東京・野方に新築、サイクリストの住環境向上めざすサイクリスト専用シェアハウス「ベロハウス」が3月下旬オープン 内覧会を9日まで実施

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 サイクリストに特化したシェアハウス「ベロハウス」(Velo-House)がこの春、東京都中野区に新築オープンする。サイクリストの住環境と生活の向上に焦点を当てた、全く新しい形のシェアハウスだ。3月下旬の入居開始を前に、入居者の募集が開始され、また3月9日まで内覧会が行なわれている。内装の仕上げが急ピッチで行なわれている現地を訪ねた。(米山一輝)

落ち着きのあるベロハウスの外観落ち着きのあるベロハウスの外観

 ベロハウスの所在地は中野区野方。最寄り駅は西武新宿線の野方駅で、高田馬場から10分ほど、駅前からは徒歩5分とアクセスしやすい。すぐ近くを環七通りと新青梅街道が通っているが、細い路地が入り組んだ中にあり、立地の便利さとは裏腹に非常に静かなたたずまいの中に、ベロハウスの建物を見つけた。

7人のサイクリストが暮らすシェアハウス

 訪れた日は内覧会が始まっていた時期だったが、実際にはまだ1階の内装工事中で、完成まではあと一歩といったところ。内覧会の終盤の週末には完成した状態になっている予定だという。作業中の室内は一通り見ることができた。

 建物は新築の木造2階建てで、7人が入居可能。一般にシェアハウスは中古の戸建住宅などをリフォームして用いることが多く、新築の物件は珍しいが、初めからシェアハウス用として法令に則った建物を新築することで、十分な壁の厚さで居室のプライバシーを保つとともに、断熱効果も高く過ごしやすい部屋になっているという。

6部屋分の扉が並ぶ2階部の廊下6部屋分の扉が並ぶ2階部の廊下
居室の入口部分。ここまで土足となる。ハンガーラックと棚が作り付けられている居室の入口部分。ここまで土足となる。ハンガーラックと棚が作り付けられている
2階は全室ロフトを設置。天井高が4mあるので開放的だ2階は全室ロフトを設置。天井高が4mあるので開放的だ

 部屋は1階に共用リビングが、また入居者ごとの居室が1階に1部屋、2階に6部屋設けられる。共用のキッチン、トイレ、シャワー、洗面台、洗濯機は、それぞれ2つずつ設置。共用部の壁面に設けられたバイクラックは1人2台分が使用可能で、オランダ製のウイリーリフトが設置される。自転車を室内に持ち込むことを考慮して、共用部は土足スペースとなっている。

 リビングには工具が常備され、玄関横には洗車のためのスペースも設けられる。出入り口は引き戸とするなど、細かい使い勝手にもこだわった。

共用リビングの完成イメージ共用リビングの完成イメージ
3つ口のガスコンロが2セット設けられる。シンクも2つある3つ口のガスコンロが2セット設けられる。シンクも2つある
キッチン上の棚は7つ設けられ、入居者ごとに収納できるキッチン上の棚は7つ設けられ、入居者ごとに収納できる
管理の手間を考えて浴槽ではなくシャワーブースを2つ設置。近所に銭湯があるという管理の手間を考えて浴槽ではなくシャワーブースを2つ設置。近所に銭湯があるという

都心での生活に便利な立地

野方駅からの街並み。道路が狭い分、歩行者や自転車に優しく、活気が感じられる商店街だ野方駅からの街並み。道路が狭い分、歩行者や自転車に優しく、活気が感じられる商店街だ

 ベロハウスが位置する野方は、東京都心の北西部に位置し、新宿、池袋、渋谷など、西側副都心一帯を自転車通勤圏の10km以内に収める。大手町、丸の内、新橋といった都心東側も15km程度で、健脚であれば十分通える距離だ。10km圏内には大学も多く、通学にも適した立地だ。

 野方という町自体は大きすぎず小さすぎず、都内でも長期定住者が比較的多いエリアで、住環境は良好だ。駅前に連なる商店街は飲食店や商店も豊富。近年は若い世代の出店が増えているそうで、都心の一人暮らしに適した、手の届く活気を感じられる町になっている。

 休日のサイクリングという観点からも、多摩川、荒川がともに10km少々の距離にあり、武蔵野方面へのアプローチも便利だ。

サイクリストの住環境向上を目指して企画

企画と設計を担当した赤間太一さん(右)と、インテリアデザインを担当した骨パンダ設計事務所の玉崎修平さん。玉崎さんはサイクルコンシェルジュも担当する企画と設計を担当した赤間太一さん(右)と、インテリアデザインを担当した骨パンダ設計事務所の玉崎修平さん。玉崎さんはサイクルコンシェルジュも担当する

 ベロハウスの企画と設計を担当した、申建築設計事務所の赤間太一さんによると、以前はこの場所にはアパートが建っており、土地の再活用を考えたオーナーが当初想定していたのは、2戸建ての賃貸住宅だったという。しかし土地の広さが中途半端だったことから、赤間さんが提案したのはシェアハウス、それもサイクリスト向けに強く特化して差別化を図ったものだ。

 赤間さん自身も通勤や休日のサイクリングでスポーツサイクルを利用するが、仕事や趣味の繋がりから多くのサイクリストと交流する中で、サイクリストの住まい探しの難しさを強く感じていたという。サイクリストに特化したシェアハウスは、「建築家として何かできることはないか」という赤間さんの思いから生まれた、サイクリストの住環境を向上させるためのアイデアだ。オーナーの理解もあって、画期的なベロハウスが実現することになった。

リビングの家具はユニット式で、分解して脇に積み上げることも可能リビングの家具はユニット式で、分解して脇に積み上げることも可能
バイクラックが設置される壁面にはオリジナルアートを施した。大木に自転車が掛かっているイメージバイクラックが設置される壁面にはオリジナルアートを施した。大木に自転車が掛かっているイメージ
バイクラックに自転車を掛けた状態。自転車をライトアップするような照明が設置されるというバイクラックに自転車を掛けた状態。自転車をライトアップするような照明が設置されるという

 こだわりは、ガレージハウスのような無骨な空間にしなかったこと。リビングの駐輪スペースの壁面にはオリジナルのアートが飾られ、椅子もダイニングチェアーではなくソファーを使用するなど、ゆとりのある生活空間となっている。

 リビングの家具はユニット式で簡単に片付けられるため、広いスペースを生かしてパーティーやイベントも行ないやすいという。「自転車を通じて多様な人が集まるのが理想」と赤間さんは語っている。

サイクルコンシェルジュを設置 ソフト面も充実図る

 家賃は6万8500円~7万7000円/月で、光熱水道インターネット料金を含んだ管理費が1万5000円/月となる。野方近辺で言えば、単身者向けの通常のワンルームよりは高く、新築や高級物件よりは安いといったところ。入居時に家賃1カ月分のデポジットが必要だが、礼金や仲介手数料は不要。豊富な共用設備に加え、ベロハウス自体も新築であることを考えれば、魅力的な設定と言えるだろう。

 自転車に関しては、経験豊富な数人の「サイクルコンシェルジュ」にアドバイスを受けられるサービスを提供。自転車を扱う上での疑問点などをFacebook上のページやメールなどで、随時相談できるようになっている。

 赤間さんは「サイクリストの住環境向上のさきがけとしたい」と話しており、ベロハウスの反響に応じて、今後も同様の企画を展開していきたいという。

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