工具はともだち<41>工具にタトゥー? 刻印は京都の技術と美術が融合した証

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スパナに刻印されたロゴマーク・品番・サイズスパナに刻印されたロゴマーク・品番・サイズ

 前回の“スリムなボディづくりに続いて、工具の体づくり…ボディにフォーカスをしていきます。

 シンプルなボディの工具の表面には、様々な情報が刻まれています。まず表現されているのは、どこのブランドかってロゴ。もちろんわれわれの商品も、一番力強く、刻印していますね。

 その次に必要なのが、何という商品なのかを明確にする品番表示。「Cyclist」サイトでの年始キャンペーンでも人気の高かった当社のデジラチェは、「GEK○○」や「GLK○○」、「GED○○」なんて品番の表記がなされています。

 工具の業界では、かわいい愛称で呼ぶケースは少なく、今のような品番で、商品を呼んだり、会話することが、“マニアック”なんだそうです。メーカーの開発担当になったような気分かもしれないですね。数値が刻印されている場合もありますが、その工具が適応するボルト・ナットとサイズを品番にしている場合もあります。

デジラチェに記載された品番デジラチェに記載された品番
デザインの刻印が入った「薄口コンビネーションレンチ」デザインの刻印が入った「薄口コンビネーションレンチ」

 われわれKTCの商品では、レンチ類に、「S2-0810」や「M5-1214」といったように設定しており、この商品の場合でいくと、8mmと10mmのボルト・ナットに対応しているレンチ類ですという品番刻印となっています。

 このお話は、工具を自分で購入する際参考にしていただくことによって、買ったあとに「あれ、サイズが違う」という問題も回避てきるでしょうし、ネット通販など商品を手にとって確認できない場合でも、有効になると思います。

 それから、JISという規格に適合している商品は、相応のマークが刻印されていますね。メーカーによっては、製造番号が刻印されている場合もあります。これは、皆さんが使用したり購入したりする際には意味のない文字列ですが、われわれにとっては非常に大切なものです。

 設計変更などの履歴を追跡することが容易であるほか、万が一お客様のお手元に不具合のある商品が届いてしまった場合の追跡も容易ですし、その後の発生を、最小限に防ぐなどのトラブル回避に繋げることもできます。

 で、これからご紹介するのが、工具にとっては、もっともインパクトのある刻印…というよりも、デザインになります。

 京都には、市内の中心を流れる高瀬川と呼ばれる川があります。春になれば、多くの観光客が美しい夜桜を目当てに訪れます。そんな高瀬川に流れる桜の花をデザインしたのが、写真の「薄口コンビネーションレンチ」です。サイズは、8mm、10mm、15mm。自転車のペダルに合うサイズもあります。

 実は、“ボディタトゥー”へのこだわりだけではありません。

 スリムボディに、これだけのデザインを鉄に刻印するのは、非常に高い技術力が求められます。ひずみとの戦いを制したこの商品は、京都の技術と美術の融合ともいえます。ペダルレンチの購入を検討される場合は、是非、候補アイテムとして選んでくださいね。

小池覚(こいけ・さとる)

KTC(京都機械工具)へ入社後、販売企画や商品開発に携わる。学生時代から二輪、四輪が趣味で、整備経験が豊富。自転車は実は始めたばかりだが、工具のプロとして、サイクリストにも整備の“いろは”を伝えることに燃えている。

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