世界レベルを見せつけたスペインのスピードマンJプロツアー第1戦「宇都宮クリテリウム」で開幕 マトリックスのモラがスプリントを制して優勝

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 国内ロードレースの最高峰シリーズ「Jプロツアー」が23日、栃木県で行なわれた「JBCF宇都宮クリテリウム」でシーズンの幕を開けた。レースはマトリックスパワータグの新外国人選手、セバスチャン・モラ(スペイン)が平地でのハイスピードバトルを制して優勝、個人総合首位の証であるルビーレッドジャージに、今シーズン最初に袖を通した。

今季初戦、大集団でのゴールスプリントを制して優勝したのは、セバスチャン・モラ(スペイン、マトリックスパワータグ)だった。大きくガッツポーズ今季初戦、大集団でのゴールスプリントを制して優勝したのは、セバスチャン・モラ(スペイン、マトリックスパワータグ)だった。大きくガッツポーズ

 Jプロツアーの開幕戦として、新規に開催された宇都宮クリテリウム。地域密着プロチームの宇都宮ブリッツェンを擁し、国内で最もJプロツアーの認知度が高い宇都宮市でのレースとあって、会場には国内トップ選手の勇姿をひと目見ようと、約7000人のロードレースファンが詰めかけた。

 レースは宇都宮市東部の清原工業団地の周辺道路を使用した、1周2.7kmの周回コースで行われた。起伏の全く無い平坦路で、縦長の長方形状のシンプルなコース。ハイスピードでの駆け引きとチーム力が試される展開となった。

各チームのチームカーが並ぶチームピット各チームのチームカーが並ぶチームピット
ファンの前でJプロツアー上位チームが紹介されるファンの前でJプロツアー上位チームが紹介される
『弱虫ペダル』作者の渡辺航先生がクロップス・チャンピオンシステムの応援に自走で駆け付けた『弱虫ペダル』作者の渡辺航先生がクロップス・チャンピオンシステムの応援に自走で駆け付けた
この日、台風の目となったイナーメ信濃山形この日、台風の目となったイナーメ信濃山形
123人の選手が一斉にスタートした123人の選手が一斉にスタートした

 25周回、67.5kmで争われた最高峰P1クラスタのレースは、スタート直後から有力選手の逃げグループが先行する展開に。

 まずは5人が先行。地元宇都宮ブリッツェンから、前週の広島のレースで優勝して好調の阿部嵩之、また準ホームチームとなる那須ブラーゼンから、プレーイングマネージャー(選手兼監督)の清水良行、さらに個人タイムトライアル現日本チャンピオンの大場政登志(クロップス・チャンピオンシステム)らが飛び出した。3周目にはここに窪木一茂(チームUKYO)ら2人が合流し、7人の逃げグループを形成した。

スタート直後から飛び出した逃げグループ5人スタート直後から飛び出した逃げグループ5人
メーン集団はマトリックスパワータグが積極的に追走のペースを上げるメーン集団はマトリックスパワータグが積極的に追走のペースを上げる
2周目、集団内で落車が発生2周目、集団内で落車が発生
優勝候補の一角、地元宇都宮ブリッツェンの鈴木真理が落車に巻き込まれてしまう優勝候補の一角、地元宇都宮ブリッツェンの鈴木真理が落車に巻き込まれてしまう
逃げグループで積極的な走りを見せる清水良行(那須ブラーゼン)逃げグループで積極的な走りを見せる清水良行(那須ブラーゼン)

 このレースでは5周ごとに賞金の懸かるスプリント賞が設けられ、最初のスプリントは窪木が獲得。その際の競り合いで先頭から2人が脱落し、逃げは5人となった。スピードと独走力に優れる選手を揃えた逃げグループだったが、後方のメーン集団はマトリックスらが牽引。2回目のスプリント賞を前にした10周目、逃げグループを捕えた。2回目のスプリント賞は小室雅成(ロヂャースレーシング)が獲得した。

5周目のスプリント賞に向けて加速する逃げグループ5周目のスプリント賞に向けて加速する逃げグループ
逃げを追うメーン集団逃げを追うメーン集団
マトリックスが先頭でメーン集団がペースを上げるマトリックスが先頭でメーン集団がペースを上げる
集団は1つに戻った集団は1つに戻った
細かいアタックがかかるが、大きな逃げにはならない細かいアタックがかかるが、大きな逃げにはならない

 ここからは逃げを試みるアタックと、それを潰す集団側のせめぎ合いが続いたが、どれも大きな動きにはならない。15周目のスプリント賞は再び窪木が、20周目はセバスチャン・モラ(マトリックス・パワータグ)がそれぞれ獲得。ここまではスプリント力に強い選手が力を発揮する展開だ。

集団先頭でアタックを仕掛ける山本和弘(クロップス・チャンピオンシステム)集団先頭でアタックを仕掛ける山本和弘(クロップス・チャンピオンシステム)
何度も小さな逃げができては潰される何度も小さな逃げができては潰される
3回目のスプリント賞争い。窪木一茂(チームUKYO)が1回目に続いて獲得3回目のスプリント賞争い。窪木一茂(チームUKYO)が1回目に続いて獲得
低いライディングフォームで阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)がアタック低いライディングフォームで阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)がアタック
4回目、最後のスプリント賞はモラが獲得4回目、最後のスプリント賞はモラが獲得

 残り3周になって、増田成幸(宇都宮ブリッツェン)、佐野淳哉(那須ブラーゼン)、狩野智也、平井栄一(チームUKYO)らの逃げがメーン集団に約10秒の差を付ける動きを見せたが、これも1周ほどで吸収され、勝負はゴールスプリント争いが濃厚となった。集団前方は、メーン集団で積極的に追走の動きを見せてきたマトリックス勢が固めている。

残り3周で形成された逃げグループ。有力選手も多い残り3周で形成された逃げグループ。有力選手も多い
逃げはやはり吸収されるが、佐野淳哉(那須ブラーゼン)が単独で粘る逃げはやはり吸収されるが、佐野淳哉(那須ブラーゼン)が単独で粘る
いよいよ最終周回、マトリックスが先頭を押さえるいよいよ最終周回、マトリックスが先頭を押さえる

 いよいよ最終周、集団は崩れないままゴールへと進む。最終コーナーからゴールラインまでは約800mの直線路。ここを最速で駆け抜け、先頭でゴールラインに飛び込んだのは、4回目のスプリント賞を獲っていたモラだった。昨年のトリビオ(チームUKYO)に続き、Jプロツアーの初戦は2年連続で“スペインからの新外国人選手”が勝利する結果となった。

 優勝したモラは26歳。トラック競技を得意としており、スペイン代表としてロンドン五輪に出場した経験も持つ。勝利を意識した瞬間について「残り3周で逃げを追うフォーメーションが集団先頭にできたとき、今日は自分のために用意されたステージだと思った」と語っており、世界レベルで戦ってきた経験値と集中力を見せつけた格好だ。

トラックの4km団体追抜競走では3分59秒という好記録を持つモラトラックの4km団体追抜競走では3分59秒という好記録を持つモラ
「チームの勝利や」と監督が選手全員の健闘を讃える「チームの勝利や」と監督が選手全員の健闘を讃える

 今シーズンの抱負についてモラは、「(2月末に行なわれた)コロンビアでのトラック世界選手権に合わせてきたから、今はスピードに強い状態だけれど、自分はどんなタイプのレースでもこなしていく自信がある。これから日々練習を重ねてレースに備えたい」と語っている。

 初戦を制したモラは、個人総合首位の証である真紅のルビーレッドジャージに袖を通した。このリーダージャージを巡って11月まで、全21戦のレースが繰り広げられる。

 第2戦は4月13日、岐阜県で「伊吹山ヒルクライム」が開催される。

(写真・文 米山一輝)

P1上位3人。(左より)2位の皿屋豊、優勝のセバスチャン・モラ、3位の窪木一茂P1上位3人。(左より)2位の皿屋豊、優勝のセバスチャン・モラ、3位の窪木一茂
ルビーレッドジャージに袖を通したモラ(右)と、U23賞のピュアホワイトジャージを獲得した雨澤毅明(左、那須ブラーゼン)ルビーレッドジャージに袖を通したモラ(右)と、U23賞のピュアホワイトジャージを獲得した雨澤毅明(左、那須ブラーゼン)


P1結果(67.50km)
1 セバスチャン・モラ(スペイン、マトリックス・パワータグ) 1時間26分16秒
2 皿屋豊(イナーメ信濃山形) +0秒
3 窪木一茂(チームUKYO)
4 鈴木真理(宇都宮ブリッツェン)
5 中村龍太郎(イナーメ信濃山形)
6 大久保陣(宇都宮ブリッツェン)
7 鈴木近成(那須ブラーゼン)
8 大塚航(JPスポーツテストチーム・マッサ・アンデックス)
9 藤岡克磨(クロップス・チャンピオンシステム)
10 小室雅成(ロヂャースレーシングチーム)

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