メッセンジャーBambiのCMWCレポート<1>世界中のメッセンジャーが集まる祭典 アメリカ・シカゴで開催

  • 一覧

 現役メッセンジャー「Bambi」が、アメリカ・シカゴで開催された「サイクル・メッセンジャー・ワールド・チャンピオンシップス(CMWC)2012」に出場した。大会会場にとどまらず、アメリカのメッセンジャー文化を幅広い視点でとらえた現地レポートを、3回にわたってお届けする。

◇      ◇

今年もCMWCにやってきた!

シカゴの街でシカゴの街で

 20回目を迎えた「サイクル・メッセンジャー・ワールド・チャンピオンシップス」に出場するため、シカゴを訪れました。

 今年のCMWCは、デトロイトで7月28日から行われたプレイベントを手始めに、8月6日まで10日間に渡ってイベントが用意されました。擬似的なデリバリー業務をとおしてメッセンジャーとしての能力そのものを競い合うメインレースのほか、直線一発勝負のスプリントレース、グループライド、ベロドロームでのトラックレース…今年も世界中からたくさんのメッセンジャー達がやってきて、勝敗を競います。

 そして競技はもちろん、この時だけの再会や新しい出会いが毎年楽しみなイベントでもあります。「同じメッセンジャーである」というだけで、所属する会社の垣根を越えて、これ程までに世界中で交流がある職業は珍しいのではないでしょうか。僕自身、メッセンジャーを始めてから世界中に友人ができた事を心から誇らしく思っています。

シカゴの街を初走行!シカゴの街を初走行!

 僕は2日木曜日からシカゴ入りし、観光しながら街を走ってみたり、CMWCを訪れているであろうメッセンジャーたちに話しかけてみたり。再会も出会いもたくさん!

自転車の存在感があふれる街、シカゴ

路面状況は東京の方が断然よい路面状況は東京の方が断然よい

 シカゴの街の自転車事情にも初めて触れました。はっきりいって道はひどい状態です。穴、溝、段差のオンパレード。日本から来ているメッセンジャーにも、リム打ちパンクが何件かあったようです。東京の道路がどれ程きれいか痛感します。

 車たちは東京より攻撃的です。「行ける」と思えば勢いよく突っ込んで来るし、信じられないくらいボコボコの車も走っています。

 初めて街へ繰り出す時には少し緊張しました。右側通行で、映画で観たようにクラクションが鳴り響く車道…。でも走ってみると、自転車がひとつの交通手段として、きちんと車道上で権利を持っている事を感じました。これは新鮮な事でした。

 路面には注意を払わなければなりませんが、車や人に対しては、主張すれば譲りあえる関係ができています。歩行者から見れば自転車は「車両」。日本と違い、歩道を走る自転車はほとんどなく、レンタサイクルの観光客がたまにいる程度です。

駐輪用ポールにダブルロックをかけて停める駐輪用ポールにダブルロックをかけて停める

 自転車を繋ぎ停めるためのポールは至る所にあり、街に溶け込んでいます。昼も夜も、想像よりずっと気持ちよく走る事ができました。強引な人やクラクションを鳴らす人もいますが、根本的には存在を認められています。比較的スローで大きな三輪の自転車タクシーがとても多いのも、そんな関係が築けているからこそではないでしょうか。

前輪を外した駐輪方法前輪を外した駐輪方法

 盗難はどうやら東京より多いようで、ダブルロックは当たり前、フロントホイールを外してくくり付けてある自転車をよく見かけました。コンビニには、自転車と一緒に入るよう言われた程です。ホテルにも全く問題なく正面から入れましたよ。

 優しいのか厳しいのか…とにかく“たかが”自転車、ではないのでしょう。急坂がほとんどない事も併せ、路面以外は本当にうらやましい環境です。走るたびに街を好きになります。

メッセンジャーとは「ライフスタイル」である

 さて、メッセンジャーは、職業で言えば“自転車を使った配送業”です。しかしながら、「メッセンジャーカルチャー」はファッションと密接な関係があります。「メッセンジャーバッグ」はもはやファッションアイテムの一つとして定着しましたし、問題もありましたが「ピストバイク」(変速ギアのないレーサータイプの自転車)の流行の発端ともなりました。

 「メッセンジャーとは、職業に留まらないひとつの『ライフスタイル』である」と感じられる程、皆それぞれにこだわりがあり、スタイルを追求しています。だから、これ程の影響力が生まれてくるでしょう。CMWCは、そういったカルチャーのるつぼです。

「NY最速の男」、“オースティン・ホース”と「NY最速の男」、“オースティン・ホース”と

 大抵は、お互いを「メッセンジャーネーム」で呼び合います。無線で個人を確実に認識できるようにするためのコードネームのようなものですね。今回、NYの伝説のメッセンジャー“スクイッド”と初めて話ができました。ラッパーでメッセンジャーの“サニーD”とは、3年前の東京大会以来の再会。同じく東京大会時に1週間ほど僕の家で寝泊まりしていた“オースティン・ホース”とも旧交を温めました。

 オースティン・ホースは「NY最速の男」と呼ばれ、レッドブルの契約ライダーです。最近では、ジョゼフ・ゴードン=レヴィットが演じるメッセンジャーが主役のハリウッド映画『プレミアムラッシュ』(日本公開未定)で、主演スタントをこなしています。すごくナイスガイですよ。

 言葉はあまり通じなくても、そこは同じ職業。探り探りであっても話し始めれば、気づいた時には仲良くなっています。ストイックなレースイベントというよりは、年に一度のメッセンジャーの“お祭り”といったところでしょうか。

 無数の自転車は、ほとんどが使い込まれた物たち。この為にピカピカの新品を持ち込む人は稀ですね。どれもすごく魅力的な自転車です。そんな愛車で参戦するのが、楽しみながらも緊張感漂うメインレース。次回、お届けしますね。

<2>メインレース本番! 僕の結果は…ともあれ日本のメッセンジャーが上位に→

Bambi南秀治(みなみ しゅうじ)
役者を志し上京するも、自転車好きが高じてメッセンジャーとなる。モデル業などをこなしつつ、自転車の世界を幅広く探求中。自転車好きのイケメンモデルらによるユニット「チャリメンズ」メンバーのひとり。メッセンジャーネームは“Bambi”(バンビ)。1983年生まれ、東京在住。ブログ「RIDE MY LIFE」。

この記事のコメント

利用規約順守の上ご投稿ください。

関連記事

この記事のタグ

CMWC メッセンジャー

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載