ラポムマルセイユのディグレゴリオが総合優勝宮澤崇史ら日本ナショナルチームが活躍した「ツール・ド・台湾」 内間康平はアジアンリーダー獲得

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 3月9~13日の5日間にわたって「ツール・ド・台湾(UCI2.1)」が開催された。日本からはベテラン宮澤崇史(ヴィーニファンティーニ・NIPPO・デローザ)をはじめ5人で構成されたナショナルチームが出場し、内間康平(チーム ブリヂストンアンカー)が総合9位でフィニッシュ、アジア人選手1位のアジアンリーダージャージを獲得するなど活躍を見せた。(写真・文 田中苑子)

日本ナショナルチームのメンバー。(左より)中島康晴、黒枝士揮、宮澤崇史、中根英登、内間康平日本ナショナルチームのメンバー。(左より)中島康晴、黒枝士揮、宮澤崇史、中根英登、内間康平

台北から南下する全5ステージ 今年もUCI2.1クラスで開催

 今年のツール・ド・台湾は、小雨に見舞われた台北の観光名所「台北101」の麓で幕を開けた。そこから台湾の西海岸を南下するようにして、桃園、彰化、台南と進み、最終ステージは台湾の南端、温暖な気候の屏東で開催された。

 昨年に引き続きUCI2.1クラスで開催され、UCIプロチームのキャノンデールがスプリンターのキャメロン・ウルフ(オースラリア)を軸に初参戦。プロコンチネンタルチームは、ドラパックサイクリング、チームノボノルディスク、ユナイテッドヘルスケアの3チームが参加し、18ヶ国から集まった全20チーム、98選手がスタートラインに立った。

たくさんのチアガールたちが応援した台北での第1ステージ。華やかなレースの開幕となったたくさんのチアガールたちが応援した台北での第1ステージ。華やかなレースの開幕となった
桃園県での第2ステージ。台湾らしい派手な看板が通りを埋め尽くす桃園県での第2ステージ。台湾らしい派手な看板が通りを埋め尽くす
彰化県の八卦山が第3ステージのスタート/フィニッシュ地点。大きな大仏に見守られて選手たちはスタートを切る彰化県の八卦山が第3ステージのスタート/フィニッシュ地点。大きな大仏に見守られて選手たちはスタートを切る
第4ステージ、タバコのような作用のある「檳榔」屋の女性たちがレースを見守る第4ステージ、タバコのような作用のある「檳榔」屋の女性たちがレースを見守る
最終ステージが開催されたのは屏東にある大鵬湾の周囲。水上レジャーの人気スポットだ最終ステージが開催されたのは屏東にある大鵬湾の周囲。水上レジャーの人気スポットだ

 日本ナショナルチームは、宮澤、黒枝士揮(ヴィーニファンティーニ・NIPPO・デローザ)、中島康晴、中根英登(愛三工業レーシングチーム)、内間の5選手で参戦。

イタリア語で記者会見での質問に答える内間康平(日本ナショナルチーム)イタリア語で記者会見での質問に答える内間康平(日本ナショナルチーム)

 普段は別々のチームで活動し、ときに強力なライバルとなる5人だが、宮澤が「最高のメンバー」と絶賛するほどのチームワークを発揮。互いのことをよく理解しあい、息のあったメンバーたちは、第1ステージで黒枝がステージ6位、第5ステージで宮澤がステージ4位、そして内間がアジア人選手最高位として、ブルーのアジアンリーダージャージを獲得するなどの活躍を見せた。

総合優勝はプロ経験豊富なディグレゴリオ

観光名所になっている台北101の麓で開催された第1ステージ。観光客も足を止めて観戦した観光名所になっている台北101の麓で開催された第1ステージ。観光客も足を止めて観戦した

 総合争いがまず動いたのは第2ステージ。朝から吹き飛ばされそうになるくらい強い風に見舞われたこの日、ゴールまで約75km地点の1級山岳で、約30人の大きな先頭集団が形成された。

 彼らは風を利用して後続を引き離すことに成功し、さらに激しく加速。ゴールまで約35km、桃園国際空港に隣接する海軍施設の滑走路での周回コースに入ってきたときには16人ほどの選手に絞られた。先頭集団は後続に4分36秒ほどの差を付け、このステージでボーナスタイムを獲得したレミ・ディグレゴリオ(フランス、ラポムマルセイユ)が総合首位に立った。

 また16人の集団に唯一アジア人選手として入った内間康平が、この日のステージでアジアンリーダーの座を獲得した。

雨のなかの第1ステージを制したルーク・キーオ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)。黒枝士揮が6位でゴール雨のなかの第1ステージを制したルーク・キーオ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)。黒枝士揮が6位でゴール
第2ステージを制したベンジャミン・ジロー(フランス、マルセイユラポム)。チームメイトのレミ・ディグレゴリオ(フランス)が総合トップに第2ステージを制したベンジャミン・ジロー(フランス、マルセイユラポム)。チームメイトのレミ・ディグレゴリオ(フランス)が総合トップに
第2ステージ。海軍施設の滑走路を走る16人の先頭集団。平坦路だが強い風に見舞われた第2ステージ。海軍施設の滑走路を走る16人の先頭集団。平坦路だが強い風に見舞われた
強くて冷たい風が吹き荒れた第2ステージ。ここでレースが大きく動いた強くて冷たい風が吹き荒れた第2ステージ。ここでレースが大きく動いた
第2ステージ、先頭集団内で走る内間康平(日本ナショナルチーム)第2ステージ、先頭集団内で走る内間康平(日本ナショナルチーム)

 クイーンステージ(勝負所となる最難関のステージ)と言われたのは、第4ステージ。台南からスタートして、内陸の山間部に向かい、ゴール前40km地点に2級山岳、そこからも厳しい山道でのアップダウンを繰り返してゴールへ向かうコースレイアウトだ。

 ここでも、優勝候補の筆頭であった総合リーダーのレミ・ディグレゴリオがしっかりと先頭集団に食らいついてゴール。トップチームで活躍した経歴をもつフランス人選手が、平坦の最終ステージを前に総合優勝をほぼ手中に収めた。また、内間康平も粘りの走りで先頭集団でゴールし、アジアンリーダーを守るだけでなく、総合順位を11位から9位にジャンプアップさせた。

 内間にとって今大会が、チームブリヂストンアンカーに移籍して迎えたシーズンの初戦だったが、国際大会で結果を残す幸先の良いスタートとなった。

第3ステージ、レースをコントロールするのはドラパックサイクリングやラポムマルセイユ第3ステージ、レースをコントロールするのはドラパックサイクリングやラポムマルセイユ
最終ステージを制したファビアン・シュナイド(ドイツ、チームヴォラールベルグ)。宮澤崇史(日本ナショナルチーム)が4位に最終ステージを制したファビアン・シュナイド(ドイツ、チームヴォラールベルグ)。宮澤崇史(日本ナショナルチーム)が4位に
第4ステージ、スタートサインをするアジアンリーダーの内間康平(日本ナショナルチーム)第4ステージ、スタートサインをするアジアンリーダーの内間康平(日本ナショナルチーム)
第4ステージ、走りながらアンダーウェアを脱ぐ宮澤崇史(日本ナショナルチーム)第4ステージ、走りながらアンダーウェアを脱ぐ宮澤崇史(日本ナショナルチーム)
アジアンリーダーを3日間守った内間康平(日本ナショナルチーム)アジアンリーダーを3日間守った内間康平(日本ナショナルチーム)
5日間のレースを終えた日本ナショナルチームの選手たち5日間のレースを終えた日本ナショナルチームの選手たち

自転車王国・台湾で35年の歴史を誇るレース

 アジアの老舗レースと言える「ツール・ド・台湾」。初開催は1978年で、2012年よりアジアツアー2.1クラスとなって今日に至っている。近年はアジア最大のバイクショー「台北ショー」とも連携し、今年のレースも台北ショーと同じ週末に台北で開幕し、数えきれないほどの自転車メーカーを擁する台湾におけるサイクリング熱の盛り上げに一役買っている。

第3ステージ。ときおり見かける立派な寺院。選手たちが雨のなか通り過ぎる第3ステージ。ときおり見かける立派な寺院。選手たちが雨のなか通り過ぎる
第3ステージ、台湾中部彰化県の街角を通り過ぎる第3ステージ、台湾中部彰化県の街角を通り過ぎる
スタート地点に大きな龍の飾りを持って応援にやってきた地元の小学生たちスタート地点に大きな龍の飾りを持って応援にやってきた地元の小学生たち
街角にはたくさんのファンがカメラを持って駆け付けた街角にはたくさんのファンがカメラを持って駆け付けた
スタート地点で毎朝披露される地元の子どもたちの舞踊。かわいらしくて思わず見入ってしまうスタート地点で毎朝披露される地元の子どもたちの舞踊。かわいらしくて思わず見入ってしまう
表彰式を待つ台湾のポディウムガール表彰式を待つ台湾のポディウムガール

 日本からも毎年、チームが参加してきた。2011年、東日本大震災の直後に開催された大会では、福島晋一(ナショナルチーム)がステージ優勝し、多大な義援金を送ってくれた台湾の人たちに感謝の気持ちを伝えたことは記憶に新しい。親日国として知られる台湾で、日本人選手や関係者はいつも温かく迎え入れてもらっている。

 現在、台湾には2つのUCIコンチネンタルチームがあり、たくさんの選手が活躍しているが、近年もっとも人気を集めているのが、25歳、オールラウンダーのフェン・チュンカイ。昨年はチャンピオンシステムに所属していたが、チームの解散に伴い、今年は新しく誕生したチームガストに加入。今大会では、新チームを率いて見事に3年連続3回目となる山岳賞を獲得し、爽やかな笑顔で女性ファンの歓声を集めていた。

台湾に新しく誕生したUCIコンチネンタルチーム「チームガスト」。白いヘルメットのフェン・チュンカイがチームのエースだ台湾に新しく誕生したUCIコンチネンタルチーム「チームガスト」。白いヘルメットのフェン・チュンカイがチームのエースだ
アタックを仕掛けるフェン・チュンカイ(台湾、チームガスト)アタックを仕掛けるフェン・チュンカイ(台湾、チームガスト)
第3ステージ、アジアンリーダーの内間康平が大仏殿の下で表彰される第3ステージ、アジアンリーダーの内間康平が大仏殿の下で表彰される
チームノボノルディスク。全選手が1型糖尿病を抱えながら選手として走っているチームノボノルディスク。全選手が1型糖尿病を抱えながら選手として走っている
総合優勝を果たしたレミ・ディグレゴリオ(フランス)とラポムマルセイユチーム。台湾の自転車メーカーがチームをスポンサードしている総合優勝を果たしたレミ・ディグレゴリオ(フランス)とラポムマルセイユチーム。台湾の自転車メーカーがチームをスポンサードしている
4賞ジャージ獲得選手。左からアジアンリーダー内間康平(日本ナショナルチーム)、ポイント賞マルコ・ザノッティ(イタリア、パークホテル・ファルケンブルグ)、総合リーダーレミ・ディグレゴリオ(フランス、ラポムマルセイユ)、山岳賞フェン・チュンカイ(台湾、チームガスト)4賞ジャージ獲得選手。左からアジアンリーダー内間康平(日本ナショナルチーム)、ポイント賞マルコ・ザノッティ(イタリア、パークホテル・ファルケンブルグ)、総合リーダーレミ・ディグレゴリオ(フランス、ラポムマルセイユ)、山岳賞フェン・チュンカイ(台湾、チームガスト)

ステージ優勝
第1ステージ(台北)52km ルーク・キーオ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)
第2ステージ(桃園)152km ベンジャミン・ジロー(フランス、マルセイユラポム)
第3ステージ(彰化)143km ワウテル・ウィッパート(オランダ、ドラパックサイクリング)
第4ステージ(台南)161km イオアニス・タモウリディス(ギリシャ、SPテーブルウェア)
第5ステージ(屏東)168km ファビアン・シュナイド(ドイツ、チームヴォラールベルグ)

個人総合成績
1位 レミ・ディグレゴリオ(フランス、ラポムマルセイユ) 15時間23分53秒
2位 イオアニス・タモウリディス(ギリシャ、SPテーブルウェア) +4秒
3位 マルコ・ザノッティ(イタリア、パークホテル・ファルケンブルグ) +8秒
4位 ヤン・ディエテレン(ドイツ、チームストルティング) +9秒
5位 ブライアン・ブルギャク(オランダ、パークホテル・ファルケンブルグ) +10秒
6位 マークス・アイベッガー(オーストリア、シナジーバクサイクリング) +11秒
9位 内間康平(日本ナショナルチーム) +16秒

アジアンリーダー
内間康平(日本ナショナルチーム)

ポイント賞
マルコ・ザノッティ(イタリア、パークホテル・ファルケンブルグ)

山岳賞
フェン・チュンカイ(台湾、チームガスト)

チーム総合成績
1位 パークホテル・ファルケンブルグ

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