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栗村修の“輪”生相談<16>44歳男性「妻に『もっと仕事に役立つスポーツをして』と言われます」

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 ロードバイク歴10年超のサイクリストで、ヒルクライムなどのレースに出場しています。しかし、妻は「もっと仕事に役立つスポーツをして」と、会社での交際につながりやすいゴルフやマラソンを勧めます。最近では「自転車で速くなっても出世できない」とまで言われる始末。自転車は出世の妨げになるのでしょうか?

(東京都、44歳男性)

 たしかに、一昔前ならば奥さんのおっしゃる通りだったかもしれません。接待ゴルフという言葉はあっても、接待自転車って聞きませんよね。でも、今は違う感じがします。ロードバイクはセレブな人たちがはじめるスポーツになってきている印象があります。これは勘ではありません。僕の実体験に根拠があります。

 ブリッツェンを応援して下さる宇都宮の企業経営者さんが少なからずいらっしゃるんですが、気が付いたら、ロードバイクを買っているんですよ。ジャージも一式揃えて。そういう現象が宇都宮では起こっていますし、他の地域でもロードバイクに乗る社長さんはけっこう見かけます。ツーリングで出会った人どうしで新しいビジネスをはじめたりとか。

今いちばんアツいセレブ・サイクリストの1人、オレグ・ティンコフ氏はとても引き締まったボディの持ち主今いちばんアツいセレブ・サイクリストの1人、オレグ・ティンコフ氏はとても引き締まったボディの持ち主

 彼らがロードバイクに乗りはじめるのには、それなりに合理的な理由があるとにらんでいます。まずはダイエットでしょう。健康が気になるお年頃ですから、趣味が成人病予防を兼ねてくれるのは大きいはず。

 それから、ロードバイクには競争という要素がありますよね。経営者だからか、彼らは競いあうことが好きなようです。仲間内で、上りは誰々が一番だけど、平地は俺が速いんだぜ、と楽しくやり合っているのを見ることがあります。そういう「競争欲」を気持ちよく満たしてくれる。

 機材スポーツですから、機材という側面もありますね。セレブな人たちならばお金もあるし、機材に投資して楽しめます。自分だけの一台を組み上げるだけでも楽しいでしょう。あと、重要なのは新しさ。経営者は時代のトレンドを掴まなければいけない人種です。「俺、ロードバイクに乗ってるんだぜ」というと一歩先を行っている感がありますよね。

 健康で引き締まった体を持ち、競争欲に燃えていて、トレンド好き。出世の条件を全部満たしているじゃないですか! 質問者さんには先見の明があったんですよ。自信を持ってください。

 具体的に出世するための方法としては、社内に自転車クラブでも作ってみてはどうでしょうか。そこに会社の上層部を巻き込むことができれば、相当有利ですよ。引き込む時の口説き文句には、上に挙げた強みを使ってください。

 ゴルフの知識が豊富な人は社内に少なくないでしょうが、ロードバイクを語れる人は少ないはずです。これは質問者さんのアドバンテージですよ。もし、課長や部長を通り越して社長がハマってくれれば…大チャンスです。一緒にツーリングに行って、疲れてきた社長に羊羹をすっと差し出す。パンクしたら、素早くチューブを取り出して交換。質問者さんの株はウナギ上り。むしろ周囲からの嫉妬に悩まなきゃいけないかもしれません。

 『釣りバカ日誌』ならぬ、自転車バカ方式です。これ、相当いけるんじゃないでしょうか?

(編集 佐藤喬・写真 砂田弓弦)

回答者 栗村修(くりむら おさむ)

 「宇都宮ブリッツェン」テクニカルアドバイザー、「J SPORTS」サイクルロードレースレース解説者、「ツアー・オブ・ジャパン」副イベントディレクター。選手時代はポーランドのチームと契約するなど国内外で活躍。引退後はTV解説者として、ユニークな語り口でサイクルロードレースの魅力を多くの人に伝え続けている。著書に『栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング』『栗村修の100倍楽しむ! サイクルロードレース観戦術』(いずれも洋泉社)など。

※栗村さんにあなたの自転車に関する悩みを相談してみませんか?
 ml.sd-cyclist-info@sankei.co.jpまでお寄せください。

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