福田真平をエースにスプリント勝利を狙う世界レベルへ挑戦の年 アジア最高峰のツール・ド・ランカウイに挑む愛三工業レーシング

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 2月27日に開幕するツール・ド・ランカウイ(UCIアジアツアー2.HC)。6つのUCIプロチームが参戦するアジア最高峰のレースに、日本からは愛三工業レーシングチームが参加する。シーズン初戦かつ最大のレースを目前に控えたチームに、今大会への意気込みを聞いた。(文・写真 田中苑子)

2014シーズン初戦、ツール・ド・ランカウイに挑む愛三工業レーシングチーム2014シーズン初戦、ツール・ド・ランカウイに挑む愛三工業レーシングチーム

 アジアツアーのレースながら、世界のトップチームが集うツール・ド・ランカウイ。もちろん、その分レベルは高く、勝利することは難しくなるが、出場を熱望するアジアのチームは多く、8つの出場枠に対して相当数のチームからオファーがあったという。そのなかには、いくつかの日本チームも含まれていたが、主催者が招待状を送ったのは愛三工業レーシングチームだった。

 愛三工業レーシングチームは、今年で5年連続5回目の出場になる。2010年と11年に綾部勇成、西谷泰治がそれぞれステージ優勝を挙げた実績をもち、主催者からの評価は高い。同チームは他の日本チームに先駆けて、“アジア”という拠点でレース活動を行い、苦労しながらも結果を残してきた。その積み重ねがチームにとって大きな強みになっている。

ランカウイ島で約1週間のトレーニング合宿を積んでからレースに参加するランカウイ島で約1週間のトレーニング合宿を積んでからレースに参加する
2010年のツール・ド・ランカウイでゴールスプリントを制してステージ優勝を挙げている西谷泰治2010年のツール・ド・ランカウイでゴールスプリントを制してステージ優勝を挙げている西谷泰治

アジアから世界へ ステップアップを図る2014年

 「現在は、UCIアジアツアーランキングの上位を目指しながら、アジアから世界へ、ステップアップできるチームを目指しています。“アジアツアーナンバーワン”という目標を掲げていた時期もありましたが、現状ではスケジュールなどの関係から出場できるレースが限られてしまうため、あまり現実的な目標ではなくなってきました」

 そう話すのは別府匠監督。今季、同チームはスコット社と新規契約したこともあり、「自分たちコンチネンタルチームの位置がより明確になった」と続ける。スコット社との契約は日本法人とではなく、スイスに構えるグローバル本社とのあいだで結ばれたもの。愛三工業レーシングチームがアジアを代表するコンチネンタルチームだという理由で契約に至った。

新しくチームバイクになったスコット。FOILがスプリンターのメインマシンになる新しくチームバイクになったスコット。FOILがスプリンターのメインマシンになる
トレーニング後にバイクセッティングを詰める盛一大とメカニックの中山直紀トレーニング後にバイクセッティングを詰める盛一大とメカニックの中山直紀

 スコット本社が契約しているのはオリカ・グリーンエッジ、IAMサイクリング、愛三工業レーシングチームの3チームのみ。必然的にスコット社はカテゴリーが違うとはいえ、グリーンエッジと同チームを比べることになる。「それは世界のトップチームと同じライン上にいることになり、厳しいけど自信にもなる。“日本のトップチーム”から、“アジアを代表するコンチネンタルチーム”として、グローバルスタンダードで考えるなら、ようやくスタートラインに立てたと感じています」と別府監督。

 高い意識と世界基準に沿ったチーム運営をもって、アジアで戦いながら、そのなかで日本人の選手やスタッフの可能性を突き詰め、どこまで自分たちのレベルを上げることができるか、また格上のチームへいかに選手を送り出せるかが、彼らの目標であり課題だ。

次世代スプリンター、福田真平をエースに勝負

 愛三工業レーシングチームにとって、ツール・ド・ランカウイは「世界トップのUCIプロチームと走れる貴重なチャンス」。10ステージ中8ステージが集団ゴールスプリントの展開になると読んでおり、チームはスプリンターの福田真平、西谷泰治中心の布陣で臨む。ほかの参加メンバーは綾部勇成、盛一大、平塚吉光、伊藤雅和。

 「福田中心のスプリントを何度もシミュレーションして、練習を積んできました。ここで勝ってしまったら、ワールドツアーで通用するレベルになるので、チームとしてはあくまでも、常にチャンレンジャーの姿勢で、練習してきたことをどこまで形にできるかを追求したい。勝ち負けよりも、ゴール前で自分たちのベストの形を組んで、世界のトップにスプリントを挑みたいですね」と別府監督。

ツール・ド・ランカウイ開催前日に開催されたチームプレゼンテーション。スプリンターの福田真平が手を挙げるツール・ド・ランカウイ開催前日に開催されたチームプレゼンテーション。スプリンターの福田真平が手を挙げる
福田真平は2013年のツール・ド・イジェンでステージ優勝を挙げた福田真平は2013年のツール・ド・イジェンでステージ優勝を挙げた

 エーススプリンターを託された福田は現在26歳。昨年11月にインドネシアで開催されたツール・ド・イジェン(UCI2.2)で国外UCIレース初勝利を挙げた次世代のスプリンター。「自分たちはチャレンジャーなので、よけいなプレッシャーはありません。まずはゴール前でしっかりとトレインを組んで、チームの存在を格上チームに示すことが必要です。序盤のステージで主導権を握れたら、そのあとがやりやすくなると思います」と福田は話す。

 スプリントに向けてトップチームがトレインを組み、加速をし始めると、格下チームは後ろへと追いやられてしまい、勝負させてもらえないというのはよくあること。多くのトップスプリンターが参戦するツール・ド・ランカウイでは、戦線に加われるかが、最初の課題となる。

 「チームのトレインがうまく機能したら、力は大差ないと思っています。勝ちを狙いにいって、最低でもUCIポイント圏内(8位以内)でゴールするのが目標です。その位置でゴールできたら、トップまでは紙一重ということになるので、勝つことができる位置ということになりますよね。綾部さん、盛さん、西谷さんと、最高のメンバーにトレインを組んでもらうことになるので、ここで成績を出せなかったら、この先ずっと出せないような気がします」

この日はショートトレーニング。穏やかな雰囲気でランカウイ島でトレーニングを行うこの日はショートトレーニング。穏やかな雰囲気でランカウイ島でトレーニングを行う
はるばるランカウイ島までファンが応援に駆け付けたはるばるランカウイ島までファンが応援に駆け付けた

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 愛三工業レーシングチームにとって、シーズン初戦にして最大の目標であるツール・ド・ランカウイは2月27日から3月8日までの10日間、総走行距離1495.9kmで開催される。UCIプロチームのトレインと並んで、愛三工業レーシングの青いトレインがゴールに飛び込んでくることを期待したい。

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