(右)と、ピュアホワイトジャージの雨澤毅明(左)前日のタイムトライアルで取り返したルビーレッドジャージをキープしたセバスチャン・モラ(右)と、ピュアホワイトジャージの雨澤毅明(左)
女子は棟近陽子(中央、ユーロワークスレーシング)が優勝。Jフェミニンリーダーは高山真由子(右、竹芝サイクルレーシング)となった(提供:一般社団法人 全日本実業団自転車競技連盟)女子は棟近陽子(中央、ユーロワークスレーシング)が優勝。Jフェミニンリーダーは高山真由子(右、竹芝サイクルレーシング)となった(提供:一般社団法人 全日本実業団自転車競技連盟)

タイムトライアル結果
1 宇都宮ブリッツェン(鈴木真理、大久保、増田、鈴木譲、阿部、青柳) 22分10秒03
2 那須ブラーゼン(鈴木、雨澤、普久原、佐野、清水、小阪) +4秒
3 シマノレーシング(畑中、吉田、入部、ロウ、木村、横山) +19秒
4 クロップス・チャンピオンシステム(藤岡、山本、大村、末長、米内、アギラ) +22秒
5 イナーメ信濃山形(皿屋、中村、ソールズベリー、高岡、山下、森本) +28秒
6 マトリックスパワータグ(モラ、フェルナンデス、永良、安原) +29秒

クリテリウム決勝
1 大久保陣(宇都宮ブリッツェン) 52分31秒
2 吉田隼人(シマノレーシング) +0秒
3 セバスチャン・モラ(マトリックスパワータグ) +1秒
4 リカルド・ガルシア(チームUKYO)
5 住吉宏太(チームUKYO)
6 岩島啓太(なるしまフレンド)
7 フラビオ・バルセッキ(チームUKYO)
8 畑中勇介(シマノレーシング)
9 皿屋豊(イナーメ信濃山形)
10 西沢倭義(シエルヴォ奈良・ミヤタ-メリダ)

Jプロツアーリーダー(ルビーレッドジャージ)
セバスチャン・モラ(マトリックスパワータグ)

U23リーダー(ピュアホワイトジャージ)
雨澤毅明(那須ブラーゼン)

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