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オレを負かしてみろ!「CycleTT」を使って土井雪広選手がヤビツ峠にアタック 元日本チャンプのヒルクライム必勝法とは

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 ゼンリンデータコムの無料iPhoneアプリ「CycleTT」は、サイクリストがコースを作成したり、走行タイムなどを共有したりできる新しいサービスだ。Cyclistの特集では前回、チームUKYOの狩野智也選手が埼玉県の白石峠へトライするシーンをお伝えしたが、今回は神奈川県のヤビツ峠を、同じくチームUKYOの土井雪広選手がアタック! さらに、モデルでヒルクライマーの日向涼子さんと、ヤビツ峠の攻略法やヒルクライムの上達法など、ヒルクライムトークをしてもらった。

CycleTTを使ってヤビツ峠でタイムアタックする土井雪広選手(チームUKYO)CycleTTを使ってヤビツ峠でタイムアタックする土井雪広選手(チームUKYO)

元日本チャンピオンが「本気」でヤビツアタック!

ヤビツ峠は首都圏のサイクリストに人気のスポットだヤビツ峠は首都圏のサイクリストに人気のスポットだ

 神奈川県の秦野から宮ヶ瀬へと抜けるヤビツ峠は、首都圏のサイクリストにとって、知らない者はいないと言われるほど有名な峠だ。近場のサイクリストはもとより、遠方の人も、ヒルクライム好きであれば一度はアタックしたことがあるのではないだろうか。

 一般的にヤビツアタックと言えば、県道70号線で国道246号線の「名古木(ながぬき)」交差点からを指すこともあるが、今回のタイム計測では、名古木から2つ目の信号からスタート。ヤビツ峠の手前にある最後のコンビニが目印の、この交差点からであれば、頂上まで信号がないので、条件に差がつかず安全にトライできる。頂上までの距離は約10kmだ。

スタート前、アプリの説明を受ける土井選手スタート前、アプリの説明を受ける土井選手

 編集部からはチームに対し、「そこそこ追い込んでくれれば…」とお伝えしていたのだが、チームから土井選手には「誰にも破られないタイムを出してこい」と指示があったとか…。「本気でいきますよ」と話す土井選手は、スタート前にローラー台でウォーミングアップを開始。気合いは十分だ。

 土井選手の速さを体感してもらうため、日向さんには先行してスタートしてもらった。日向さんはヤビツ挑戦が2度目だという。軽やかにスタートするが、直後に現れた急勾配区間には「きつい!」との声があがる。

本格的なヒルクライムは久々だという日向涼子さん本格的なヒルクライムは久々だという日向涼子さん
にこやかな表情でスタート。でもすぐ現れた急勾配区間で真剣モードににこやかな表情でスタート。でもすぐ現れた急勾配区間で真剣モードに

 約10分後、土井選手がスタートした。最初からハイペースでグングン加速し、ほぼ中間地点で日向さんを追い抜いてしまった。撮影スタッフは土井選手が日向さんを捕える瞬間を、峠道の後半で待ち構えていたが、想定外に土井選手が速く追いついてしまったため、決定的場面を捉えることができず…抜かれる瞬間に日向さんが「エェーーッ!」と叫ぶ声が、山の下の方からこだましてきた。

ハイペースで上りをこなす土井選手ハイペースで上りをこなす土井選手

 撮影日は平日だったが、ヒルクライムの名所だけあって、この日も峠を上っているサイクリストは多い。土井選手は異次元のスピードで彼らを次々にパスし、峠の頂上に飛び込んできた。タイムは何と26分。これでも、後半に少しペースを緩めたというのだから驚きだ。「レースなら25分、もしコンタドールが上ったら20分くらいじゃないですかね?」とは土井選手のコメント。

 土井選手がゴールしてしばらくした後、日向さんもラストスパートをかけてゴールへ飛び込んできた。

 アタック終了後、日向さんから土井選手に、この日の感想やヒルクライムのコツなど話を聞いてもらった。


土井選手のゴール。現役日本トップライダー、さすがのタイムを叩き出した土井選手のゴール。現役日本トップライダー、さすがのタイムを叩き出した
日向さんのゴール。「練習不足!」とのことでタイムは内緒日向さんのゴール。「練習不足!」とのことでタイムは内緒

土井雪広&日向涼子 ヒルクライムトーク

日向「今日走ってみた感じはどうでしたか?」

土井「調子は良かったですよ。今日は20分のデータを取るために走ったんです。そこを376ワットで走って、ラスト6分は330ワットくらいで走りました」

日向「ヤビツ峠にはよく来るんですか?」

土井「家から自転車で1時間半くらいなので、よく来ますよ。でもタイムを計るのは年に3、4回くらい。普段は上ったり下ったりのインターバルトレーニングをしています」

ゴール後、この日の走りのデータをチェックする日向さんと土井選手ゴール後、この日の走りのデータをチェックする日向さんと土井選手

日向「練習は一人で?」

土井「長い距離の練習はチームで走りますが、強度が高い練習は一人で集中してやっています。練習の時はパワーメーターを見てやりますね。心拍数はメンタルで左右されちゃうし、当てにならないので、心拍計はつけません」

日向「ちなみにヒルクライムは好きですか?」

土井「実は好きじゃないですね。面白くはないです。楽しんで走るのなら海沿いとかの方が、景色もきれいだし楽しいですね」

2011年のブエルタ・ア・エスパーニャ(スペイン一周レース)、頂上ゴールの第9ステージを走る土井選手。この年日本人で初めてブエルタを完走、現在も日本人完走者は土井選手のみだ2011年のブエルタ・ア・エスパーニャ(スペイン一周レース)、頂上ゴールの第9ステージを走る土井選手。この年日本人で初めてブエルタを完走、現在も日本人完走者は土井選手のみだ

日向「日本のヒルクライムレースとヨーロッパの山岳レースの違いってどんな感じですか?」

土井「例えば、日本では乗鞍のヒルクライム大会は有名じゃないですか。でもヨーロッパのステージレース、ツール・ド・フランスとかジロ・デ・イタリアとかブエルタ・ア・エスパーニャとかの山岳ステージでは、レースの一部で乗鞍レベルの山を越えていくんです。超級山岳ステージなら、ガリビエ峠を越えてラルプ・デュエズとか。乗鞍を越えてさらに乗鞍を上るような感じで、それで150kmとか走るんです。日本ではそういうレースってないですよね」

日向「あるとすればツール・ド・北海道とか?」

土井「北海道でも(最大標高)600mくらいだから、“丘”ですね」

日向「うそーっ、丘ではないでしょう!?」

土井「だって山岳ステージって、1つの山を1時間上りますからね。さっきのペース以上で。それを経験すると、丘に見えてくると思いますよ」

日向涼子さん日向涼子さん
土井雪広選手土井雪広選手

日向「CycleTTはどういった用途に使えそうですか?」

土井「ホビーレーサーにオレのタイムを見せつけるアイテムじゃないですか? オレを負かしてみろ!的な」

日向「もしタイムで負けたらイラッとしませんか?」

土井「いいんじゃないですか? フフフ…(余裕の笑み)」

■ヒルクライムのコースもタイムも、スマホで気軽に記録 「CycleTT」

土井選手が「CycleTT」を使ってヤビツ峠で計測したデータ土井選手が「CycleTT」を使ってヤビツ峠で計測したデータ

 CylceTTは、ユーザー自らがコースを作成したり、他のユーザーが作ったコースにトライしてタイムを共有したりできるアプリだ。コースごとにランキングが設定されており、他のユーザーとの比較を楽しみながらサイクリングができる。

 各コースは登録時、特徴に応じて「総合」「平地」「山岳」の3タイプに区分される。また、そのコースで最速タイムを記録したトップランカーは、アプリ上で“リーダージャージ”のアイコンを獲得できる。

 多くの人が挑戦したくなるような魅力あるコースを考え出すのも楽しみ方の一つ。自分の作ったコースで他のユーザーと切磋琢磨しあえることは、大きな励みになるだろう。

 ただし、CycleTTを楽しむうえで常に意識しなければならないのは、走っているのが公道だということ。タイムを計測してランキングがつくとはいえ、交通ルールやマナーは絶対に守らなければならない。

「CycleTT」のトップ画面。中央の顔のアイコンは、自分が登録した「マイページ」へ。ほかに「コース作成」や、コースを選択する「トライ」などのボタンがある「CycleTT」のトップ画面。中央の顔のアイコンは、自分が登録した「マイページ」へ。ほかに「コース作成」や、コースを選択する「トライ」などのボタンがある
「コース作成」の画面。現地でスタート・ゴール時にボタンを押してコースを自動的に記録することも、事前にマップ上でコースを描いておくこともできる「コース作成」の画面。現地でスタート・ゴール時にボタンを押してコースを自動的に記録することも、事前にマップ上でコースを描いておくこともできる
「マップ上でコースを描く」を選択すると、オンラインの地図からスタート・ゴール地点を指定できる。コースの距離や獲得標高も自動的に算出してくれる「マップ上でコースを描く」を選択すると、オンラインの地図からスタート・ゴール地点を指定できる。コースの距離や獲得標高も自動的に算出してくれる


日向涼子さん日向涼子さん

日向「私は6月のヒルクライム大会を目標にしているのですけれど、何かアドバイスをいただけますか?」

土井「ちなみに去年のタイムは?」

日向「1時間33分だったんです」

土井「多分しっかり練習すれば10分くらい縮まりますよ。しっかりというのは、僕らと同じように、週5日、いや毎日ですね」

日向「毎日ですか!」

土井「自転車は毎日続けることが大事なんです。ローラーとかでもいいですよ。ローラー1時間を毎日とか」

日向「ローラーを毎日やるのか…」

土井「超つまんないですよね(笑)。僕、いつも自転車のテレビを見ながらやってますよ。昔からのレースとか、自分が走ったレースも全部録画してあるので、そういうのを見ながら乗っています。ただ、インターバルでやるときは何も見ないで自分の世界に入ります。今度やってみますか?」

日向「やったことありますが、グダグダでしたね」

土井雪広選手土井雪広選手

土井「しっかりテストして、自分の心拍データを取ってやるんです。まず20分全力でテストして、そのパワーデータを僕に送ってください。メニュー作りますよ」

日向「怖いので送りたくないです(笑)。土井選手の今シーズンの目標を教えてください」

土井「身近な目標は、5月のツアー・オブ・ジャパンですね。チームで勝ちます。個人総合優勝を出しますよ。僕自身は司令塔なので、総合成績ではなくステージ優勝狙い。勝つなら飯田(南信州ステージ)か修善寺ですね。飯田のコースは大好きなんです」

日向「あと、未来の目標としては?」

土井「未来は(チーム監督の)片山右京さんと相談しますけれど、とりあえずヨーロッパへ行くのは間違いないですね。右京さんはチームでツール・ド・フランスに出ることを目標にしている。妄想の世界かも知れないけれど、それを形にしていくのが仕事じゃないですか。あとは、若い子を育成することですね」

今シーズン、土井選手が乗るのはKUOTA KOM今シーズン、土井選手が乗るのはKUOTA KOM
ダウンチューブとシートチューブの間のブリッジがBB剛性を高めるダウンチューブとシートチューブの間のブリッジがBB剛性を高める
ホイールはTOKENを使用。フルカーボンだがこれでも練習用だというホイールはTOKENを使用。フルカーボンだがこれでも練習用だという

最初無理せず、展望台からは我慢

 土井選手には、ヤビツ峠攻略のアドバイスも聞いてみた。

 「最初のバス停までは、上げ過ぎないこと。ここでオールアウトしたら、上までオールアウトになってしまうので、最初は上げ過ぎない」と、前回の狩野選手による白石峠攻略方法と同様、前半の急勾配区間で無理をしないことがまず重要だという。

 「中盤に緩やかになったところで踏んでいく。そこでタイム差が開きます。展望台から後は、我慢ですね(笑)」と、全体を3つのセクションに区切ってのペース配分を挙げてくれた。

 終盤の我慢のポイントを尋ねると、「休みたくなるけど、力を抜かないこと」。最後は、やはり精神力がものを言うようだ。CycleTTを使って、土井選手のタイムにぜひ挑戦してみてほしい。

序盤の急勾配区間も軽やかにこなす土井選手序盤の急勾配区間も軽やかにこなす土井選手
後半「我慢」の区間。ペダルを踏む力は衰えない後半「我慢」の区間。ペダルを踏む力は衰えない
土井雪広土井雪広(どい・ゆきひろ)

1983年9月18日生まれ。ジュニア時代より国内トップとして活躍。2004年にプロ入りし、2005年からは欧州のレースを中心に参戦。2011年には世界3大ツールの一つ、ブエルタ・ア・エスパーニャに日本人として初出場し、完走を果たす。2012年には初の日本チャンピオンを獲得し、ブエルタでも2度目の完走を果たした。2013年よりチームUKYO所属。4月18日に初の著書『敗北のない競技─僕の見たサイクルロードレース─』(東京書籍)を刊行。

日向 涼子 日向 涼子(ひなた・りょうこ)

企業広告を中心に活動するモデル。食への関心が高く、アスリートフードマイスター・食生活アドバイザー・フードアナリストの資格を持つ。2010年よりロードバイクに親しみ、ヒルクライム大会やロードレース、サイクリングイベントへ多数出場。自転車雑誌「ファンライド」で『銀輪レディの素』を連載中。ブログ『自転車でシャンパンファイトへの道』( http://ameblo.jp/champagne-hinata/ )

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