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日向涼子のサイクリングTalk<1>“自転車に優しい県”の理由は? 「埼玉サイクルエキスポ」で知事と一緒にトークショー

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 皆さんは「埼玉県」と聞いて何を思い浮かべますか? 新潟県出身の私がパッと思い浮かべるイメージは、失礼ながら、ベッドタウン、西武ドーム、草加せんべい…くらいでした。でも、それはサイクリングを始めるまでのこと。趣味としての自転車にどんどんハマり、もっと走りやすく、もっと走りごたえのあるところへ――と調べるうち、気がつけば私の埼玉県への出没頻度が高くなっていきました。

埼玉県はサイクリングの名所 グルメも満載

 ロードバイクを手に入れたばかりの頃は、その走りやすさから荒川サイクリングロードがお気に入りに。その後、レースに出るようになると、トレーニングのためにわざわざ輪行をして秩父方面へ出かけ、周辺の山々を目指しました。埼玉県は、初心者から上級者まで楽しめるサイクリングの名所なのです。

春、菜の花が咲き乱れる荒川サイクリングロード(イメージ写真)春、菜の花が咲き乱れる荒川サイクリングロード(イメージ写真)
埼玉県内の峠を駆け上る日向涼子さん埼玉県内の峠を駆け上る日向涼子さん

 そして意外にも、グルメが満載です。指の太さほどある桶川のうどん。東松山では、豚肉を使っているのに“やきとり”と呼ぶ変わり種メニューが有名です。安くて美味しい吉見のイチゴ、荒サイを走る自転車乗りなら一度は訪れる榎本牧場のジェラート…など、それらを食べる目的で走りに行くこともあるくらい。埼玉県を訪れるたびに「自転車を知ってよかった!」と実感します。

2013年3月の「埼玉サイクリングショー」でMCを務めた日向涼子さん(左端)2013年3月の「埼玉サイクリングショー」でMCを務めた日向涼子さん(左端)

 そんな埼玉県への愛が通じたのか、1年前はMCとして参加した「埼玉サイクリングショー」に、今年はゲストとしてオファーをいただきました。新たに「埼玉サイクルエキスポ」という愛称を掲げ、2月15、16日にさいたまスーパーアリーナで開かれるこのイベントの初日に、埼玉県の上田清司知事、au損害保険の柳保幸専務と私の3人がトークショーを行うというのです。

 「埼玉県のトップと、自転車保険のプロと私が壇上に並ぶなんて…」

 お話を受けた時は気後れしたけれど、「自転車に対する愛は負けない!」と思い直し、改めて埼玉県の自転車への取り組みを調べてみました。

“自転車乗りに優しい人たち”に巡り合う理由

 そもそも埼玉県は、自転車保有率が日本一高く、川沿いを走るサイクリングロードは日本一の長さを誇り、またブリヂストンサイクルなど自転車産業の拠点であることなどから、県をあげて自転車に関連する文化・スポーツ・産業の振興に取り組んでいます。

ブリヂストンサイクルの本社・上尾工場を訪問した「ポタガール埼玉」のメンバー(2013年1月、資料写真)ブリヂストンサイクルの本社・上尾工場を訪問した「ポタガール埼玉」のメンバー(2013年1月、資料写真)

 例えば、県内を11ブロックに分けて選定・作成された「自転車みどころスポットを巡るルート100」。県がお勧めするサイクリング・ルートが100もあるというのです!

 また、自転車のさまざまな楽しみ方や活用方法を知ってもらおうと、道の駅、あるいは特産品の直売所などに自転車置場が整備され、案内看板が設置されています。コンビニは「自転車の駅」として、空気入れや観光パンフレットが置かれています。

 一方、自転車が増えると、自転車事故も増える恐れがあります。そこで埼玉県は、安全で走りやすい環境を創出する「自転車すいすい55プラン」を推進しています。駅周辺などでは車道左側を平坦にし、自転車が通る位置を青色で明示する自転車レーンを整備。また郊外では、歩道内で歩行者と自転車の通行区分を明示する取り組みを進めています。平成25年度からの3年間で55カ所、約35kmにわたって自転車通行空間の整備を行うとのことです。

 埼玉を走るたびに、自転車乗りに優しいお店や地元の人たちに巡り合うのは、こういった行政の熱心な取り組みが関係しているのかもしれませんね。トークショーが近づくにつれて、いつしか不安よりも、上田知事のお話を聞くのが楽しみになってきました。

大雪で交通機関がマヒ! 私のヘアスタイルは…

記録的大雪に見舞われ、雪かきをする除雪隊 =2月15日午前、JR浦和駅前記録的大雪に見舞われ、雪かきをする除雪隊 =2月15日午前、JR浦和駅前

 ところが、イベント前日の2月14日は記録的な大雪に見舞われ、当日は朝から交通機関がマヒ状態に! その影響で埼玉サイクルエキスポは開場が午前10時から午後1時へ変更となってしまいました。それなのに、なぜかリハーサルは1時間早まり、午前11時半に会場へ入るようにとの連絡が。

 予約していた美容院をあきらめ、急いでさいたまスーパーアリーナへ向かうことに。きれいにセットされるはずだったヘアスタイルは“いつもより丁寧に結んだポニーテール”になってしまいましたが、そんなことより「電車は動くかな? 間に合うかな…」と、移動中はハラハラしっぱなしでした。おかげで不安は電車に置き忘れてきたのか、意外にも平静な気持ちでステージに向かうことができました。

 トークショーの直前、上田知事から「さいたまスーパーアリーナは、ドーム球場を除いた屋内会場としては国内最大の収容人数なんですよ」と聞き、少し緊張しましたが、ステージ上では落ち着いて話すことができました。「自分がミュージシャンを観に行く会場でトークショーをするなんて、お父さんとお母さんに報告してから来ればよかった」なんて、皆さんの前で軽口をたたいたほどです!

上田清司・埼玉県知事(左から2人目)や柳保幸・au損害保険専務(右端)のジョークがさえ、ステージはたびたび笑顔に包まれた =2014年2月15日上田清司・埼玉県知事(左から2人目)や柳保幸・au損害保険専務(右端)のジョークがさえ、ステージはたびたび笑顔に包まれた =2014年2月15日

 大舞台でジョークが飛び出した自分に成長を感じました。…が、年の功か、経験の差か、上田知事と柳専務のトークはもっと弾み、台本になかった話がポンポン出てきました。

「子供たちに自転車の交通ルールやマナーを身に付けさせたい」

トークを展開する上田清司・埼玉県知事と日向涼子さんトークを展開する上田清司・埼玉県知事と日向涼子さん

 上田知事は、先に挙げたインフラ整備以外に、イベント開催などによって埼玉県で自転車を楽しむ環境がそろっていることをアピール。また学校教育の中で、道路交通法を教え、自転車のマナーアップを図っていくとの考えを示されました。

 柳専務は、どんなに注意していても、自転車に乗っていれば被害者にも加害者にもなってしまう可能性があると指摘し、自転車保険の重要性を説きました。またau損保として今後、小学生向けのマナー教室を開催する考えもあるそうです。

 アドリブの多いトークとはいえ、上田知事と柳専務は、子供たちに自転車の交通ルールやマナーを身に付けさせる大切さに着目している点で、完全に一致しました。自転車は、法律的には“軽車両”と位置付けられていますが、クルマのような免許がなくても乗れてしまうため、ルールやマナーは見過ごされがち。でも、子供の頃から学ぶ機会を拡大することで、事故を減らせるチャンスもまだまだ広がるはずです。お2人とトークをさせていただく中で、「埼玉県が全国のお手本になる日は近いかもしれない」と感じました。

花柄アイテム&レザージャケットで“ロックな印象”

 初日のステージを無事に終えると、帰りには美容院へ寄ってヘッドスパ。朝からの緊張で凝り固まっていた頭皮をほぐしてもらい、念入りなトリートメントと丁寧なブローで艶髪に。

 「明日も急な予定変更があるかもしれないし、このままで行こうっと!」

 ヘアスタイルは決まったし、次は洋服。今回のイベントでは、2日間ともここ数年のトレンドであり、今春は特に注目されている花柄アイテムを使おうと決めていました。初日は知事や専務とのメインステージということもあり、黒を基調とした大人っぽい花柄を選択。

 そして、小さなステージとなる2日目は、少しチャレンジしてみようと、持っている花柄の中で一番難しいアイテムを着て鏡の前へ。いつもは、「派手かな」と躊躇していたアイテムでしたが、サラサラヘアに合わせてみると、久しく使っていなかったレザージャケットが頭に浮かび、羽織ってみれば、ガーリーになりがちな花柄がロックな印象に。

 「いいかも!」

これが2日目の服装。花柄アイテム+レザージャケットで「いいかも!」これが2日目の服装。花柄アイテム+レザージャケットで「いいかも!」

 洋服や髪型が決まると、何もかもうまくいきそうな気持ちになりますよね。2日目のトークショーにも自信が持てたので、早めに就寝。そして清々しい朝を迎えました。

「ポタガール埼玉」とガールズトーク!

 イベント2日目は、交通網のマヒもだいぶ解消され、会場は朝から賑わいました。この日は、埼玉県から自転車の魅力を発信している女性グループ「ポタガール埼玉」のメンバーとのトークショーです。進行役は「日本エクストリーム出社協会」共同代表の天谷窓大さん。この協会は、早朝からハードなアクティビティをこなしての定時出社を提唱しており、まさにサイクリストの早朝トレーニングはピッタリですね。

2日目は天候も回復し、開門前から長蛇の列2日目は天候も回復し、開門前から長蛇の列

 ただ、初日の上田知事とのトークショーと違って、この日は会場入りするまでポタガールの相手役が決まっていなかったうえ、打ち合わせもゼロの“ぶっつけ本番”。そして当日、相手役が若松陽子さんと知り、テンションが上がりました! 若松さんとはレースやイベント会場でお話ししたことがあり、ヒルクライマーとして尊敬している女性のひとりなので、どのような自転車生活を過ごされているのか気になるところです。

 トークの舞台はau損保のブース内。お客様との距離が近く、反応もよく分かるので、やりやすいステージです。

自転車の魅力についてトークを展開する日向涼子さん(中央)、ポタガール埼玉のわかまつようこさん(右)、日本エクストリーム出社協会共同代表の天谷窓大さん自転車の魅力についてトークを展開する日向涼子さん(中央)、ポタガール埼玉のわかまつようこさん(右)、日本エクストリーム出社協会共同代表の天谷窓大さん

 まずは私から、趣味として自転車に乗り始めたきっかけを質問。若松さんは、「何か運動しようかな」と思い立って、群馬県内のサイクルショップで購入し、埼玉県の自宅までひとり自走で帰ってきたそうです。私も自主的に(ダイエット目的でしたが)乗り始め、レースに出るまではひとりで走ることも多かった点など、共通しています。思わず「私も同じ、私も!」と嬉しくなりました。そこからは息つく暇もなく、まるでガールズトークをしているような、あっという間の30分間でした。

 2年目の「埼玉サイクリングショー SAITAMA CYCLE EXPO」は、記録的な大雪に見舞われながらも、来場者数は延べ2万2000人にのぼったとのことです。イベントは入場無料で、会場になったさいたまスーパーアリーナは都心からのアクセスも便利。今後のさらなる発展に期待が持てる、注目すべき自転車イベントといえるでしょう。

2日目だけで1万8000人もの来場者でにぎわった「埼玉サイクルエキスポ2014」 =さいたまスーパーアリーナ2日目だけで1万8000人もの来場者でにぎわった「埼玉サイクルエキスポ2014」 =さいたまスーパーアリーナ
埼玉県のマスコット「コバトン」と記念撮影。手にしたパンもコバトンです埼玉県のマスコット「コバトン」と記念撮影。手にしたパンもコバトンです

◇         ◇

 乗り始めてから知った、自転車のさらなる魅力。それは、年齢や性別に関係なく、親しみを感じ、尊敬出来る多くの方々との出会いがあることです。また、自転車に乗らなかったら知らないままであったろう様々なスポットとめぐり合いました。

 「自転車といえば、環境・健康・交通・経済面で注目されることが多いですが、目に見えない部分での良いこともいっぱいありますよ」

 自転車に関するお仕事が増えてきたいま、トークショーやこうしたレポートを通じて、それらを伝えていけたらいいな、と思ってます。 (日向涼子)

日向 涼子 日向 涼子(ひなた・りょうこ)

企業広告を中心に活動するモデル。食への関心が高く、アスリートフードマイスター・食生活アドバイザー・フードアナリストの資格を持つ。2010年よりロードバイクに親しみ、ヒルクライム大会やロードレース、サイクリングイベントへ多数出場。自転車雑誌「ファンライド」で『銀輪レディの素』を連載中。ブログ『自転車でシャンパンファイトへの道』( http://ameblo.jp/champagne-hinata/ )

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