スペイン・マヨルカ島に今季メンバー勢揃い世界一奪還に燃えるMTB「マルチバン・メリダ バイキングチーム」 ガン・リタは現役続行に“YES”

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 スペイン・マヨルカ島で2月中旬に開催されたメリダ・プレスキャンプで、世界トップクラスのマウンテンバイク(MTB)チーム「マルチバン・メリダ バイキングチーム」の体制発表や撮影会が行なわれた。クロスカントリー・マラソンの現女子世界チャンピオンのガン・リタ ダール(ノルウェー)やベテランのホセ・ヘルミダ(スペイン)をはじめとする6選手が、今シーズンの意気込みを語るとともに順調な様子をカメラの前でアピールした。(レポート 柄沢亜希)

2014年シーズンのマルチバン・メリダ バイキングチーム。左からホセ・ヘルミダ、ユリアン・シェルプ、ルディ・ヴァンホーツ、ガン・リタ ダール、オンドレイ・ツィンク、トーマス・リッチャー2014年シーズンのマルチバン・メリダ バイキングチーム。左からホセ・ヘルミダ、ユリアン・シェルプ、ルディ・ヴァンホーツ、ガン・リタ ダール、オンドレイ・ツィンク、トーマス・リッチャー

ベテランも若手も「準備万端」

世界チャンピオンの証アルカンシェルジャージに身を包んだガン・リタ ダール世界チャンピオンの証アルカンシェルジャージに身を包んだガン・リタ ダール

 今年2月に41歳を迎えたダールは、「多くの人から『大変なスポーツね』って言われるけれど、そうじゃないことが証明されている」と、年齢のハンディを跳ね飛ばす頼もしい発言が飛び出した。2016年リオ五輪をターゲットとするかどうかについては、明言を避けたものの、「少なくとも、まだ歳を取り過ぎということはない。シーズンが終わってみなければ分からないけれど、競技を続けるかどうか、いま問われれば“YES”ね」と現役続行宣言で会場を沸かせた。

 世界選手権XCOで3位となったヘルミダは、昨シーズンを振り返り「29インチか27.5インチか…各レースでいったいどれを使うべきか考えがまとまらず、“メンタルクライシス”に陥ってしまっていた」と機材面で戸惑いが多かったことを明かした。今年は機材も含め「ゴールを定めていく」とコメントした。

今年は「ゴールを定めていく」とホセ・ヘルミダ(スペイン)今年は「ゴールを定めていく」とホセ・ヘルミダ(スペイン)
「冬の間は小さなシクロクロスレースに出ていた」とルディ・ヴァンホーツ(オランダ)「冬の間は小さなシクロクロスレースに出ていた」とルディ・ヴァンホーツ(オランダ)
「もう一度ワールドカップのポディウムに立つ」とモチベーションが高いトーマス・リッチャー(スイス)「もう一度ワールドカップのポディウムに立つ」とモチベーションが高いトーマス・リッチャー(スイス)
「トレーニングもうまくいっているし昨年以上に上を狙う」とオンドレイ・ツィンク(チェコ)「トレーニングもうまくいっているし昨年以上に上を狙う」とオンドレイ・ツィンク(チェコ)
今季新加入で期待の集まるユリアン・シェルプ(ドイツ)今季新加入で期待の集まるユリアン・シェルプ(ドイツ)

 そのほか、クロスカントリーのナショナルチャンピオンで昨シーズンのワールドカップ総合5位のオンドレイ・ツィンク(チェコ)、新加入で現在21歳の若手ユリアン・シェルプ(ドイツ)らが紹介された。ベテランの背を追う選手らも皆、異口同音に「準備万端」と引き締まった体を見せつけた。

 新任チームマネージャーのファビアン・アウスト氏は、「UCI(国際自転車競技連合)のワールドカップのチームランキングが2位だったことは、選手たちにとってもいいモチベーションとなる。今年はまたトップを奪還する」と選手以上に気合の入った言葉で活躍をアピールした。

2014年マルチバン・メリダ バイキングチーム2014年マルチバン・メリダ バイキングチーム

■Cyclist’s EYE

海に面したロケーションでの撮影風景海に面したロケーションでの撮影風景

 これまでMTBプロチームの取材に本格的に関わる機会がなかった記者は、体制発表の場で、まずヨーロッパにおけるMTB取材陣やファン層の熱さに驚かされた。

 日本におけるMTBは、金銭的・時間的なゆとりがあり、自転車経験が豊かなベテランライダーやショップなど、その道(トレイル)に精通した人によって継承された文化のように感じていた。逆の言い方をすれば、そういった人たちに頼る機会がなければ、身近に楽しむことはできないアクティビティが、日本のMTBだ。しかしヨーロッパでは、ファッションやライフスタイルをけん引する若者たちが、例えるならサーフィンのように、華々しい雰囲気を振りまきながらMTB競技へ情熱を傾けているのだ。

撮影前、日差しが強くなくても入念に日焼け止めを塗る選手らの脚は、すでにくっきりと日焼けあとが残る撮影前、日差しが強くなくても入念に日焼け止めを塗る選手らの脚は、すでにくっきりと日焼けあとが残る
チームのバンにバイクを7~8台収納した状態。「もっと積み込めるよ」とチームスタッフチームのバンにバイクを7~8台収納した状態。「もっと積み込めるよ」とチームスタッフ
岩場を下るガン・リタ ダール岩場を下るガン・リタ ダール
女性らしいポーズのリクエストにも応じていた女性らしいポーズのリクエストにも応じていた
バイクを持ち上げてみせるホセ・ヘルミダバイクを持ち上げてみせるホセ・ヘルミダ

 また、歴史の浅いMTB文化を築き上げつつプロへと昇りつめたせいか、マルチバン・メリダ バイキングチームの選手らの晴れ舞台での身のこなしや、報道陣への洗練された対応ぶりは、同じ頃に取材したプロロードチーム「ランプレ・メリダ」と比較しても好印象だった。加えて、写真撮影時にはリクエストがあろうとなかろうと、無駄のないポージングを次々に披露してくれたことには感動すら覚えた。

 何より、初めてみる者にも「MTBは魅力的だ」と思わせることができることが素晴らしい。日本と欧州ではトレイル数や交通法規、居住環境といった違いが大きいにせよ、MTBの魅力的な世界を味わうチャンスに巡り合えないまま人生を終えるのはもったいない――記者はそう思わされた。(柄沢亜希)

世界チャンピオンの証“アルカンシェル”(虹)のジャージ姿のガン・リタ ダールと、ラッピングが施されたフォルクスワーゲン「マルチバン」世界チャンピオンの証“アルカンシェル”(虹)のジャージ姿のガン・リタ ダールと、ラッピングが施されたフォルクスワーゲン「マルチバン」
ずらりと並んだチームカー、フォルクスワーゲン「マルチバン」ずらりと並んだチームカー、フォルクスワーゲン「マルチバン」

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