啓発イベントや購入費助成も自転車の高齢者にヘルメットを かぶりたくなる「帽子型」開発、自治体も着用を後押し

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 自転車に乗るときに頭を守るヘルメット。子供の間では着用が進んでいるが、成人ではあまり見掛けない。特に、ほとんど着用していないのが高齢者。高齢者は身体能力が衰えて転倒の危険も高く、死亡事故につながる可能性も高いだけにヘルメットをかぶるよう啓発する自治体が増えてきた。高齢者が違和感なくかぶれるようなヘルメットも登場。「自転車に乗るならヘルメット」の意識を高めようと関係者は力を入れている。(産経新聞大阪文化部 袖中陽一)

鈍る運動神経

大手家電量販店で扱っている「カポル」。一見、へルメットよりもしゃれた帽子のようだ=大阪市北区のヨドバシカメラ・マルチメディア梅田大手家電量販店で扱っている「カポル」。一見、へルメットよりもしゃれた帽子のようだ=大阪市北区のヨドバシカメラ・マルチメディア梅田

 昨年10月、大阪府泉大津市の市道で60代の男性が自転車に乗っていたところ、軽乗用車と接触、転倒して頭を打ち、脳挫傷で亡くなった。男性はヘルメットをかぶっていなかった。大阪府警泉大津署の真崎純次交通課長は「ヘルメットを着用していれば死亡事故を防げた可能性がある」と話す。

 昨年1年間に大阪府内で自転車運転中、事故で亡くなった65歳以上の高齢者は20人。このうち、15人が頭部の打撲などが致命傷になった。「高齢者は自覚はなくても運動神経が鈍っており、転倒しても手がつけず、頭を直接、道路などにぶつけてしまう」(同府警交通総務課の高木一光警部)

 高齢者がかぶっても違和感のない自転車用ヘルメット「カポル」が登場し、注目を集めている。

 開発したのは、警察音楽隊のユニホームなどを手掛ける「日本パレード」(東京都北区)とシルバー人材センターの事業などを行っている「東京しごと財団」(千代田区)。同センターに登録している高齢者は自宅の近くで仕事をするため、仕事場との往復に自転車を使うことが多く、交通事故が相次いだ。ヘルメットをかぶるよう注意喚起をしたが、効果が出ない。それならかぶりたくなるようなヘルメットを作ろうと、共同開発した。

 ヘルメット部分に帽子部分を面ファスナーで密着。帽子は10種類あり、ファッションや気分に合わせて付け替えることができる。一見、普通の帽子に見えるため、人気だという。「これならかぶってもいいという高齢者の方が増えてきた。楽しい気分でかぶってもらい、事故を減らし、命を守ることができたらと願っている」と、日本パレード営業部の内藤正直次長は話す。

自治体も取り組み

 道路交通法第63条では、13歳未満の子供が自転車に乗る際、子供がヘルメットをかぶるよう保護者が努めなければならないと規定されている。しかし、13歳以上には特に規定はない。

地域住民を対象にした「交通安全フェスティバル」。自転車用ヘルメットを紹介するショーも行われ、来場者の関心を集めた=2月、大阪市淀川区のメルパルクホール地域住民を対象にした「交通安全フェスティバル」。自転車用ヘルメットを紹介するショーも行われ、来場者の関心を集めた=2月、大阪市淀川区のメルパルクホール

 最近では、啓発活動に熱心に取り組む自治体も現れてきている。

 神奈川県厚木市は新年度から、13歳未満を対象にしていた、ヘルメット1個につき1000円を助成する購入費助成事業に65歳以上の高齢者も追加する新年度予算案を市議会に上程している。

 県民1人当たりの自転車保有台数が全国1位の埼玉県は「自転車の安全な利用の促進に関する条例」(平成24年4月施行)で、「高齢者の家族はその高齢者に対し、乗車用ヘルメットの着用、その他の交通安全対策について助言するよう努めなければならない」と規定。毎月10日を「自転車安全利用の日」とし、街頭での啓発活動などに取り組んでいる。大阪府警も交通事故対策の重点項目の一つとして、交通安全イベントなどでヘルメットの大切さを訴えている。

MSN産経ニュースより)

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