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日向涼子のサイクリングTalk<3>尾道の自転車複合施設「ONOMICHI U2」からしまなみ海道へ 思いっきり楽しんだ女子2人旅

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全国初の自転車複合施設「ONOMICHI U2」を取材しました全国初の自転車複合施設「ONOMICHI U2」を取材しました

 広島県尾道市にサイクリストのための複合施設「ONOMICHI U2」がオープン! ということで、なんと今回はオープン前に取材する機会に恵まれました。

 ONOMICHI U2 って、Cyclistで最初の紹介記事が掲載されたとき、編集長もビックリするほどの「いいね!」がついた注目の施設でしょ? しかも尾道市といえば、サイクリストなら一度は走ってみたい「瀬戸内しまなみ海道」の起点じゃない!

映画のロケ地にもなった風情ある街並み。ポスターを真似てみました映画のロケ地にもなった風情ある街並み。ポスターを真似てみました

 「そんなところを自転車の取材で行かせていただけるなんて…」という喜びはもちろん本心なのですが、その前に、私にとっての尾道は“映画のまち”であり、真っ先に思い浮かぶのは、大林宣彦監督の「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」という尾道三部作(観たのはリアルタイムではありませんよ)。

 映画の中のノスタルジックな街並みは、とても印象的でした。寺や神社が多く、情緒あふれる雰囲気。そんな映画の世界は、まだ残っているのかしら…。

 今回はCyclist編集部の紅一点、K記者との“女ふたり旅”です。女性サイクリストの視点でONOMICHI U2 やしまなみ海道の魅力を伝えるという使命を帯びながらも、K記者とは「自転車ばっかりじゃ、つまらないわよねぇ?」との意見で一致(笑) 初日はちょっとお仕事を忘れて、2人で尾道観光を楽しんできちゃいました。

尾道と瀬戸内海を一望 私の中の“少女”が呼び起こされ…

 尾道までのアクセスは、意外に便利。新幹線なら新尾道駅で下車すれば、尾道駅や中心街までバスが通っています。今回、私たちが利用した広島空港からは車で45分ほど。羽田空港を出発してから2時間ちょっとで尾道に到着することが可能です。

 車窓から尾道の街を眺めていると、“初めてなのにどこか懐かしい”というデジャヴに陥ります。映画に出てきたスポットはいくつか取り壊されたようですが、残された古民家はリノベーションされ、昔の雰囲気を残したオシャレなカフェや雑貨店になって私たちを迎えてくれました。

千光寺山ロープウェイを降りれば、本土と向島を結ぶ尾道大橋や尾道市街が見渡せます千光寺山ロープウェイを降りれば、本土と向島を結ぶ尾道大橋や尾道市街が見渡せます
千光寺を参拝しました千光寺を参拝しました

 風情ある街並みを歩いていると、あっという間に千光寺山ロープウェイの駅へ。空中散歩で尾道の景観を楽しみつつ、3分後には山頂へ着きました。千光寺公園の頂上からは、尾道市街だけでなく瀬戸内海の島々と尾道水道を一望でき、眼下に広がる街はまるで箱庭のよう。その絵画的な光景に、私の中の“少女”が呼び起こされ、ワクワクするような、そして清々しい気持ちになりました。

千光寺からの下りは歩きで。途中、早咲きのサクラが咲いていました千光寺からの下りは歩きで。途中、早咲きのサクラが咲いていました

 千光寺山からの下りは、“文学のこみち”を歩きながら「文学碑に刻まれた名前のうち何人知っているか」を競ったり、“猫の細道”と呼ばれる細い路地で「福石猫」を探したり、本物の猫と遊んだり。

「福石猫」見つけた!「福石猫」見つけた!
“猫の細道”で福石猫を探しながら歩きました。このカップル猫、片方を隠して念じると、いい出会いがあるとか“猫の細道”で福石猫を探しながら歩きました。このカップル猫、片方を隠して念じると、いい出会いがあるとか

 女子2人ではしゃぎながらの旅は、本当に楽しくて開放的です。挙げ句の果てには、石鎚山鎖修行に挑戦(笑)。出発前日にK記者から「自転車も街中もいける装いで来てね!」と言われ、“レーパン”派の私は悩みに悩んで“山ガール”風を選択したのですが、これで正解でした。

途中で石鎚山鎖修行に挑戦。“山ガール”風の装いでよかった!途中で石鎚山鎖修行に挑戦。“山ガール”風の装いでよかった!
石鎚山鎖修行から無事、下山!石鎚山鎖修行から無事、下山!
映画の世界に溶け込んでいきます映画の世界に溶け込んでいきます

“倉庫”に広がる現代的なおもてなし空間

 尾道観光のあとは、ONOMICHI U2 へ。外観はどうみても倉庫ですが、一歩足を踏み入れれば現代的なおもてなしの空間が広がっていました。

 まずメインエントランスの中央にそびえる白い大きなアート作品が目に飛び込み、左手のベーカリーには美味しそうなパンの数々。その奥にはレストランやバー、ライフスタイルショップがゲストを待ち受けます。

ONOMICHI U2 のメインエントランスを入るとすぐ「Butti Bakery」と「U2 shima SHOP」がありますONOMICHI U2 のメインエントランスを入るとすぐ「Butti Bakery」と「U2 shima SHOP」があります
「HOTEL CYCLE」の部屋には自転車を持ち込めます「HOTEL CYCLE」の部屋には自転車を持ち込めます

 私たちは施設内の「HOTEL CYCLE」(ホテル サイクル)にチェックイン。クラシカルな雰囲気の部屋には、備え付けの自転車ハンガーやスタンドがあり、自慢の愛車を持ち込むことができます。自転車を持ってこなくても、併設の「ジャイアントストア尾道」でレンタルバイクを利用すれば、尾道→今治または今治→尾道で乗り捨ても出来ちゃうので、気軽にしまなみ海道縦断を楽しめます。

 レンタルバイクはジャイアントの最新モデルを中心にラインナップされているそうで、購入を検討されている人にとっては、試乗という意味でもいいかもしれませんね。

サイクリングロードから眺める橋は圧巻

トレック・ドマーネ5.2をお借りしましたトレック・ドマーネ5.2をお借りしました

 残念ながら私たちが訪れた時は、まだジャイアントストアが開業する前だったので、その場で自転車を借りることは出来ませんでした。でも、Cyclist編集部がトレック・ジャパンに依頼し、最新のロードバイク「ドマーネ5.2」を用意してくれていました。

 ドマーネといえば、ファビアン・カンチェッラーラ選手が愛用していることで有名ですよね! 彼と同じモデルではないにしても、ロングライドに快適さをもたらすよう設計されたバイク。一体どんな走りをしてくれるのでしょう…サイクリストの血が騒ぎます。

 翌日のしまなみ海道は、まずフェリーから。船での移動というと特別な感じがしますが、ここ瀬戸内では通勤・通学に使われるほど身近な存在です。また、島というと人里離れた孤独な土地というイメージがありましたが、実際には尾道駅周辺と同じくらい家並みも交通量もあり、コンビニやトイレにも困りません。

しまなみ海道へはフェリーで渡ります。乗り場には特大のサイクリングロードマップしまなみ海道へはフェリーで渡ります。乗り場には特大のサイクリングロードマップ
自転車もそのまま乗船。ママチャリ持参の方もたくさんいました自転車もそのまま乗船。ママチャリ持参の方もたくさんいました
橋の手前、わかりやすく整備された案内標識や道路標示橋の手前、わかりやすく整備された案内標識や道路標示
いよいよ因島大橋を渡りますいよいよ因島大橋を渡ります
橋の通行料金50円はこんな風に支払います橋の通行料金50円はこんな風に支払います
因島と生口島を結ぶ生口橋。サイクリングロードはスイスイと快適に走れます因島と生口島を結ぶ生口橋。サイクリングロードはスイスイと快適に走れます

 さらに、気の利いた道路標識が分かりやすく設置されており、「行政機関の中にサイクリストがいるのかな?」と感じさせられるほどでした。

 サイクリングロードから眺める橋は圧巻。橋に入る道は橋梁の高さまで上り坂になっていて、遠目には「これを自転車でのぼるのかあ…」と思ったものですが、実際にはスポーツバイクでなくても気持ち良く走れるよう、緩やかな斜度に設定されています。

 まして、私はドマーネですから! 特に平地では違いが分かりやすく、ひと漕ぎが1.2漕ぎくらいの感覚でグングン進みます。その上、地面に吸い付くような感覚があって、すごく滑らか。下りが苦手な私でもストレスがなく、コーナーではスーッ…と思い描いた通りのラインを描いてくれるので、純粋に走る楽しさを満喫出来ました。

驚くほど美味しかったはっさくとレモン

 あまりに気持ちよく進むので、目印に気づかないまま通り過ぎちゃうほど(笑) あちこち迷いながら、“はっさく大福”で有名な「はっさく屋」さんに到着しました。噂には聞いていましたが、その美味しさと言ったら! 英語が堪能な編集部K記者は、まるで外国人のように「ジューシー!」と、店内に響き渡る声をあげて感動していたほどです。

これこれ! お目当ての「はっさく大福」を見つけましたこれこれ! お目当ての「はっさく大福」を見つけました
明るい雰囲気で「はっさく大福」を作っているみなさん。ごちそうさまでした!明るい雰囲気で「はっさく大福」を作っているみなさん。ごちそうさまでした!
因島大橋を展望できる店内で、いただきます因島大橋を展望できる店内で、いただきます

 柔らかいお餅の中に、甘さ控えめの白あんと、フレッシュなはっさく。柑橘類の中でも特有のサクサクした食感が心地よく、それを包み込む程よい量の白あんが落ち着いた風味を演出します。はっさく大福を食べたことのある知り合いは誰もが感動していたのに、私は「柑橘類を大福にするって、どうよ」と少し疑っていました。ゴメンナサイ。

 はっさく大福に限らず、広島では柑橘類が驚くほど美味しいんです。特にレモンは、「今まで食べていたレモンは何だったんだ!」というくらい、もう別物。広島県というと牡蠣やお好み焼きのイメージでしたが、レモンは国内で生産量No.1なんですね。

 ONOMICHI U2 のショップにあったグリーンレモンのジャムは、香り高くて少し苦みを感じる大人の味わい。夜にいただいたレモンピザは、見た目はシンプルですが、チーズの塩気と、噛めば鼻に抜けるレモンの香りがとても新鮮で、衝撃的な美味しさでした。価格面で輸入レモンに押されてはいますが、広島県産のレモン、特に「瀬戸内 広島レモン」を食べたら、輸入レモンを食べる気がしなくなりそう。ある意味、とっても罪深い味かも知れません。

ONOMICHI U2 のショップで売られていた、瀬戸内の柑橘類を使ったジャム。グリーンレモン(左下)は保存料無添加で採れたての素材だけを用いているそうですONOMICHI U2 のショップで売られていた、瀬戸内の柑橘類を使ったジャム。グリーンレモン(左下)は保存料無添加で採れたての素材だけを用いているそうです
生口島内に数軒あるというレモンケーキ屋さんのひとつ、梅月堂。K記者も編集部へのお土産にされていました生口島内に数軒あるというレモンケーキ屋さんのひとつ、梅月堂。K記者も編集部へのお土産にされていました

 はっさく大福を食べ終えて再び走り始めた後も、柑橘類を売っているお店はいくつも現れました。

 「リュックを背負ってくれば買えたのに」「いやいや、せっかくのドマーネ。戦闘モードで走りたいでしょ?」

 心の中で、ふたりの私が何度言い争いをしたことか…

ちょこっとヒルクライム、のはずが…

 確かに戦闘モードの私は、しまなみ海道だけでは飽き足りません。そこで「白滝山」という看板に反応。ちょこっと寄り道をして、ヒルクライムしちゃいました。

 ただ、その“ちょこっと”が予想以上に強烈でして…距離は2km強と短いけれど、平均勾配が9%。13%以上が1kmくらい。サイクリングロードを少し外れると、こんなに楽しいトレーニングスポットもありますよ(笑)

そこに坂があるから上るのですそこに坂があるから上るのです
戦闘モードに突入。編集部K記者ごめんなさい、お先に…戦闘モードに突入。編集部K記者ごめんなさい、お先に…
勾配は…メモメモ勾配は…メモメモ
白滝山展望台より。次はあの橋を渡ります白滝山展望台より。次はあの橋を渡ります

 こうして『女子旅』というテーマを忘れて遊んでいると、あっという間に帰りの時間が近づき、3つ目の島である瀬戸田から船に乗って尾道へ戻りました。このようにしまなみ海道は、時間や体力がなければ途中で船に乗って引き返すこともできるし、それぞれの島に宿泊施設もあるので、時間に余裕がある人は途中で泊まりながら島の旅を満喫することもできちゃいます。

ちょっとかわいらしい船がやってきました。レモン色ですね!ちょっとかわいらしい船がやってきました。レモン色ですね!
スタンドのないスポーツバイクは船内へ入れてもらえましたスタンドのないスポーツバイクは船内へ入れてもらえました

 今回は、自称(?)晴れ女ふたりの旅。とっても楽しかったけれど、因島の大山神社、通称「自転車神社」をパスしたのと、四国に入れなかったのは心残りでした。しまなみ海道を語るなら、やっぱり縦断しないと…ですよね?

◇         ◇

素敵な旅を楽しめた尾道、そしてしまなみ海道。また訪ねます!素敵な旅を楽しめた尾道、そしてしまなみ海道。また訪ねます!

 …という訳で、東京に戻ってきたばかりですが、早くも『しまなみ海道の女子旅・パート2』を計画しているところです。もちろん、ONOMICHI U2 を利用したいです! 時期は、目標とするレースが終わった夏ごろかな? お仕事ではなくプライベートで。

 季節が変われば、尾道、そしてしまなみ海道はどんな風に私を迎えてくれるのでしょうか。また新しい発見を楽しみたいと思っています。(日向涼子)

日向 涼子 日向 涼子(ひなた・りょうこ)

企業広告を中心に活動するモデル。食への関心が高く、アスリートフードマイスター・食生活アドバイザー・フードアナリストの資格を持つ。2010年よりロードバイクに親しみ、ヒルクライム大会やロードレース、サイクリングイベントへ多数出場。自転車雑誌「ファンライド」で『銀輪レディの素』を連載中。ブログ『自転車でシャンパンファイトへの道』( http://ameblo.jp/champagne-hinata/ )

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