ワンデーレースの最高峰“クラシックの王様”カンチェッラーラが「ツール・デ・フランドル」連覇 4人でのスプリント勝負を制す

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 “クラシックの王様”と称されるUCIワールドツアー「ツール・デ・フランドル」が4月6日にベルギーで開催され、ディフェンディングチャンピオンのファビアン・カンチェッラーラ(スイス、トレック ファクトリーレーシング)が優勝。最後までもつれこんだ小集団スプリントを制し、大会通算3勝目となる連覇を達成した。

ファビアン・カンチェッラーラが歓喜のゴール。「ツール・デ・フランドル」連覇を達成したファビアン・カンチェッラーラが歓喜のゴール。「ツール・デ・フランドル」連覇を達成した

 259kmで行われたレースは序盤が平坦基調で、100kmを過ぎたあたりから、登坂セクションと石畳(パヴェ)セクションが次々と現れるレイアウト。石畳の急坂で集団の前に残れるか、あるいはアタックを決められるかどうかが勝負を左右するポイントだ。優勝候補の本命としては、昨年優勝のカンチェッラーラ、同2位のペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール)、3度の優勝経験をもつトム・ボーネン(ベルギー、オメガファルマ・クイックステップ)が注目されていた。

ベルギーで絶大な人気を誇るレース。観客がずらりと列を作るベルギーで絶大な人気を誇るレース。観客がずらりと列を作る

 11人の逃げが決まり、それを追い上げるメーン集団では、石畳や細い道で落車が続出し、上位を狙える選手からも数人がリタイアを強いられた。残り55km地点からは、オウデ・クワレモント、パテルベルグ、コッペンベルグという3つの石畳の急坂が10kmの間に集中しており、メーン集団はそれに向けて逃げ集団との差を縮めていった。コッペンベルグを越えて逃げを吸収する頃には、集団は20人程度まで絞られていた。

 ここからは、カンチェッラーラ、サガン、集団のなかに多くのチームメートが残るボーネンら本命同士の駆け引きと、そのスキをついてアタックを決めたい選手たちの攻防が展開された。そのなかで残り31km、グレッヒ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMC レーシング)とスティーン・ヴァンデンベルフ(ベルギー、オメガファルマ・クイックステップ)のアタックが成功した。このアタックで集団は統率が取れなくなり、2人は最大で1分のリードを奪った。

ベルギーの英雄、トム・ボーネン。石畳の急坂を上るベルギーの英雄、トム・ボーネン。石畳の急坂を上る
アタックを仕掛けたグレッヒ・ヴァンアーヴェルマートアタックを仕掛けたグレッヒ・ヴァンアーヴェルマート

 そして残り17km、周回コースで再びオウデ・クワレモントとパテルベルグが登場。このオウデ・クワレモントでカンチェッラーラとセップ・ヴァンマルク(ベルギー、ベルキン プロサイクリングチーム)が強さを見せた。サガン、ボーネンを含む集団をちぎり、前を行く2人を追走する。最後の上り、パテルベルグに突入すると、上りでヴァンデンベルフ、下ったあとの平坦区間でヴァンアーヴェルマートを吸収。残り11kmからは、クラシックレーサー4人の勝負となった。

思うような力を発揮できないペテル・サガン思うような力を発揮できないペテル・サガン
ファビアン・カンチェッラーラを先頭に、ゴールを目指す4人ファビアン・カンチェッラーラを先頭に、ゴールを目指す4人

 平坦路だけを残し、まずは後方の選手たちを引き離すために高速を保ちながらも、できるだけ足を残すため、先頭交代では駆け引きが繰り広げられる。ゴールが近づいてくると、残り3kmでヴァンデンベルフがアタック。これは不発に終わるが、ここから4人は牽制状態に入った。かなり速度を落とした状態から、残り200mでカンチェッラーラがスプリントを開始。残る3人の追い上げを許さず、王者が歓喜の連覇を達成した。大金星を狙ったベルギー人クラシックレーサーたちは、惜しくもチャンスを逃した。

(左から)グレッヒ・ヴァンアーヴェルマート、ファビアン・カンチェッラーラ、セップ・ヴァンマルク(左から)グレッヒ・ヴァンアーヴェルマート、ファビアン・カンチェッラーラ、セップ・ヴァンマルク

 クラシックで絶大な強さを誇るカンチェッラーラも、この日のような展開になれば、前を引かされて、消耗したところで勝利をさらわれる、という展開になることも多い。しかし、今回はうまく周りを使いながら足を残してスプリントで勝利。勝ちパターンは独走だけではない。3度目のツール・デ・フランドル優勝を挙げ、今シーズンの大きな目標の一つを達成したカンチェッラーラが次に狙うのは、1週間後の「パリ~ルーベ」だ。

(文 平澤尚威・写真 砂田弓弦)

ツール・デ・フランドル結果
1 ファビアン・カンチェッラーラ(スイス、トレック ファクトリーレーシング) 6時間15分18秒
2 グレッヒ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMC レーシング)
3 セップ・ヴァンマルク(ベルギー、ベルキン プロサイクリングチーム)
4 スティーン・ヴァンデンベルフ(ベルギー、オメガファルマ・クイックステップ)
5 アレクサンドル・クリツォフ(ノルウェー、チーム カチューシャ) +8秒
6 ニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファルマ・クイックステップ) +18秒
7 トム・ボーネン(ベルギー、オメガファルマ・クイックステップ) +37秒
8 ゲラント・トーマス(イギリス、チーム スカイ) +37秒
9 ビョルン・ルークマンス(ベルギー、ワンティ・グループゴベール) +41秒
10 セバスティアン・ラングフェルド(オランダ、ガーミン・シャープ) +43秒

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