5年で1000人の雇用創出目指す「ディスカバーリンクせとうち」サイクリングは地域活性を導くカギ 「ONOMICHI U2」運営会社の出原昌直社長インタビュー

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「ディスカバーリンクせとうち」の出原昌直社長「ディスカバーリンクせとうち」の出原昌直社長

 サイクリストのための複合施設「ONOMICHI U2」(オノミチ ユーツー)が広島県尾道市で3月22日にオープンした。「HOTEL CYCLE」(ホテル サイクル)を中心に、レストラン、カフェ、自転車ショップなどが揃い、しまなみ海道の本州側発着地点としてさまざまに活用できる拠点施設だ。この施設を運営する地元企業「ディスカバーリンクせとうち」(DLS)の出原昌直社長に、ONOMICHI U2のねらいや尾道の魅力を聞いた。

郷土愛と危機感を共有したメンバーが取り組む新事業

 DLSは、尾道市と福山市鞆(とも)の浦地域の振興や雇用創出を目指し、2012年にスタートした。経営陣には同地域の産業を担う企業の経営者らが参画。出原さん自身も福山市で繊維業を営んでいる。

 出原さんは「観光業を中心に、5年で1000人の雇用を創出したい」と具体的な数値を掲げ、そのための地域資源を「観光、サイクリング、建築」の3つに見出した。

 ONOMICHI U2は、そうした構想を集約して生まれた施設だ。「尾道は建築の面で古民家再生などに注目が集まっており、ONOMICHI U2でも、使わなくなった県の倉庫をリノベーションして“今あるところ”を活用しました」と話す出原さん。従業員は、電車などで通勤できる地元の人材を中心に50人を採用し、「追ってさらに20人が加わる予定」だという。

もともとは海運倉庫だったONOMICHI U2の建物もともとは海運倉庫だったONOMICHI U2の建物
尾道周辺に在住のONOMICHI U2のスタッフら尾道周辺に在住のONOMICHI U2のスタッフら

尾道で“多島美”を味わい尽くす

因島と生口島を結ぶ生口橋因島と生口島を結ぶ生口橋

 広島県と愛媛県をつなぐしまなみ海道は、向島、因島、生口島(すべて尾道市)を含む瀬戸内海の6つの島を渡る。全域でサイクリングロードが整備されている上、島々にかかる巨大な橋を自転車で渡れることや、比較的平坦な道を楽しめるとあって、サイクリングに訪れる人は多い。

 「尾道は、穏やかな気候や海が最大の魅力。それからさまざまな島が織りなす“多島美”があります」と話す出原さん。記者もそれを聞いて、次々と変わるしまなみ海道の風景に感動し、時間を忘れて自転車で走り続けたことを思い出した。

 その瀬戸内海の魅力を全国に発信しようと、サイクリング、海、食、花、アートなどをテーマに、自治体の枠を超えた広域連携の展覧会「瀬戸内しまのわ2014」が3月21日にスタートした。ONOMICHI U2のオープンもこの展覧会に合わせたもので、盛り上げの一翼を担っている。

 「ONOMICHI U2では、観光客はもちろん、地元の人たちも施設を利用して瀬戸内を満喫してもらいたいと思っています。館内で販売しているオリジナル食品やファッショングッズ『U2コンセプト』は、そんな思いが詰まった商品。いろいろな業種とコラボレーションしながら、新しい商品を展開していきます。また、飲食店のほかに、市が運営するイベントスペース『ONOMICHI TERRACE』(オノミチ テラス)を併設し、写真展やトークショーといったイベントを楽しんでもらえるコミュニケーションの場を設けました」

「次の世代に残せるものを」

「瀬戸内を満喫」できるONOMICHI U2「瀬戸内を満喫」できるONOMICHI U2

 運営会社の社名「ディスカバーリンクせとうち」について、出原さんは「発見」「つなぐ」「瀬戸内」というキーワードで説明した。

 「ONOMICHI U2はDLSにとって初めての、中核を担う事業。地方にしかできないことを発信し、それを続けていくことが大切なのです」

 ONOMICHI U2では今後、「尾道で2泊してもらうこと」を目標にアクティビティを充実させていくという。出原さんは「サイクリングやクルージングといったことを考えています。例えば瀬戸内海のクルージングは、太平洋などの外海と違って寂しさを感じることがないのが魅力」と構想を練る。そして「地域に還元しながら、次の世代に残せるものを作っていきたい」と穏やかに、かつ力強く展望を語った。

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ONOMICHI U2 しまなみ海道 尾道市

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