西谷が有終の美 「ツアー・オブ・ジャパン」最終戦で日本人が勝利

国内最大規模の自転車ロードレース「ツアー・オブ・ジャパン」は27日、第6戦・東京ステージが開催され、西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)が大集団でのゴールスプリントを制し、2時間23分21秒で優勝。ツアーを通じての個人総合ポイント賞も獲得した。ツアーの個人総合成績では、イタリア人のフォルッナート・バリアーニ(チームNIPPO)が優勝した。
今大会では第5戦まで、ステージ1位から3位をすべて外国人選手が独占し、日本勢は苦杯をなめ続けた。最後に西谷が有終の美を飾り、ポイント賞の青いジャージも獲得したことで、日本チームが世界と戦える可能性を示す形となった。



この日は日比谷シティ前をスタートし、大井埠頭の7キロ周回コースを14周する112.7キロで争われた。ほぼ平坦なコースだけに、各チームは平地での爆発的な加速力を誇るスプリンターに勝負を託した。一方、3位までが4ポイント以内の僅差だった総合ポイント賞争いにも注目が集まった。
レースは、第5戦まで総合首位のバリアーニを上位でゴールさせたいNIPPO、そしてポイント賞首位のマリウス・ヴィズィアックを擁するマトリックス・パワータグ、同2位の西谷による逆転を狙う愛三工業が大集団の前方を固め、他チームの逃げを許さない展開に。途中、ポイントが設定されている中間スプリント地点では、西谷が何度も上位で通過し、ポイント賞争いで暫定首位に立った。
集団は大きな一つの塊のままゴール勝負へ。混戦を抜け出して先頭で駆け抜けたのは、愛三工業の青いジャージに身を包んだ西谷だった。
個人総合山岳賞はジュリアン・アレドンド・モレノ(チームNIPPO)、チーム総合優勝はチームNIPPOが獲得した。
ツアー・オブ・ジャパンは日本を代表するステージ制ロードレース大会で、毎年5月の自転車月間に開催。昨年は東日本大震災の影響で中止され、今大会は2年ぶりの開催となった。この日の最終戦は五月晴れの快晴のもと、東京都心を舞台とするコースへ多くの観客が訪れ、世界レベルのプロの戦いに声援を送った。



大会の模様は、ツアー・オブ・ジャパン総集編としてBSフジで放映される。放映日時は6月16日(土)午後1時~1時55分の予定。