“ちゃりん娘”三井麻里子さんとショートサイクリング荒川河川敷からひと足のばして人情味あふれる商店街へ 美味しいもの、いろいろ食べてきました!
河川敷利用のマナー向上や事故防止を呼びかける「荒川マナーアップミーティング2014」が3月9日(日)、東京都北区の荒川河川敷を会場に行なわれる。このミーティングを前に、当日は「自転車エンジョイ派代表」として出演する、自転車好きガールズユニット“ちゃりん娘”の三井麻里子さんが、荒川周辺を事前視察することになった。三井さんと一緒に、走り慣れた河川敷道路を離れて付近の商店街へと足をのばし、下町ならではの人情にふれつつ地元のグルメを楽しんできた。 (米山一輝)
小ぶりで落ち着いた街並みにホッ
この日はイベント会場となる荒川岩淵関緑地そばの河川敷、荒川サイクリストにはおなじみ岩淵水門のあたりで三井さんと待ち合わせた。さっそうとロードバイクで現れた三井さんは、荒川からそう遠くない場所で暮らしていることもあり、この河川敷はホームコースなのだという。
「車道はクルマが多いので、1人で走るときは荒川河川敷に向かいます」と話す三井さん。普段はフィットネスジムのインストラクターとして活躍しているスポーツウーマンだ。平日の休みが多いため、荒川を走るのも平日が中心。「美味しいもの好きなので、素敵なカフェを調べて行ったりしますよ」という。この日も、やはり美味しいものを求めて出かけることに。
さっそく、下調べしてきた商店街を目指した。普段、ロードバイクではあまり走らないような生活道路や路地をのんびりつないで、5分ほどで最初の目的地「志茂七溜(しもななため)商店街」に到着した。

たどり着いた志茂七溜商店街は、小ぶりで落ち着いた街並みがわれわれをホッとさせてくれた。実は、昭和23年開設という歴史のある商店街だ。現在は鉄道の駅からやや離れているが、かつては入口にあたる北本通りを走っていた「王電」こと王子電気軌道(買収されて東京都電の一部になった)の七溜電停が、すぐそばにあったという。ちなみに現存している都電荒川線は、この王電由来の旧27系統と32系統を統合したものだ。北本通りの地下には現在、東京メトロ南北線が走っており、商店街から少し南東へ進めば志茂駅がある。
「だいます」のオススメはもつと牛すじの煮込み

まずは商店街の奥のY字路付近に位置する弁当店「だいます」に立ち寄った。実はここ、テレビ番組でも紹介された知る人ぞ知る名物店。訪れたのが午前中だったこともあり、店頭に並んでいるのはお弁当ではなくお惣菜が中心だった。
懐かしさを感じさせる手作りの料理を眺めていると、お店の紅一点という“お姉さん”が親切に応対してくれた。営業時間は「だいたい朝9時くらいから夜の8時くらい」だそうで、お昼時はお弁当、夕方4時くらいからは焼き鳥が店頭に並ぶ。お弁当は味噌汁付きで500円と、なかなかお買い得だ。
お店のオススメというもつ煮込みと牛すじ煮込みを頂いた。いずれも柔らかく、味がしっかり染みていて、とても美味しい。ボリュームがあり、体も温まるので、サイクリストが冬場や春先にしっかり熱量とスタミナを補給するのに良さそうだ。ただし日曜日はお休みなのでご注意を。
志茂七溜商店街から北本通りを横断して、その先の通りは「志茂平和通り商店街」。さらに道なりに進んでいくと「志茂スズラン通り商店街」になる。店舗は連綿と連なっているのに、街の名前だけ次々に変化していくところが面白い。
道はさらに先まで続き、大きなアーケードを構える「赤羽スズラン通り商店街」に吸い込まれ、やがてJR赤羽駅前へとたどり着く。駅から見れば、いまわれわれがいる志茂スズラン通り商店街の辺りは「アーケードの先」ということになる。駅前から500メートルほど離れていることもあり、開放的で少しのんびりとした雰囲気。そんな中を、人々がゆったりと行き交っている。
「すごいスピードで横を走っていくのは、やはり怖いね」

志茂スズラン通り商店街では、和菓子のお店「きくの家」に立ち寄った。三井さんが店主の山森さんにオススメを聞きながら、勢いよく何種類かを選んでいく。「これ何ですか?」と指差したのは、「すあま」。上新粉を湯でこねて蒸し、砂糖で味付けをしたシンプルな和菓子で、あんこを使わない上品な甘さと、かまぼこのような外見が特徴だ。
普段は店頭売りだけだそうだが、この日は特別に店内にお邪魔して、お茶をいただきながら山森さんにお話を聞いた。荒川から近いこともあって、山森さんは休日などに河川敷へ出掛ける機会が多いという。最近、荒川河川敷でスポーツサイクルが増えていることにも触れ、「子供やお年寄りも多い中で、すごいスピードで横を走っていくのは、やはり怖いね」と話す。商店街の中をジャージに身を包んだスポーツサイクリストが通ることも増えた。派手なウェアやヘルメット&サングラスという出で立ちには、少々威圧的に感じてしまうこともあるそうだ。
そう話しながらも、目の前にステキな三井さんがいるせいか、山森さんの口調は終始穏やかだった。
河川敷の“外”へ足をのばす意義
考えてみれば、われわれ河川敷を走るサイクリストは、その土地に根ざして利用している人たちに比べると、ただ通過するだけのことが多い。サイクリストの一人ひとりが地元の人たちと交流し、得体の知れない来訪者から親しみやすい存在へと変化すれば、お互いの理解がもっと進んで、河川敷利用マナーの問題も改善に向かうのではないだろうか。
今回のように、河川敷の“外”へ足をのばして、少しずつでもその土地や空気とふれ合う試みは、決して悪いことではなさそうだ。

このあたりで今回の短いサイクリングはおしまい。三井さんに感想を聞くと、「河川敷には何もお店がないので、普段はただひたすら走るだけになってしまいがち。すぐ近くに、こんなに素敵なお店があるんだぁと驚きました」と、まずは意外な発見を喜んだ。
そして「スーパーなどで店の人と話すことってほとんどないので、今回、お店のおじちゃんおばちゃんとお喋りしながら買い物をして、何だか懐かしく感じました」と、人情味あふれる下町商店街の魅力を満喫したようだ。「知らないと来られないけど、知っていたら来てみたいという気になりますね。また調べて色々訪ねてみます!」
三井さんが今回の視察についてレポートする「荒川マナーアップミーティング2014」は3月9日(日)開催。元F1ドライバーの片山右京さん、タレントの山田玲奈さん、モデルの日向涼子さんらも出演する。
■「荒川マナーアップミーティング2014」開催概要
【期日】2014年3月9日(日)
【時間】午前10時~午後1時
【場所】荒川河敷・荒川岩淵関緑地バーベキュ広場横(東京都北区志茂)
※雨天時会場:アモアホール(荒川下流河事務所敷地内)
【参加】無料、自由参加(サイクリストでない方も歓迎)
【内容】新・「道交法荒川河敷利用ルール」教室、パネルディスカッション、アトラクション(野球教室、ランニング教室)
【出演者】片山右京さん、みやちふじおさん、山田玲奈さん、日向涼子さん、伊藤浩子さん、土肥義弘さん、三井麻里子さん